

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

たまには自然に浸りたいと先日富良野に行ってきましたが、着いたら冬なのにかなりの雨。自然は素通り、ただ行って帰ってきただけの人になりました。
はい、今回は AREA 8 BOARD の空間系でもある UNIVERSAL AUDIO / Del-Verb のディレイについて詳しく知りたい、というお問い合わせをいただきましたので詳しく書いてみたいと思います。
多機能モデルゆえ、ちょっとややこしいと感じる部分もあるかもしれませんが図で比較するとわかりやすいかと思い図を描いてみました。
はじめに、UNIVERSAL AUDIO / Del-Verb はリバーブとディレイが 1 台に入っています。
それだけでもナイスですが、それぞれキャラクターの異なる 3 種類をトグルスイッチで切換可能。
ON/OFF スイッチは独立しておりますのでリバーブのみ、ディレイのみ、またはリバーブとディレイの重ねがけ、と自由自在です。
今回の内容はディレイ部分にしぼっています。名称はこんな感じになっています。
・TAPE EP-III
・ANALOG DMM
・PRECISION
ややこしいと感じる部分はつまみは一緒でも、各種つまみの働きが変わる点、かと思い比較図を描いてみました。

■ DELAY TIME
ディレイ・タイムの調整。
各モードによって ms (ミリ・セカンド)の最小と最大の数値が異なります。
■ FEEDBACK
ディレイ音の繰り返し回数の調整。
TAPE EP-III と ANALOG DMM は 15 時以降から発振します。
PRECISION は発振はせず、MAX にすると無限ディレイになります。
■ MIX
ドライ音にミックスされるディレイのレベル調整。
エフェクターをかける前の音を DRY (ドライ)、かけた音を WET (ウェット)と言います。
MIX つまみのある空間系エフェクターの多くは振り切ると WET のみ、原音が消えて厳かで幻想的な感じになりますが、これはいつ使うんだろう?という不思議な気持ちにもなります。
各モードのキャラクターのエグさを出すのは下段の 2 つのつまみの組み合わせによるところが大きいです。
最初は COLOR を 8 時位置前後の控えめ、MOD を 12 時位置にしてセッティングを探っていくと出しやすいです。
■ COLOR
・TAPE EP-III
テープへの録音レベルの調整です。右に回していくほどにオーバードライブ、サチュレーション感が加わっていきます。
歪んだ野太さを出したい時は上げめに、ソフトで自然な感じが欲しい時は下げめで。
・ANALOG DMM
入力ゲインの設定です。
右に回していくほどにオーバードライブ、倍音感が加わっていきます。
基本、太く厚めですが、よりファットにしたい時はここを上げるとわかりやすく変化します。
・PRECISION
トーンの設定です。
12 時位置でフラット、絞ると暗め、上げるととても明るめになります。
後述の MOD : フランジャー MAX 寄りではとくにギラギラのメタリックサウンドにもできる危険なつまみになっています。
■ MOD
MOD (モジュレーション) は左半分、右半分で効果が異なる、特殊な変化をするつまみです。
・TAPE EP-III
テープの摩耗具合とモデリング元の機材の状態を変化させます。
つまみの左半分では新古品のテープで状態の良い機材での音を再現。
ゼロから 12 時位置で劣化具合が変化します。
つまみの右半分では摩耗したテープで状態の良くない機材での音を再現。
ほぼ 12時位置から振り切りまでで劣化具合が変化します。
・ANALOG DMM
モジュレーションの種類と深さの設定です。
12 時位置でモジュレーション・オフになります。
つまみの左半分はヴィブラート、ゼロから 12 時手前位置で深さが変化します。
つまみの右半分はコーラス、12 時過ぎから振り切りまでで深さが変化します。
・PRECISION
モジュレーションの種類と深さの設定です。
12 時位置でモジュレーション・オフになります。
つまみの左半分はフランジャー、ゼロから 12 時手前位置で深さが変化します。
つまみの右半分はコーラス、12 時過ぎから振り切りまでで深さが変化します。
・TAPE EP-III
伝説的な 1970 年代のテープエコー・ユニットの回路エミュレーションを完全再現。
(と、WEB マニュアルに書いてありました) 名前のとおりのアレですね。
あたたかみのあるテープエコー、独特なテープの摩耗具合を再現できるようになっています。
アナログ感、ノスタルジックな雰囲気が楽しめます。
・ANALOG DMM
1970 年代後半から 1980 年代前半の electro-harmonix / MEMORY MAN、複数台からベストな特性をとらえてモデリングしているようです。(WEB マニュアル調べ)
野太さ、濃厚さ、独特さ。強烈なキャラクターで飛び道具としても効果音としても相当に遊べるディレイです。アナログ感強め、かつパワフル。
・PRECISION
UNIVERSAL AUDIO のクリアーで煌びやかな現代的デジタルディレイ。
MOD との組み合わせは ANALOG DMM と異なるエグさも再現できてしまう、美しくエグいが同居。
設定次第ではスマートな変態と言うか、シンプルにスタンダードにも使えるのに真面目に狂える二面性があって、これが人間だったらと考えると私はこのモードが一番怖いです。
音質が激しく良い、のはもちろんなのですが、アナログ風、デジタル風、どちらもいけますし、シンプルなディレイからぶっ飛んだセッティング、ショートディレイでフィードバックもカラーも控えめにすると MOD つまみでヴィブラート風、コーラス風、フランジャー風にもなる、さらには狂ったような音色でも破綻してないのが Del-Verb のおもしろいところだと思います。
この筐体の色からはちょっと想像できないような音がつくれるのもギャップあってアレですね。
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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。『全都道府県に製作実績を』を目標にしておりますので、日本全国よりご相談、ご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。