

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

さて、前回の記事で似ていると言っておきながらキャンプ用品にはたとえられなかったのがスイッチャーなわけですが、依然、使い方がわからない、説明書を読んでも難しい、といったお問い合わせをいただきますので、もしかするとそこに似ているモノのヒントがあるのではないか?と不純な動機で今回は書いてみたいと思います。
説明書を読んでもわかりにくい、というお問い合わせをけっこういただくわけですが、おそらく『ここは知っていますよね?』前提が他の機材と比べて比較的多め、というのが理由なんじゃないかと思っています。
全部を事細かく書くとおそらく分厚くなって読む気にならない説明書になってしまうから、とも思うわけですが、難しいところですよね。
できることがすごく多いですし、アイディア次第で他とは違った使い方もできますし。
スイッチャーにもいろいろあるので簡単に要約してみるとモデルによっての違いはざっくりこんな感じかと思います。
– 前編 –
・ループの数
・プログラム可能か否か
・スイッチャーのバッファを使う、使わないは選べるか
– 後編 –
・セパレートループはあるか
・拡張性があるか
・MIDI に対応しているか
書いてみて簡潔にしようと思っても、やっぱり長くなってしまったので今回の前編、次週の後編で分けたいと思います。

基本はこんな感じでスイッチャーのループにつないだエフェクターをスイッチャー側で ON/OFF 可能にする、というモノになります。
手前で操作できるようになるため、エフェクターがボードの踏みにくい位置にあったとしても ON/OFF はスイッチャーでできる、という操作性の向上とループに接続したエフェクターはボード内に収まってさえいればどこにあっても良いという配置、レイアウトの自由度も上がります。
スイッチャー側でエフェクターをかけるかどうかを選ぶ、という使用方法になるため、ループに接続したエフェクターは常時 ON にしておく必要があります。
エフェクターボードに組むエフェクターは基本接続したままになるため、電池では放電し続けてしまいます、そのためエフェクターの電源となるパワーサプライは必須機材になります。
・備考
ループの数はシンプルにスイッチャーに接続できるエフェクターの数、になりますが、ループ 1 つにつき、1 つしかつないではいけない、ということではありません。
セットで使うエフェクターの場合はループ内に 2 個、3 個とつないでも大丈夫です。
その中から時には選択して使いたい場合はエフェクターの本体側で OFF にすることで効果を切ることも可能ですが、本体で OFF/ON するアクションが追加になります。
ループ数は多い方が利便性は上がりますが、サイズも大きくなっていきます。
利便性、サイズ感、どちらをとるかはご使用状況によって様々です。
こういう方法もある、というひとつのケースです。


多分、ここの知っていますよね?前提はマルチエフェクターでのプリセット切換、かと思います。
マルチエフェクターはプリセットを選んで切り換えていく、内蔵のエフェクターの種類、セッティング、組み合わせはプリセットごとに自由です。
A メロ、B メロ、サビ、ソロなど、それぞれをセッティングしてプリセットしたものを切り換えていく、といった使用方法です。
プログラム可能なスイッチャーはこの操作に近い感じでできるようにはなりますが、エフェクターのつまみのセッティングまでは記憶できません。ここは手動になります。
(詳しくは次週後述しますが MIDI 対応エフェクター以外は)、ON/OFF の組み合わせの記憶になります。
コンパクトエフェクターを複数個同時に ON/OFF したい、一踏みで組み合わせパターンの切り換えがプログラム可能なスイッチャーであれば瞬時にできるようになります。
踏み間違え防止にもなりますので演奏に集中できるというのもメリットです。
・備考 1
エフェクターのつまみのセッティングも記憶できるならマルチの方がいいんじゃないか?となりそうですが、利便性はたしかにそうかもしれません。
マルチに入っている音、すべてが気に入っている場合はそれもありですが、自分で選んだそれぞれ一番好きなエフェクターで構築できる、という点がエフェクターボード、というモノの魅力かと思います。
バンドで埋もれない音は歪み具合にもよりますが、アナログの歪みエフェクターの力が大きいです。主にデジタルのマルチエフェクターとはその部分が違ってきます。
・備考 2
この『プログラム』機能の他、単純にそれぞれループの ON/OFF を操作する、『ダイレクト』があります。
ダイレクトのみのスイッチャーもありますし、プログラム対応のスイッチャーはモードの切換でダイレクトでのご使用もだいたい可能です。
モード切換スイッチがあるものもあれば、フットスイッチの長押しで切換える、などその方法はモデルによって異なります。
スイッチャーのインプット、アウトプットがそれぞれ 1 つずつであれば迷わないのですが、インプットの他にバッファー・インがあるのはどっちにつなげばいいんですか?というお問い合わせがここの部分です。
スイッチャーに内蔵のバッファを使うか否かを接続箇所を換えることで選べるわけですが、迷う要因として、どちらにつないでも音は出ます、というのが知ってますよね?前提かと。
セオリー的には楽器からすぐにスイッチャーにつなぐ場合はバッファ・イン、気に入っているバッファや常時 ON のエフェクターなどが先頭、スイッチャー前にある場合はノンバッファー・イン、にはなりますが、実際に使うエフェクターを繋いで実際に使う音量、それもなるべく大音量じゃないと正直なところわかりにくい部分かもしれません。
一般的に楽器から近いところでバッファを通ることでノイズに強くなる、というのは利点ですが、ボードの頭に良いバッファ内蔵のエフェクターがあればそこまでバッファを重ねなくても良いですし、バッファによる音質変化もあるため、お好み分かれる部分でもあります。
接続して弾いてみて、単純にこっちの方が好きだ、と思った方が正解、くらいにあっさり考えていい部分とも思います。
根尾さんならどうしますか?と聞かれることも多いので一応書いておきます。
『よりそれぞれのエフェクターの持つ音を引き立てたい場合は良いパワーサプライの方がずっと大事でスイッチャーはノン・バッファで良いパワーサプライはノイズ対策も充分兼ねてくれている、と考えています。』
極力簡潔にしたかったのですが、それでもこの長さ。
最後まで読んでいただけてたら本当にありがとうございます。
結局、スイッチャーはキャンプ道具の中に似たモノはなく、便利過ぎたらそれはもうキャンプじゃない、ってことにしておきます。
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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。『全都道府県に製作実績を』を目標にしておりますので、日本全国よりご相談、ご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。