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スイッチャーとはなんなのか – 後編 –

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

すっかりそこそこ寒くなってきたところで野外ライブがありましたが、秋らしく、帰ってエフェクターボードをクリーニングしていると中から枯れ葉が出てきました。

ということで先週に引き続き、スイッチャーのお話、後編です。

セパレートループはあるか

とくにスイッチャーの仕様的にここがよくわからない、とお問い合わせいただくことがあります。

セパレート、その名のとおり分かれているわけですが、なんで?ということですね。

5 ループならそのまま 5 ループでつながっているものもありますが、一部セパレートループになっている、というモノがあります。

これは様々な接続方法に対応するためです。

最初にどうなっているのか、というところを 5 ループ、セパレートループあり、拡張性あり、MIDI にも対応しているスイッチャーの大人気モデル、FREE THE TONE / ARC-53M の図で説明したいと思います。

インプット部分を見ていきますと、まずジャック下の列に HTS IN と IN があります。

上の列にも IN 5、インプットという名の穴が 3 つあるわけですね。

HTS IN もしくは IN のアウトは下の列の OUT、このモデルはループの 5 がセパレートになっているので、IN 5 のアウトは OUT 5 になっていて上下で分かれています。

HTS IN というのは FREE THE TONE 独自の方式でここでは省略しますが、他のスイッチャーではバッファー・イン側として考えていただくと良いです。

図にするとこんな感じです。

HTS IN、(もしくは IN) から入った信号は下の列の OUT から出ますのでループに入れたいエフェクターが 4 個までの場合はこんな接続方法になります。

ループをフル活用、5 個つなぎたい時はこうなります。

OUT から一回出て IN 5 にまた入る、OUT と IN 5 をパッチケーブルで接続する必要があります。

最終出力は OUT 5、これで 1 ~ 5 まで数字順にループのエフェクターがかかっていきます。

セパレートループアリのスイッチャーのループをフル活用するにはスイッチャー間でつなぐパッチケーブルが一本必要、ということですね。

この図の場合はすべて HTS サーキット(他スイッチャーではバッファ・イン)を通った信号になります。

HTS サーキットを通したくない場合は IN (他スイッチャーではノン・バッファ・イン)からの接続でも OK です。

セパレートループならではの接続方法

ハイ・インピーダンスで受けたいエフェクター、一部のファズやワウなどがある場合は最初にセパレートループから入って HTS IN に行くことができます。

この場合は先頭がループ 5、その後に1、2、3、4 という順番でエフェクターがかかります。

HTS サーキット(他スイッチャーではバッファ・イン)を通った信号は 1、2、3、4、のみになります。

セパレートループがないとこの方法は使えないんですよね。

他にもだいぶマニアックになるからか、これまでの製作例ではありませんが。

ループ 5 を入力セレクターとして 2 本のギターを使い分けたり、出力セレクターとして 2 台のアンプを使い分けたりなど、A/B セレクター的にも使用可能です。

実に様々な接続方法に対応してくれるという仕様なわけですね。

拡張性があるか

よりスイッチャーで集中管理したい場合、拡張性の有無は重要です。

これがあることで操作できる部分がさらに増える、という部分ですね。

反面、そこまでは求めていない、操作を必要としていない、という場合はなくても大丈夫ではありますが。

使うエフェクターによりけり、な部分もあるのでボード内のエフェクターが決まった時点でのジャッジになりますが、あった方が後にしたいと思ったことができる、できないで分かれますのでサイズに問題がなければあって越したことはない部分でもあります。

たとえば C1/C2 はステレオ対応、エフェクター側が外部スイッチ切換に対応している必要がありますが、そこと接続することでスイッチャー側でのチャンネル切換が可能になります。

ただチャンネルが変えられるだけでなく、スイッチャーのプリセットごとに記憶もできますので、プリセットモードでは一発で好きなチャンネルの呼び出しが可能になる、ということです。

この点、詳しく過去に書いておりました。

→記事はこちら

EXT に外部スイッチ(アンラッチ)を接続するとプリセット、ダイレクトのモードの切換やミュートなど、機能を割り当てることが可能で、より使いやすいようにカスタマイズもできます。

バージョンで異なるかもですが、私のは電源投入時、常時プリセットモードになります。

ダイレクトでしか使っていないため、毎回ダイレクトにする必要があるのですが、外部スイッチを踏むことで立ったまま変更できる、これが地味に激しく便利だったりします。

この曲はプリセット、この曲はダイレクトとモードを踏み分けることもできますしね。

MIDI に対応しているか

MIDI 対応エフェクターをコントロールできるかどうか、です。

一昔前だとこういう端子があるか否かの見た目ですぐにわかりますが、昨今では TRS やミニプラグのも存在しますのであなどれません。

ここで MIDI 対応エフェクター、strymon / TIMELINE を例にしますとバンクは 100、ひとつのバンクに A と B、2 つのプリセットがあるので合計 200 種類、高音質で美しい音色のディレイを創れる、というペダルですが、本体にあるフットスイッチは 3 つです。

本体で操作する場合、フットスイッチの左(A)と中央(B)同時踏みでバンクダウン、中央(B)と右(TAP)同時踏みでバンクアップ、バンクを合わせて A または B から選ぶ操作が必要になります。足で。

A、B の 2 つから選ぶのでしたら余裕なのですが、複数つくったプリセットをライブで駆使して使いたい場合、曲中でのバンクアップ、バンクダウンはそこそこな難易度で、曲間であってもバンクの切換を忘れてしまうと危険な可能性があります。

これが MIDI 対応のスイッチャーであればスイッチャーでプログラムした各エフェクターの ON/OFF プリセットに加え、strymon / TIMELINE のBANK 8:A、次は BANK 18:B なども同時に一踏みで呼び出すことが可能です。

バンク 8 からバンク 18 に行きたい時の TIMELINE 10 回同時踏みバンクアップがしなくてもよくなる、MIDI で接続したエフェクターの ON/OFF はMIDI で制御もできますのでスイッチャーのループに入れる必要もないんですよね。

本体だけでバンク順にあわせて設定していくという方法もありますが曲順やプリセットをつくった時期の違いでその都度変わってくるものですので毎回合わせるのはけっこうな手間かと思います。

MIDI をどうやってプログラムするかはスイッチャーと MIDI 対応エフェクターの説明書を照らし合わせていくので最初はちょっと大変かもしれませんがフル活用したい場合は必須になってきます。


極力簡潔にしたかったのですが、やっぱりそれでもこの長さ。

今回も最後まで読んでいただけてたら本当にありがとうございます。

ここをもっと詳しく知りたい、こういう風にしたい、どうしたらいいかわからない、という時は下記メールアドレスよりお気軽にお問い合わせください。

hellneareffectboarddesign@gmail.com

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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを  「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。

 


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