
札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

いつ雪降ってもおかしくないな、と急に寒くなった札幌からです。ここ最近は北の国からの再放送がヤバいですね。
さて、先日いつもの定期的な出張弦交換、調整に加え、ストラップロック取付のご依頼もいただきましたので、今回は細かい部分ですがそんなお話を。
江別市の某ライブバーにて場所をお貸りして夜の弦交換、調整、ご相談などもお受けしておりますのでご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

安定の、カラーバリエーション時の画像はありませんが、ロックストラップピン、私のところのおすすめは定番のドイツ製、Schaller です。
2018 年にモデルチェンジがありまして、現在は S-Locks というシリーズになっています。
それ以前のモノと何が変わったかと言いますと、ロック側、ストラップピン側、両方変わりました。
ちなみにモデルチェンジ直後と現在ではパッケージも変わりましたね。

ストラップ側は素手で回せるホイール型になりました。
側面に穴が空いており、細い(2mm)のレンチやドライバーなどを差し込み素手に加え、さらに強く締め込むことが可能です。
さらなる締め込み時は差し込んだモノが変形しないように、また、革部分に傷つかないように注意が必要です。

ホイールを締め切ったら側面のマイナスネジを締め込んで二段階固定。
定期的な増し締めは必要と考えていますが、旧モデルと比較しても落ちにくい、外れにくい仕様になっています。
これまでは六角ナットのみでしたので、緩みからナットを無くしてしまう方も多かったように思いますが、新型はよほど厚みのあるストラップでない限りは使用中に緩んで落下して紛失、という事態は避けられるように思います。

続いてピン側。
こちらはこれまでのストラップピンとネジでの固定はなく、ネジと一体、ピン自体がネジになっています。
取付方法も異なり、これまでのプラスドライバーではなく、3mm の六角レンチで楽器に取り付けます。

この部分、モデルチェンジ直後は賛否両論ありましたが、どんなものもわりとそんなかと思います。
六角なので合わない径でネジをなめてしまって締め付けや取り外しが困難になることはプラスネジとドライバーよりは少ないような気がしています。
最後にストラップへの取付方法になります。うちではこうしてる、という内容です。
ストラップホールに入る部分の Schaller / S-Locks 本体が約 9.7mm ありますので多くのストラップはそのまますんなりは入りません。
画像中央の道具でまずはストラップホールを 9mm にしています。

その後、じわじわと画像右のリーマーで広げます。
広げて、合わせて、広げて、合わせてを繰り返して S-Locks にミタ~っと絡みつくくらいのホールサイズにしてストラップのベロを完全に平らにならして締め付けるのが良いです。
楽器の重量、負荷がかかる部分ですので、なるべくシャフトとホールには隙間がない方がストラップ本体、そのホールへの負担が少ないと考えています。
余談ですが、画像上のハンマーは軽さに魅かれてキャンプ用として以前購入したのですが、尖った部分がバイクの振動でいつかケースやザックを突き破ってきそうな気がして普段使い用になっています。
ミニライトなど、キャンプ道具って案外、楽器調整時にも活躍してくれます。
最後に、Schaller のストラップロックは旧型と新型で互換性はあるのか?という点ですが、私自身はこれまでほぼニッケル一択だからなのか、新旧の組み合わせでも使えておりますが、今回、合わない、ということからストラップ側の交換のご依頼をいただきました。
旧モデルは “Security Lock”、新モデルは “S-Locks” が正式名称です。
一例として、Security Lock のストラップ側(ゴールド)とS-Locks のピン側(ブラック)では取付が不可でした。
一部、取付不可、合わないモノもあることがわかりましたが、メーカー的には新旧での互換性の保証は致しかねる、ということで混ぜて使うのは自己責任、という感じのようです。
新型の S-Locks の S はセーブとサイレントの S でもあるようでたしかにカチャカチャと音がしなくなった、遊びが少なくなった点も改良点です。
この部分を考えるとどちらも新型で使うことで本領発揮する、ということでもあると思います。
あとですね、たまにお持ち込みいただいた時にあるのですが、ロックピンの向きが逆さま、横向きになっていて危ないな、と思うことがあります。
緩んだ時に閉めてその位置なのかな、と思うのですが危険な向きがこちらです。

万が一ロックが外れたらそのまま落ちてしまうのでこの向きでの締め付けは危険です。
必ず、U 字の下が下になるように締め付け、たまに緩んでいないか、緩んでいる時は増し締め、日々の確認がおすすめです。
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