
札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
先日、札幌の時計台ホール(時計台の2階)のライブに参加させていただきました。長いこと札幌市民ですが、前を通ったことがあるだけ、思ったよりも小さいなーくらいの印象でしたが、中に入ると意外にも広くてびっくりしました。
さて、昨年末、エフェクターに関するアンケートをお願いいたしました。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
アンケート結果を元にこれまで HNEBD にいただいたお問い合わせやご要望、製作させていただいた経験もフル動員でこんなボードがあったらな、を昨年から度々、山脇オサムさんと話し合って、実際に音を出して試しながらカタチにしました。
もっとも多かったご要望は軽量、コンパクト、ハードケース、でした。
サイズをおさえた ARMOR 製エフェクターボードで総重量は約 4.9kg です。各個体差、計りの精度から若干の誤差は出るかもしれませんが、大きくはズレないと思います。
そしてなにより、弾いていて楽しいエレキギターの醍醐味を味わえるモノにしたかったため、歪みとディレイ&リバーブのセットになっています。
クリアーなクリーントーンからオーバードライブ、心地よい空間系。
『対 JC』というご意見も多くいただき、ジャズコーラスでも使いやすい内容になっております。
正面からです。
サイズを最小限に抑えるため、ジャンクションボックスは1台目のtc electronic / polytune 3 mini の下にあります。手前にギター、奥にアンプへのシールドを接続します。
入出力は右上、電源は左上、対ノイズ性、使い勝手の良いセオリーどおりの配置です。
2台目は Xotic / Ep-booster です。
ここはブースターというよりもトーン補正、常時 ON の EQ 的な扱いが個人的には好きですが、前段ブーストとして ON/OFF 操作も行えるようにかさ上げしております。
strymon / Ojai R30 側で 9V, 12V, 18V, とシーンに合わせて電圧の変更が可能です。
これは絶対入れる、が最初に決まっていたペダルです。
3台目は Xotic / RC-Booster-V2 です。
ここもトーン補正に便利な効きの良い Treble、Bass の使い勝手、クリーントーン時のハリとツヤ、または軽いオーバードライブとして、さらにGain 1+2 スイッチでブーストも可能です。
HNEBD 作業部屋にて8区の2人で8区の2人のエフェクターを色々比較後、札幌の楽器店を仮組のボードを持って巡ってハメて試してが思いの外、難航しましたが最後に訪れた楽器店でコレ、というのが見つかりました。このお話はまた後日。
4台目に Xotic / Soul Driven です。
メインの歪みとなります。単体ではクリーミーでナチュラルな歪みも前段のEp と RC と組み合わせることで野太く芯のあるゴリンゴリンのトーンになる、シングルコイルではとくに気持ちの良い、『エレキギターの楽しさってこういう音』という音色を3つの組み合わせでつくる、ボードならではの楽しさも加えてみました。
strymon / Ojai R30 側で 9V, 12V, 18V, とシーンに合わせて電圧の変更が可能です。
このペダルのきっかけは以前、製作させていただいた高橋 克様のエフェクターボードです。音源を聴いてすっかりファンとなり、私自身も使用するようになりました。この場をかりてあらためてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
5台目は UNIVERSAL AUDIO / Del-Verb です。
リバーブとディレイがひとつになった空間系ペダルです。
2025年1月、山脇 オサムさん来札時、空港から札幌へ向かう車の中であーでもない、こーでもないとボードの中身を何にするか話していたわけですが、リバーブはアンプにあればラッキーだけど、ディレイは欲しいよね、コーラスも…という会話から、以前組み込みで来た時にとんでもないのがあったな、というのがこちらでした。
実際に仕入れてバンドで使用してみてリバーブのつまみはひとつなのに濃厚な押し出し、シンプルで使いやすいディレイの中に一癖あるメモリーマンモード、尖ってるなという部分、セッティングを追い込める空間系の楽しさも深くこちらになりました。
パワーサプライは strymon / Ojai R30 です。
音質の安定感、対ノイズ性、軽量、コンパクト、そして電圧の変更も可能。
