全国のコーヒー・ピーポーのみなさま、こんにちわ。
ヘルニアエフェクトボードデザインの根尾です。
今回思うところがあったのでちょっといつもと変わった記事になるかもしれませんが、感覚はすべてに共通する、という私の考え方について書いていきたいと思います。
突然ですがコーヒー、好きですか?
私は一日最低三回は飲むのですが、その挽き方、落とし方を変えることで同じ豆でもえらい印象の変わるコーヒーになるので、日々いろいろ試しています。
趣味、コーヒー抽出ですね。
コーヒーを淹れるのもすぐにはうまくいかず、楽器と同じく練習が必要かと思います。
あー、いい…というコーヒーを淹れることができた時は一曲弾けるようになった達成感に似た感覚で、こうしたらうまくいくのか!という確かな手応えがあります。
ここ数年、ぐるぐる回して豆を挽く手挽きのコーヒーミルを使っていたのですが、つい最近、永遠の憧れであり、ずっと欲しかった電動ミルを手に入れました。
これが実際使ってみると速くて楽で便利は便利なんですが、予想していたのとはけっこう異なり、手挽きのミルと味が全然違うんです。
なんの話?ってなりそうで自分でも怖いんですが、この感覚、アナログのエフェクターとデジタルのエフェクターの違いに似ているな、いや同じだな、と思ったんです。
実際に手を使って回して豆を粉にする、浅煎りの豆は硬く、深炒りの豆は柔らかい、そういう豆がカタチを失う瞬間の感覚の違いが挽いている時に手に伝わってきます。
ミルのネジ位置で豆の挽き目を調整するので、挽いているうちにズレが生じて厳密に言うと完全に同じ挽き目は毎回はだせないのですが、挽いては確認、挽いては確認を繰り返して挽ききります。
このアバウトさが、どことなく出るまろみ、というか柔らかな味につながっていたんじゃないかと電動ミルを使った時にあらためて実感しました。
アナログの歪み系はこっちかと。指先のニュアンスもタッチもしっかり表現してくれますよね。
演奏と音に出る人間味、毎回 100% 同じプレイにはならないという点も似ていると思います。
つまみをいじって音づくり、移動中ズレたら変わっちゃうってとこも近いですよね。
そして電動ミルです。挽き目は回転する調整ダイアルで15段階から選べます。
選んだらレバーで電源 ON、モーターが回りあっさり選んだ段階の挽き目で粉と化します。
ここ数日使ってみたところ毎回同じ味、お店で出てくるようなコーヒーになるのですが、手挽きと比べるとどことなくカドがある、ホットなのにやや冷たい感がある、そんなコーヒーになるんですよね。コレはコレでもちろんアリなんですが、違いはある。
アナログと比較するとデジタルの歪み系はどことなく冷たい感があると思うんです。
たくさん入っている中から選べるマルチエフェクターの歪み、デジタル表記の数値で設定した
歪みは毎回同じ音となってくれてそれはそれでアリなんですが、やはりアナログのダイナミクス、タッチのニュアンスの再現度、「違い」はありますよね。
ミルで淹れてミル (失礼)、自分で最初からコーヒーを淹れてみる、というアクション。
おっかなびっくりだけど誘われたバンドに参加してみる、というアクションも同じだと思います。
新しいことを始める時は不安もありますが、そこから新たな発見は必ずあると思うんですよね。
キャンプの朝のコーヒー、雰囲気のいいカフェでコーヒー、シチュエーションの違いで感じる味の違いは心の中で起こることですが、一人で練習、セッションに挑戦、シチュエーションを変えた演奏は楽器の練習、練習の仕方や意識に変化が出てくるんじゃないでしょうか。
最近、ヴィンテージ・エフェクターを試してみてください!、と家に届いたりするのですが、
やっぱり現行品とは全然違うんですよね。
音の輪郭、まろみ、深み、歪み系は本当に奥が深い。
欲しかったのはこの音でした!っていうのがさらりと出たりするのもあったりして。
でもコレって同じコーヒーミルでもヴィンテージは現行品と使っているパーツが違うからより良いのかも、とか本体の素材がマホガニーだったりメイプルだったりって違いもあって、もうやめてーって言いながらも深みにハマっていく、そんなところも似てたりする恐怖。
たくさん欲しくなる歪み系同様、コーヒーミルもたくさん欲しくなる病。
用途は同じでも音と味が違うならそれはアリですよね。
いや、ミルはナシか (笑)
永遠の憧れもガチャガチャのミニチュアきっかけで踏み切ってしまう勢い。
我ながらアホだなぁ…。