こんにちわ、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
前回の続きになります。今回は接続順をご紹介します。
⇒前回の記事「ヴィンテージ×現代= ハイブリッドエフェクターボード」はこちら
スイッチャーの中はこんな感じです。
スイッチャーの外がこんな感じです。
ギターはジャンクションボックスからスイッチャーの IN 5 にまず入っています。
ループ 5 はスイッチャーの中でも独立したセパレートループなので、ギターからの入力を直で受けることができるループになります。
まず IN 5 に入るとループの数字は 5 なんですが、接続順は一番最初になるわけですね。ちょっとややこしいですが。
これはループの 5 が Organic Sounds / ORGAROUND、 ファズだからですね。
ハイインピーダンスで受けないと効果が変わってしまうため、このような接続になっています。
スイッチャーのループはこんな感じです。
LOOP 5 : Organic Sounds / ORGAROUND
LOOP 1 : electro-harmonix / BIG MUFF
LOOP 2 : Proco / RAT
LOOP 3 : Ibanez / TS-808 TUBE SCREAMER
LOOP 4 : BOSS / CE-2 Chorus
ケンタウロスは基本常時かけっぱなし、でも極稀にOFFでバッファー効果だけ得たい、というリクエストがあったので、こういう時はセパレートループを出た後にケンタウロスを経由してスイッチャーに戻らせます。
図の中では黄色の矢印部分です。
スイッチャーの OUT 5 からケンタウロス、ケンタウロスからスイッチャーの HTS IN に戻っている部分ですね。
スイッチャーの OUT からケンタウロスにしてしまうと、スイッチャー内のコーラスを使う場合、コーラスの後にケンタウロスがかかってしまうのでこれはよくありません。
スキマってわけではないのですが、ちょっとスキマっぽい位置かなと勝手に思っています。
xotic / Ep-booster もこの位置がナイスだったりするんですよね。使用方法によりますが。
このように接続することでトータルのエフェクターの順番はこんな感じになります。
※ ■マークはスイッチャーのループ内
ギター
↓
■ Organic Sounds / ORGAROUND (ファズ)
↓
KLON / CENTAUR (オーバードライブ)
↓
■ electro-harmonic / BIG MUFF (ファズ/ディストーション)
↓
■ Proco / RAT (ディストーション)
↓
■ Ibanez / TS-808 TUBE SCREAMER (オーバードライブ)
↓
■ BOSS / CE-2 Chorus (コーラス)
↓
strymon / El Capistan (テープエコー)
↓
strymon / FLINT (リバーブ)
↓
アンプ
おいおい、待て待てと思った方、鋭いです。
以前のメルマガで「歪みはソフトな順に」って書いてなかったか?
ディストーションの後にオーバードライブ (TS-808) っていいのか?
なぜかと言うと、ケンタウロスが前段のオーバードライブになっています。
TS-808 は必要な場合の後段ブーストとしても使えるようにこの位置になっています。
製作前の打ち合わせでファズやディストーションと TS-808 を組み合わせることはほとんどない、単体くらい、ということでしたのでループの 1 に TS-808 でもよかったんですが、組み合わせることがなければループの 1、2、3 の順番は実際関係なくなります。
ON にしたのが最初、ということですね。
となると後段もブーストできた方がバリエーションとしてはアリですよ、という提案からTS-808 の位置はディストーションの後、歪み系の最後という案が採用になりました。
ギンギンのファズやディストーションの後、あえて設定落としたちょっとローファイな感じのTS-808 にしておく、それでフィルターかけたようなモコモコ音にして OFF ったらディストーションがズギャーンみたいな。そんな演出もできるんですよね。
ラジオっぽい音から突如鮮明な歪みになる、コレは大いにアリですよ。
ライブだと鳥肌がゾ、ゾ、ゾワー~です。メイビー。
これを逆ブーストと名付けたいです。
いや、ブーストじゃねーじゃんってとこがミソですね。
その昔、Ibanez でローファイってエフェクターが出てたんですよね。
今でもたまに思い出すんですが、楽器店で働いているとイヤでも毎日目に入ってくるわけで迷いに迷って迷いすぎて、結局買わなかったんですが、それと同じようなこと、手持ちのでなんとかできないかなー?と探ってた経験からきています。
メインの歪みの後段に歪みがあると近い効果がつくれます。
この TS-808 でやるにはちょっと贅沢過ぎる使い方ですが (笑)
この部分がこのボードの裏技的使用方法ですね。
その名前が、
逆ブースト…、逆ブース…、逆ブー… (テープエコー)
あ、終わりのつもりでしたが、もう一点。オチで思い出しました。
私の大好きな strymon がふたつ縦並びになっています。
どっちかは奥に行かなきゃいけないわけですね。
事前に使用頻度をアンケートするわけですが、El Capistan の TAP はさほど使わない、FLINT のトレモロの方が ON/OFF する、ということで手前に FLINT がきています。
奥の El Capistan はかさ上げしているので実は TAP も踏みやすくなっています。
使用頻度の優先順位から位置を決めていくと使いやすいボードになってくれます!
ホッワッワッワッワッワッワッ! (トレモロ)