札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
今年はやけに暑い札幌。突如スコールみたいな雨とかこれまでなかったような変な天気でこの先どうなるやら。
さて今回は大阪府、伊藤 良哉 様のエフェクターボードを製作させていただきました。いつも本当にありがとうございます!
バックビュー。
市販のエフェクターボードは使用せず、ボードの収納、移動に適したケースからの寸法で。
伊藤 様からのご依頼は毎回 MDF を切り出してボードを作るところから始まります。
今回は歪み一個専用の超コンパクトボード、DULCET / MASTERS (Classic) のためのボードです。
ぜひ弾いてみてくださいとお送りいただき、初めて触れましたが、お世辞抜きにマジで良いな、コレは…というペダルでした。
何が良いって OFF でも間にあるだけでアンプの音が明らかに良くなる、本家とよく似た印象を持ちました。
筐体はデカいですが、この筐体じゃないとおそらくこうはならない、ファットでウォームでリッチな音色。ON 時も OFF 時も実にまろやか、普段チェックで使用しているアンプがなんかいいアンプに化けた、そんなペダルです。
余談ですがこの効果があるので、CENTAUR 系を比較するときは単体で接続しないといけません。直列でつないじゃうと比較したいもう一方がいつもより良く聴こえてしまいます。
こちらは香港のブランドだそうで、本当にびっくりしました。音に。
クローン系はそこそこ見てきましたが、筐体が本家と同じようにデカくても「?」なモノもあればちょっと微妙かも、というモノもある中、コレは記憶の中の本家の印象に一番近い、チェックとは言え、弾くのをやめたくないな、いや働けよっていう葛藤がでるほどの気持ちよさ。
ドライブさせるといい感じにグギャッ!っていう喰いつきのある音、このミドル感はバンドでもすっこりとヌケて聴こえてくるであろうと容易に想像のつくキャラクターです。
シンプルにアンプをプッシュするのもいい、他のエフェクターのブースターとしても優秀、前にいても後ろにいても好みの方でいい、大きいボードの中なら直列の中にいてほしい、そんな激しく使い勝手の良いエフェクターだと思います。
フォントも文字サイズも控えめでルックス的にもすごく良い。恐るべしですね…。
久々にすごいモノを見て、聴いて、感動しました。
ギター弾くの楽しいなー!ってなるペダル。マジにすごかったです。
そんな感じでボードの方に戻ります。
この角度からご覧いただくとわずかにボードが床面から上がっているのがわかると思います。MDF 材の裏には滑り止めのゴム足をつけてるためですね。
滑り止めとしてはもちろんなのですが、もしもこのゴム足がなければ持ち上げるのに地味に苦労します。わずかな高さに指が簡単にひっかけられて設置位置の調整や撤収もしやすい、そのためでもあります。
エフェクターボードを作るにあたって、大きい方が大変で小さい方が楽、そんなイメージがあると思いますが、実はそうとも限りません。
大きいと数も多くなり製作時間はかかる、というのはもちろんありますが、レイアウトパターンやケーブル類の通り道、ACアダプターのコードなど、あまりが出る時の隠し場所など、その辺の自由度は高くなります。
小さいとレイアウトのパターンは激しく限られます。ケーブルの隠し場所はほぼありません。
おぉ、綺麗!となるつくりにするには大きいボードよりも難易度が高いと思うんですよね、これは小さくなればなるほどです。僕の場合。
今回はこんなイメージにしています。
レイアウトはこの位置しかない、というくらいこっちに置くとアレがダメ、そっちに置くとソレがダメ、というなんとも悩ましい感じのまま、最終的には最初のパターンから位置のご指定をいただき、決定となりました。
strymon / PS-124 と DULCET は天揃え、下部に EIAJ ケーブル分の飛び出しがあるため、スペース的にちょうどいい感じにもなっています。
DULCET と tc electronic / polytune noir は筐体位置ではなくスイッチ位置で合わせて配置しています。
取り外すこともあるかもしれない、ということでケーブル類の固定は最小限に、というリクエストもございましたので、タイベースでの固定は一カ所のみ、その他はケーブルの流れでその位置におさまってくれるように合わせています。
一カ所、広がらないようにインシュロックで締めてますが、基本は負荷なく、ケーブルがケーブルを抑えてくれるような感じにしています。
移動時は strymon / Ojai 側の EIAJ ケーブルは抜きますが、接続した時、パッチケーブルと同じカーブを描いてくれたら綺麗なんじゃないか?と思い、そうなるように製作させていただきました。
ちょっとコミカルなカタチで手前味噌ではありますが気に入っているポイントです笑
伊藤 良哉 様、今回もありがとうございました!
■HNEBD 地獄通信 -お知らせ-
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
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