帰宅時のドアからくる静電気が恐ろしい、ヘルニアエフェクトボードデザイン、根尾です。
ドアからこなくて安心してたところ、中のポストのつまみで来た時はなにかに裏切られたような気分です。
ギターとアンプの間に接続するエフェクターは、数が増えるにつれてアンプ直の音とは異なるものになっていきます。
ペダルのグレードであったり、パッチケーブルやDCケーブルのグレード、最終的には電池やパワーサプライの電源部分、と様々な要因がからんできます。
この影響にもっとも絡んでくるペダルのバイパス方式 (OFFの時の通り方)、定番2種類のお話です。
店舗で働いていた頃、とくに多かった質問に「トゥルーバイパスか否か?」というものがあります。トゥルーバイパスなら絶対的に良い、という印象を持っている方がとても多いと感じておりました。
ということで、トゥルーバイパスとバッファードバイパスの違いについて書いていきたいのですが、どうしても長くなってしまうので、今回はまず基本的な点をご説明させていただきます。
バッファーバッファーと言うけどどういう事?
単体のバッファーが発売されているけど必要なの?
そもそもバッファーってなんなの?
という質問も多かったのですが、バッファーの役割はノイズの影響を受けやすいハイインピーダンスの信号をノイズの影響を受けにくいローインピーダンスの信号に換える、というものです。
電池を使わないピックアップ (パッシブ) からの信号はハイインピーダンス。
電池を使うピックアップ (アクティブ)、プリアンプ内蔵のモノからの信号はローインピーダンス。
アクティブピックアップの代表格、EMG がパッシブピックアップに比べノイズが少ない、というのは最初からノイズの影響を受けにくいローインピーダンス信号だから、ということです。
かなりざっくりですが、かんたんに説明するとこんな感じです。
■バッファードバイパスの図
バッファードバイパスは、バイパス後の信号はトゥルーバイパスのものよりも原音への影響はありますが、ノイズの影響は受けにくくなります。
バッファードバイパスのペダルはOFFの時でも内部のバッファーを通って出力されています。
ローインピーダンスとなりノイズに強くなりますが、バッファー回路は電力を必要とするため、電池が入っていないと音が出ません。
また、モノによってはバッファーのクセが出てOFF時のバッファーくさい音がイヤ、と言われてしまうのが印象を悪くしているものと思われます。
この「バッファーくさい音」、人それぞれ感じ方もあると思いますが、あまりよくないバッファーの場合、
・アンプ直の時と比べるとあたたかみやニュアンスが削られる
・なんとなく冷たい音になる
・ダイナミクスに欠けた音になる
など。安価なものは音がペラペラになってしまうこともあります。価格の差はこういう部分にもでてきます。
■トゥルーバイパスの図
トゥルーバイパスは、バイパス後の信号はバッファードバイパスのものより原音に忠実ですが、ノイズの影響は受けやすいままです。
トゥルーバイパスのペダルはOFFの時には内部回路を避けて出力されています。
ノイズの影響を受けやすいハイインピーダンスのままですが、内部回路を避けているため電池が入っていなくてもOFF時には音は出ます。
バッファーを通らないためOFF時は原音に影響が少ない、というのが印象を良くしている理由なのでは?と思われます。
トゥルーバイパスなら全部が全部そうではない、という注意点もありますが、バッファーがなく内部回路も避けているため、通過することによる音質の変化は最小限です。
アンプ直の時に近い出音になるので、楽器のニュアンスを活かしきりたい場合やアンプメインで音づくりされる方におすすめです。
Q : バッファードバイパスとトゥルーバイパス、どっちがいいんでしょうか?
A : ON 時の出音が好きな方がいいと思います
です。
どちらにもメリット、デメリットはあるものです。次回はそこを補う方法をいくつかご紹介させていただきたいと思います。
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