札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
最近、Non Stop Rabbit というバンドに異常にハマっています。知ったきっかけは島田秀平さんのお怪談巡り。BGMはあいかわらずの怪談で。
さて、現在製作中のボードがあるのですが、今回はパッチケーブルとプラグのご指定がありました。
他のところで再利用はできない、と言われたことがあるそうで、そんなのあるの?と思ったわけですが、現物を見せていただいたところ、たしかになかなか「?」なつくりで。
見た感じ、ソルダーレスなのかな?とも思ったのですが、一度お持ち帰りさせていただきました。
その場のパッと見、レンチ穴があったのでここを緩めるとつなぎ部分が抜けて取れるのかな?とも思ったわけですが、レンチで緩めてもシールドが回るようになるだけでプラグ周りは一向に緩む気配はなし。
フリーに回るので軽く回していってみてもシールドの上下位置はそのまま。ソルダーレスでもないっぽい。
そうすると仮につなぎ部分が緩んだとしてもTIP へのはんだするスペースが狭すぎる。
以前、このメーカーさんのケーブルで長さを変えてほしい、というご依頼時にプラグの中がやったら狭いなーと思ったことがあったので、そんな先入観がありましたがここまで狭いと特殊なコテ先ないと無理でないか。
あと外れそうなところを見ると背中の丸しかない。
ということで、これは見ててもわかんないから直接聞いてみようとメーカーさんに電話してみました。
すると「現物持ってきますね」と、こちらとあちらで同じであろうモノを持ちあってとても丁寧に構造をレクチャーしてくれました。ありがとうございました。
結論は単純にハンダ後に丸いパーツをプラハンマーなどでパッコリ圧着してある、ということ。
金属製なので基本的に再利用は考えておらず、同タイプはプラグのみの販売もしていない、というお答えでした。
なるほど。たしかにピッタリと平面で圧着された金属の丸を外すのは現実的に厳しい。再利用はできない、とはこのことだったのか、と。
んーーー、となりましたが、こういう方法はどうですか?
と聞いてみたところ、「現実的に外せればもちろん再利用は可能ですが、そこは自己責任でお願いします」と。そりゃそうだな。
「でももし外せたら、コレがぴったりハマります」とアフターパーツについても教えていただけたので、外せりゃいけるんだな、と。
思いついた自己責任方法、というのが丸い金属フタを「ボール盤でさらう」です。
自己責任と言っても私のモノではないので、もちろんお客様にはこういう風にするといけるかもしれないですが、金属のフタは再利用不可、最悪ダメかもしれない、いけたとしても見た目は変わります、ということは事前に説明して OK いただけたのでトライ。
まずはプラグをキズつけずに安全に固定できるモノを作りました。
プラグが緩過ぎると刃を当てた時に一緒に回っちゃうのでそこそこタイトにプラグインするような穴径です。
これをバイスで挟んで中心に慎重に刃を落としていくと…
無事、外せました。
再度、メーカーさんに電話してなんとか金属の丸、パーツで取れませんか?とわりとしつこくお願いしてみましたが、市販していないモノですので…とさすがに NG でした。
見た目はこのように変わりますが、再利用は可能です。
かなりタフなつくりなのでそうそうダメにはならないパッチケーブルなのでしょうが、断線したら使い捨て、っていうお値段でもないので、もしお困りの方がいらっしゃいましたらご相談ください。
■注意■
パーツが小さいので普通のドリルだと相当危険です。
ボール盤のように微調整ができないとTIP端子までいっちゃう可能性大ですのでやってみよう、という方は自己責任でお願いします。
過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
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