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スイッチャーにループを増設するスーパーアイテム

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

先日、恐ろしく久々にキャンプに行ってきました。

あまりに久々でまるで記憶にないポールがどういうわけかケースに入っており、これはもしやと現場で急遽シェルターが最終的な理想のカタチになりました。セルフサプライズ。(追加ポール買って入れてたの、忘れてた)

さて、今回は先週のメルマガで少しだけ触れた FREE THE TONE / LB-2 のお話を。

『スイッチャー使う派』『スイッチャー使わない派』でまず大きく分かれるのがエフェクターボード。

作り方も変わるため、うちの製作工賃はボードのサイズとスイッチャーの有無で決めています。

そして『スイッチャー使う派』を細分化していくと 『MIDI も使う派』、『拡張も行う派』、とあるわけですね。

今回は『拡張も行う派』、『え、そんなモノがあるなら使ってみたい派』の方にとくにおすすめな内容となっております。それではどうぞ。

条件付きでスイッチャーのループ数を2つ増設できるモノ

LB-2 にはいろいろな使用方法がありますが、今回はスイッチャーとの組み合わせに絞り、一言でまとめると上の見出しのとおりのモノになるかと思います。

シンプルに 2 ループ追加の場合の接続方法はこんな感じになります。

LB-2 のループはインプット、アウトプットがそれぞれにあります。

つまりループ 1 と 2 はそれぞれ独立しているため、2 つ連続で使うにはLOOP1 / OUT から LOOP2 / IN へ接続する必要があります。

本体内でつなげる、と言いますか、セパレートループのあるスイッチャーでいうところの通常ループとセパレートループをつなぐ感じです。一回出てもっかい入る、的な。

LB-2 の LOOP1、LOOP2 を連続させない場合は挟めたいところにそれぞれのインプットとアウトプットでつなげても OK です。

コントロール (C1/C2) はスイッチャーと TRS ケーブルで一本接続(が便利)、LB-2 のモードスイッチは RMT (リモート) 側にします。

こうすることでスイッチャー側の C1 と C2 の ON/OFF 操作でLB-2 のループ 1(C1) とループ 2(C2) に接続したエフェクターの ON/OFF がスイッチャーで制御可能になる、というモノです。

接続場所を問わず、スイッチャー側でコントロールできるループが2 つ追加できるモノ、つまりプリセットによって ON/OFF が選べるのでより自由度の高いループの追加、とも言えます。

条件付きについて

条件というのはスイッチャーにコントロール端子がないと、というのはもちろんありますが、スイッチャーにループを増設できるとは言え、ON/OFF はスイッチャー側で設定する必要があります。

仮に FREE THE TONE / ARC-53M はデフォルトの場合、本体の小さいボタンでポチポチ操作します。

リアルタイムにダイレクトで足で ON/OFF 操作するにはスイッチャーの MUTE スイッチ、もしくはスイッチャーの EXT 端子などにフットスイッチを増設、そこに C1 の ON/OFF、C2 の ON/OFF 機能をそれぞれ割り当てなくてはいけません。

プリセットで細かく作っていく場合は本体の小さなボタンでポチってストアしていけば一発切換 OK で問題ありませんが、操作感は上記のとおりです。

もう一点、スイッチャーのループ数が 3 つの場合、2 つ増やすことができ、合計 5 台をまとめてコントロールできるようにはなりますがスイッチャーと別に直列ラインに LB-2 が増えるため、センド&リターン以外に最低、3 本はパッチケーブルが増えることになります。

ここが難しいところで、元からスイッチャーのループ数が 5 つあるモデルは直列ラインには増えず、スイッチ機能の割り当て、フットスイッチの増設も必要ない、スイッチャーのみで完結する、という違いがあります。

ですので、

・スイッチャーの 5 ループだと足りないんだけど 8 ループのはデカ過ぎて避けたい

・BOSS / MS-3 のような機能的に激しく優れたコンパクトなスイッチャーに増設したい

・毎回は使わないけど必要な時だけ外付けで使いたいエフェクターがある

という場合に大アリな機材なんだと思うんです。

これからスイッチャーどうしようかなーという方はまずは絞って必要なループ数から選んでみる、でもこういう方法もあります、とお考えいただければと。

細かいですが LB-2 にも DC9V 電源が必要なのでパワーサプライの供給口数がギリだとちょっと考えなくては、となることもあるかと思います。

チューナーやワイヤレスなど、1 つ電源供給機能付きなモデルもありますのでボード製作をする前にセレクトするモノを絞っておくと良いです。

他に問題になるのはループ数が増えるとスイッチャー自体のサイズもデカい、結果、大元のボードもデカくせざるをえず、デカいと移動が大変になる、でもなるべく小さく軽くしたい、という悩みの無限ループもあると思います。

実にケースバイケースですが、どこを取るか、をまずは絞っていくのが近道かもですね。

こんな接続方法も

前回ご紹介のボードはちょっと接続方法が異なります。

ループ 2 から入ってループ 1 へ、ループ 1 は空けています。

そのため LB-2 はループ2→ループ1の順番でエフェクターがかかります。

これは使用する時だけ、外出しワウの追加用になっているためです。

つなぐエフェクターの接続順のためと、ワウ追加時のケーブル接続の面でも上 (LOOP 1)が空でなければ抜き挿しが困難なため、このようなカタチになっています。

全部をショート S プラグにすると下 (LOOP 2)が空でも接続できなくはないですが、やりやすくはありませんし、それ以上に何より場所を取り、ボードサイズが大きく変わります。

ボードの横幅を抑えるための L プラグはプラグ自体を下に逃すしかないためこうじゃないといけなかった、というわけですね。

この場合、というか空のループがある場合はちょっとややこしいですがスイッチャーの設定で空のループ1(C1) がON になっていると何もないループを通すことになるため、音は出ません。

スイッチャーの設定でループ 1(C1) を OFF にする必要があります。

全部のプリセットを毎回そうするのはめんどくさいなぁという場合は短いパッチケーブルで空のループのセンドとリターンを繋ぐことで解決することもできます。これを空パッチと名付けたい。

独立したループ

なんでセパレート?本体でつなぐって何!?ってなる方もいらっしゃると思います。でもそうじゃないと前回の接続方法は実現できなかったわけですね。

ループ1とループ2が独立しているのは様々なケースに対応できるように、って考えがあるのだと思います。

やろうと思えばスイッチャーの前に LB-2 のループ1、スイッチャーの後ろに LB-2 のループ2、なんてことも可能です。

C1/C2 でのコントロール感はそのままに。

パッチケーブルはセンド&リターン以外に4 本必要になりますが接続位置はスーパーフリー。

これが独立していないとなるとループ1→ループ2がセットになるんですよね。

スイッチャーの前に2ループ、もしくはスイッチャーの後ろ以降に2ループ、など。

それでもいいって場合ももちろんあると思いますが、様々なケースに機材が対応してくれている方が後々やりたいことが出てきた時に対応できる、できないが変わってきますからね。

末恐ろしい拡張機材もあるもんだと思うわけです。

ヤバい、だいぶマニアック回になってしまいました…。

ので、先日のキャンプ場の様子で濁します。

横側面にいつの間にか入ってたポールを立ててガイロープ引っ掛け引っ張りペグダウン、オプションの拡張アイテムなんですが、このアジャスタブルタープポール S x 2、恐るべし。

中にはテント入れてフライもかけず、ペグも使わず。結露もなくで撤収も楽々。

一人超快適空間でした…。

偶然、メルマガ内容と微妙に一緒な部分アリで私的には二度サプライズ、セルフ。バイマイセルフ。

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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを  「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。

★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら

『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

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