
札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
昔から『北の国から』が好きで隙あらば富良野に行っているのですが、ずっと行ってみたいと思っていた場所もなぜか富良野に着くと忘れており、先日現地でようやく思い出して探して行ってきました。感無量。
さて、今月は AREA 8 BOARD ができるまでのお話を書いていきたいと思います。
2025年1月末、山脇 オサムさんが来札。AREA 8 BOARD のエフェクターは何にするか、お互いに持ち寄り、実際に音を出して、接続順を変えたり、電圧を変えたり、設定を弄ったり、なんなりと HNEBD 作業部屋で色々試しておりました。
軽量、コンパクトにするため、ボード内のエフェクターは 5 台縛り。
これまでのメルマガでたくさん書いてきた Xotic / Ep-Booster は絶対に入れようと決めており、最初にこれがいいね、となったのはXotic / Soul Driven でした。
Ep-booster の電圧は 12V で 9 時、そのマッチングが絶妙で。
チューナーが入るため、残り枠は 2 台。
ここまで決まったところで歪みをもうひとつ足したいね、となり、札幌市内の楽器屋さんを周る予定でしたが、その日の夜はオフ会ということもあり、時間も微妙でしたので翌日に。
翌日。
チューナーは tc electronic / polytune 3 mini、Xotic / Ep-booster、Soul Driven。決まった 3 台をパワーサプライ、strymon / Ojai R30 で仮組。仮組ボードを持って札幌の楽器店を2人で周りました。
決め手となる感じがなかなかなく、すぐには決まらんかー、となっていたところ、最後に寄った楽器店で「おや?」となるモノが。
それがこちらでした。
Xotic / RC-Booster SH。
さっそく仮組ボードにハメて試奏させていただいたところ、めちゃくちゃ良い。
アンプはちょうどジャズコで、ジャズコでこの音!?となっていて、試したかったところも同時に試せて、もうコレですね、と。
しかしこちらは限定品ですでに終売。これを元にリニューアルされた現行品の RC-Booster V2 にしましょう、となったわけです。
一旦、山脇さんを札幌駅まで送るため、そのお店を後にしたわけですが、試奏中も運転中も最初の「おや?」がずっとひっかかっており。
キズの感じとシリアル No. に見覚えがあり、限定品でタマ数も多くはない、でもこのタイミングでまさかなー、というモヤンモヤンな状態で急いで車に戻り、iPhone の過去製作画像を遡って探してシリアル No. まで写っている加工前の画像を発見、やっぱりー!!と。
さっきの RC-Booster SH は以前のエフェクターボード製作のご依頼でうちに来ていた、まさに現物だったんです。
すぐに先の楽器店に電話して取り置きを依頼、こんなことそうそう起こることではない、と興奮覚めやらぬまま記念に買って帰ったわけですね。
というのも、私は楽器店を去った後もエフェクターボード製作を続けたい、楽器修理や調整も続けたい、これを仕事にしたい、と昼間は音楽とは関係のない仕事をしながら継続しておりました。
どれくらい関係がなかったかと言うと人生の興味のひとつでもあったフォークリフトに乗ることのある仕事でした。
楽器関係の仕事を続けるにあたっては仕入も必須なので無店舗ながらメーカーさん、問屋さんと直接取引ができるようにお願いしておりました。
楽器店と同様、引き続き製品を仕入れることができるのはこのためです。
当時、完全フリーでははじめたて、楽器店時代からのお客様の楽器修理や調整が主で、エフェクターボードのご相談をいただき、実際にお会いしての打ち合わせはあっても、まったくのご新規様のご依頼件数は多くはない状況でした。
そんな中、初の遠方からのご依頼をいただきます。
遠方、と言っても札幌からやや遠方、北海道内でしたが、機材一式を送っていただいての初の製作でした。
楽器店時代からのエフェクターボード製作例は載せていたものの、まだ数は多くなく。
そこに加えて、得体の知れない人間(私)に大切な機材一式を送るってなかなかのアクションだと思うんです。その辺のハードルは激しく高い、と考えておりました。
メールでの打ち合わせ後、実際にご依頼をいただくことができて、完成した時は直接お届けしたいくらい嬉しかったのを覚えておりますが、昼間の仕事の都合上、なかなか難しい…と発送させていただきました。
これが、2018年3月のことでした。
この時に送っていただいた機材の中に2025年1月、最後の楽器店で試奏し、決め手となったエフェクターの現物、Xotic / RC-Booster SH が入っていたんです。
・2018年3月製作時のエフェクターボード
そしてこの記事を書くにあたって過去製作例を見返していたのですが、こちらのエフェクターボード、製作累計28枚目。
8区と2人にこだわったAREA 8 BOARD の横幅は28cm。…思わぬ追加の奇跡が起きていました。
2018年、初の遠方からのご依頼、その後も追加や変更の果てに『要塞ボード』という名称が生まれ、後に『あの要塞ボードみたいなイメージで』とお問い合わせをいただくことが増えることにもなりました。
HNEBD をはじめてから最初に一歩進んだ実感のあったご依頼をいただいたお客様は、製作例でのご紹介が最多でもある大塚 浩史様でした。本当にいつもありがとうございます。
大塚様の最初の受注時はやや遠方でしたが、数年前から札幌在住のため、実際に何度もお会いしており、初めてお会いした時はこういうことも起きるのか!と感動しました。
どうにもこうにも不思議なことってたまに起きますよね。
憧れまくって手に入れたギターのシリアルNo.の末尾4桁がどういうわけか実家の電話番号だったり。
楽器に助けられている気がいつもしています。
総重量約 4.9kg、比較的軽量でコンパクト、エレキギターを弾いていて楽しくなるボード、末永くご愛用いただけるボードをテーマに AREA 8 BOARD を企画いたしました。何を揃えたらいいかわからない、でも良い音を楽しみたいという方にもおすすめです。
ご注文、お問い合わせは下記メールアドレスよりお願いいたします。
hellneareffectboarddesign@gmail.com
※ オーダーメイドの都合上、前払いでお願いしております。お支払い完了時に製作順確定となります。
※ 機材はすべてメーカーより正規品を仕入れてご用意させていただきます。
※ ARMOR エフェクターボードはオーダーから1ヶ月前後かかりますため、トータルの納期は早ければ1ヶ月半~2ヶ月前後を予定しております。
大変申し訳ございませんが、現在、Xotic の3機種すべてがメーカー在庫切れのため、発注を入れることで入荷順番待ちとなる状態です。現時点では2ヶ月半~3ヶ月前後の予定で明確な日程をご提示できないのが申し訳なく思います。
初の試みとなります。ご検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
★おまけ★
純と正吉のアパート。ここがずっと見たかったのにずっと忘れていました。
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら
『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。