これまで書いてきた、電源部分はもっとも重要、エフェクターの機能、性能を最大限に引き出すのは電源次第、という点をご体感いただけるものにしたく、こちらも最初の段階で決定しておりました。
左側面からです。
エフェクターボードは横幅が 280mm、縦幅が 228mm です。
コンパクトで軽量化するには支障のない範囲で可能な限り詰めに詰める、なのですが距離による音の変化はないか、密接することでの音の変化はないか、実際に並べて音出ししながら決めました。
8区の2人が選ぶモノというところで『2』と『8』にかけたいというのもありました。
ですので内寸の高さも 88mm に指定しています。一般的な ARMOR ボードよりも2mm 低くなっています。
このボードがサイズは小さくともカスタムオーダーという点で販売価格が ¥46,200 と高額です。
軽くて、コンパクト、さらにタフ、というモノはキャンプ用品でもどうしても高額になるもので、軽さと小ささ、頑丈さを得るウルトラライト化には出費は避けられず、ですが末永く便利にご愛用いただけるモノになるのは間違いないと思っております。
右側面からです。
プロトタイプでは Xotic / Ep-booster はボードに直配置、かさ上げはなし、でした。
電圧18V、つまみはゼロで常時ON、私の個人的なセッティングの好みからそうしておりましたが、そうではない使い方もできるように、また考えの押し付けは良くないと思い直し、かさ上げして操作しやすい高さに合わせました。
奥のエフェクターのスイッチも踏めるようにする、かさ上げをするとこうなる、という例にもなっています。
背面からです。
strymon / Ojai R30 と下の黒い電源ユニット、PS-124 をつなぐEIAJ ケーブル は本体下、PS-124の横に端子に負荷のかからない形状にして接続しています。
ボード外側の丸い金属の足、キャッチロックの金具位置、この中央にハンドルがきますので最小サイズ、けっこうギリギリを攻めれたのではないかと思っております。
ON/OFF スイッチの位置関係はこんな感じになっています。
コンパクトだけど踏みにくい、は避けたかったので諸々配置を調整してみました。
クローム鏡面仕上げの RC-Booster V2 と Soul Driven、ボードの中ではやや浮きがちになってしまう strymon のブルー、なかなか主張の強い Del-Verb のカラー、どれも映えるようにボード設置面はグレーにしています。
ホワイトも良いかなと考えましたが、ノスタルジックな機材感があった方がいいな、とこの色を指定しました。
ボードの蓋側、表板はステッカーの落ち着きの良い定番のブラック、底面のみダークグレーで、残りの側面はオレンジです。
詰めて置かなきゃいけない楽屋の時でも横から、上から見てすぐに判別できるように、というモノにしたかったのが理由ですが、サイズ的に一目でわかりますね。
通常は表板の右下につく “ARMOR” バッジはセンターにしてもらいました。
ボード表板、右上にはこのステッカーを貼って納品予定です。
記憶の中の8区マップを元にしています。繰り返した新聞配達、最初の空回りの記憶は根強いですね。
こちらのエフェクターボードを完全パッケージ製品として¥288,000 (税込)、送料無料(離島を除く) で受注販売を開始いたします。
ご注文、お問い合わせは下記メールアドレスよりお願いいたします。
hellneareffectboarddesign@gmail.com
※ オーダーメイドの都合上、前払いでお願いしております。お支払い完了時に製作順確定となります。
※ 機材はすべてメーカーより正規品を仕入れてご用意させていただきます。
※ ARMOR エフェクターボードはオーダーから1ヶ月前後かかりますため、トータルの納期は早ければ1ヶ月半~2ヶ月前後を予定しております。
大変申し訳ございませんが、現在、Xotic の3機種すべてがメーカー在庫切れのため、発注を入れることで入荷順番待ちとなる状態です。現時点では2ヶ月半~3ヶ月前後の予定で明確な日程をご提示できないのが申し訳なく思います。
初の試みとなります。ご検討いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
★ おまけ ★
時計台、裏口近辺からの時計台。搬入の大変さと暑さでステージ写真を撮り忘れる失態。
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら
『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。