札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
先日、荷物が届いた時、あー、来た来た、と軽い気持ちで受け取ったわけですが、やたら重いしなんか変だなと思いつつも開けたら中からお米10kg…。
さすがにお米は頼んでないぞ。酔っ払って寝ぼけて頼んだのか自分自身を疑いましたがアカウントの注文履歴を確認してもお米はなし。そりゃそうだ、頼んでないもん。
発送元に確認しようと内容を話すと、すでに対策チームが組まれていたようで即座にご担当の方に回され、すばらしいご対応をいただき、あっさり解決。某大手通販サイトをターゲットにした詐欺が増えているようです。
今回、私自信は損をしない結果になりましたが、マジやめてほしい。
さて、今週は最近の製作例です。ここのところペダルトレインが多めですね。
今回のペダルトレインは定番サイズ、クラシックジュニアの製作例になります。エフェクター、トータルの色味がとてもバランスの良いセレクトだと思います。
今回はすでにご自身で組み込まれていたボード画像をいただいたところからスタートでした。ボリュームペダルが左側にあり、右側にしたいというご要望。
ローインピーダンスのボリュームペダルのため、最後につないだらアンプへの出力が左側になるため、その位置だった、ということです。
こういう時はジャンクションボックスの出番ですね。
ノイズも気になるということで、パワーサプライの変更をおすすめし、新規でご導入いただきました。お買い上げありがとうございます。
数回のメール、お電話でのやりとり後に決定したレイアウト図がこちらです。
うちの製作はほぼ遠方からのご依頼のため、機材一式が届くまでの時間、入出力をまとめるジャンクションボックスを先に製作しています。
例によって完成後、配置済みの画像ですがコレですね。
機材が届くとまずは音出しチェック、輸送時に何かトラブルが起きていないか念の為、ひととおり確認します。問題がなければつまみの位置を写メ、完成後はその位置にして納品するためですね。
そしてエフェクターのクリーニング、その後にマジックテープ加工。固定感はもちろん、踏み心地に大きく影響する部分ですので、マジックテープが貼られていても剥がして新しく貼り直しています。合わせて電池が入っていないかもチェックします。
パワーサプライで使用する場合、電池が入っていても動きはしますが、長年その状態ですと液漏れの恐れがありますので、パワーサプライを使用する場合、電池は必ず抜きましょう。
今回はペダルトレイン仕様の貼り方です。
固定された時に裏からマジックテープが見えないようにしています。裏見て汚い、ガッカリーってなるの嫌ですから見えないところこそ綺麗にします。
北海道ですので中一日、または二日後、発注したパワーサプライが入荷してきます。手元に届いたらまずは不具合がないか確認、その後数値を測定します。
この数値を目安にエフェクターにとってのいい数値の端子を仮決め、実際に音を出して他の端子でも確認、より良い端子があればそこに決定、という流れです。
必要な準備が終わったらいよいよ組み込みです。
設置前には、場所によるノイズ、近いことによるノイズ、ケーブル取り回しによるノイズをひととおりチェック、問題なければ実際に組み込んでいきます。
手順はこんな感じです。
#1. エフェクター裏のマジックテープ(オス)部分にそこそこマスキングテープを貼る
#2. エフェクターをボードに配置
#3. DCケーブル取り回し、固定
#4. パッチケーブル製作、接続
#5. 音出し仮チェック
#6. #1.で貼ったマスキングテープを剥がし本固定
#7. 音出し本チェック
タイトな配置ですので、マジックテープが最初から本気でくっつかれると接続できないため、完成まではそこそこの固定で。マスキングして常時取りやすい状態にしておきます。
本固定状態で無理矢理接続しようとすると傷がついたり、エフェクターのジャックが故障したりする可能性もありますので、ご自身でやられる場合はこの仮固定方法、おすすめです。
レイアウト図では MXR / dyna comp を基準に Xotic / Ep-booster、tc electronic / polytune noir を下揃えにしていましたが実際に配置すると操作しずらいと感じたため、天揃えに変更しています。
ジャンクションボックスは 小型のエフェクター2つに合わせて下揃え、直線に見えるラインがあるとエフェクターボードは綺麗に見えると思います。
左から。
右から。
ギターからのシールド、アンプへのシールド、パワーサプライからの電源ケーブルはすべてボードの右から出ます。
これまで、入出力部分と電源部分は対ノイズ面で極力離したいモノでありましたが、上質なパワーサプライの登場後、近くても大丈夫なことが多くなりました。
もちろん、場合によってはノイズがのりやすい機材もあるため、位置本決め前にしっかりしつこめにチェックして判断しています。
背面から。
高いステージの場合、見えるのはこの角度ですので隙間から見える部分も重要です。実際は暗さで多分見えませんが(笑)
裏面です。
いかなる場合も床に何か触れてはいけない、ペダルトレインの裏面。ケーブル類は負荷のかからない程度にタイトにまとめています。余っている部分はふにゃふにゃ遊ばせてはいけません。
細かい部分ですが、ケーブル類をまとめるのはインシュロックに限ります。
ACアダプター、DCケーブルなど、買った時についている中に針金の入った巻くヤツはダメです。なんらかのノイズの要因になることがあります。
■ 接続順について
・ギター
↓
・ HNEBD / IN & OUT / IN – SEND (ジャンクションボックス)
↓ switchcraft Flat L / Flat L : 9cm
・ tc electronic / polytune noir (チューナー)
↓ switchcraft Flat L / Flat L : 12cm
・ Xotic Effects / Ep-booster (ブースター)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 10cm
・ MXR / Script dyna comp (コンプレッサー)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 37cm / Crank
・ BOSS / BD-2 Blues Driver (オーバードライブ)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 9cm
・ strymon / Riverside (オーバードライブ)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 28cm
・ ELECTRO-HARMONIX / SMALL CLONE (コーラス)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 28cm
・ strymon / FLINT (リバーブ)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 52cm
・ Shin’s Music / Baby Perfect Volume Low Imp 25K (ボリュームペダル)
↓switchcraft Flat L / Flat L : 28cm
・ HNEBD / IN & OUT / RETURN – OUT (ジャンクションボックス)
↓
・アンプ
Total. 213cm
今回は石川県のバンド「チーム⭐︎ちんどん」リードギター担当の方からのご依頼でした。製作のご依頼、本当にありがとうございました。楽しそうなライブの様子が YouTube に上がっております(→こちら)。
ご感想をいただけましたので合わせて掲載させていただきます。
還暦近くになって、大学の音楽仲間に誘われて40年ぶりにバンドを始めました。
アンプから音が出るだけで喜ぶ程度の私が、エフェクターを知り、ライブのたびに出演バンドのペダルを参考に試行錯誤してきましたが、行き詰まりを感じて、思い切って根尾さんにお願いしました。
出来上がってきたものは、想像を遥かに超えて、同じ機材なのに全く違う音がするようになりました。クリアでそれぞれの特徴がはっきりとわかります。次回のライブで、どんな音がするのか楽しみです。
製作のご依頼、本当にありがとうございました!
■HNEBD 地獄通信 -お知らせ-
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら