

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

暑い日と寒い日が交互に来たり、夜はしっかり涼しかったり、不思議な札幌からです。
さて、今回は昨年の10月頃に発売されていた比較的新しいエフェクターのお話を。
ヴィンテージ・オイル缶エコーって何?と恥ずかしながら私は初耳でしたがサンプル動画で聴いてみたところ、こ、こ、これは…という音色で。
テープの代わりに導電性オイルを充填した小さな回転缶を誘導体として用いてリピート音をつくりだす、最初は 1959 年に開発されたという極めてマニアックな仕組みの再現、strymon / OLIVERA です。
アナログ・ディレイ、デジタル・ディレイ、テープ・エコー、リバーブ、とstrymon は空間系の各モデルのひととおりが現代の最高峰のひとつである、と思っておりますが、そこに新しく加わったのがヴィンテージ・オイル缶エコー。
オイル缶エコーというのはどういう仕組みでどうなってこうなっているのか、メーカーさんのホームページにひじょうに熱のこもった説明が書かれているのでここでは割愛しますが、とても興味深い内容です。
サウンドサンプルを聴いているとなんかこう、ワクワクするというか、こんな音色はエフェクターでは聴いたことがなかったからなのか激しく興奮しました。
暗いんだけど繊細、ちょっと不気味な感じにも聴こえる怪しくエロい響き。
他とは違う、というところに魅かれる私はこれはどうしても実機を弾いてみたいと仕入れました。
これまで気になるモデルはメーカーさんのサンプル音源、世界の方々が弾いた動画など、複数見て聴いてどんな感じかの統計を取る、みたいな判断をしてきましたが、これはちょっと実機予想以上で。
作業部屋での音量でチェックすると、おぉ、大丈夫かってくらいに怪しい、セッティング控えめにしても色がすごい、ちょっと心配になるくらいでしたがバンドで使ってみるとあら不思議、恥ずかしいくらい丸裸にされるように生々しくクリアーにヌケてきてビビるほど。やはり strymon すごい。
こんなに怪しい響きなので、さりげなさが強調されるかと思いきや予想外にヌケてくる、というのは不思議な感覚で。
エコーなのでジャンル的にはディレイに分類されるかと思いますが、私は控えめのセッティングでリバーブとして使いたかったのでダークでエロい感じにとてもハマりました。
昔の技術を現代の機材に違和感なくマッチさせる設計ってすごいと思います。
音色はもちろん、ステレオ入出力、MIDI 対応、バイパスモード切換え、USB端子もあり。
スイッチを押しながら操作するとつまみの表記とは違うところをいじれるstrymon ならではの隠しコントロールも。

個人的にはとても好きなモデルですが、マニアックの度合いが半端ないのでハマる人にはハマる、ダメな人はダメ、という相当尖った類かと思います。
なんとなくですが、他にやられる前にやる、売れなくてもいいから突き詰める、そんな意気込みを感じるモデルとも思いました。
と、そんなことはないのかもしれませんが、こういうところにロックを感じて粋なメーカーさんだなー、超好きだーと思うわけです。
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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
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