山脇オサムです。
不協和音には半音でぶつかる音と「増4度」でぶつかる音があります。
「増4度」、、、こういう言い方分かんないですよねー!
僕も勉強するまでは「なんでそんな怖い言い方なんだよ!」とめちゃくちゃ苦手意識を持ってました。
増4度というのは1音が3つ分離れた音の関係(トライトーン)のことです。指板上で言うと、例えば3弦4Fと2弦6Fの関係です。
ここを同時に鳴らすと合ってるんだか合ってないんだか微妙な響きがするんですけど、これも不協和音の1つなんですね。
で、前回も不協和音を使ったコードを紹介したんですけど今回もそんなコードがあります。
しかも、アイデアを捻ってなんとかカモフラージュしたコードではなく、ごく普通に増4度が潜んでるコードです。
それが「セブンスコード」です。C7とかG7と言ったお馴染みのコードですよね。
テンションも入ってない普通の4和音コードに実は微妙な響きの音が入ってるんです。言われないと気がつかないくらいのニュアンスなんですけど確かに入ってるんですね。
で、もっと面白いのはセブンスコードがその増4度を武器として装備してるところです。
なんとなく入ってるんじゃなくて明確な意志を持って増4度が入ってるんです。
その意志というのが、「微妙な響きを改善して安定させたいと思わせる!」というものです。
これです。
この「安定させたい」という気持ちを利用することでセブンスコードを最高に遊べるコードにしているんです。
すでに微妙な響きをもっと微妙にしてやろうぜ、とか、本当は明るいコードなんだけどあえて暗い音を使って騙してやろうぜ、とかそういう事ができるんです。
山の道を走って普通に目的地にたどり着くよりも、「あれ?道に迷ったかも」と一回不安になった後にたどり着いたほうがめちゃくちゃ安心しますよね。
それができるコードなんです。コードにこういう心理があるなんて面白いですね。
ちなみにセブンスコードはダイアトニックコードで5番目、安定させるコードは1番目。
順番的に5番目から1番目に進んでいくのでこれをファイブワンと言います。
要するにジャズでよく聞くツーファイブワンの要の部分なんですね。ここのカラクリが分かると演奏スタイルが広がるので楽しいですよ。