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エフェクターの繋ぐ順番|基礎知識

ヘルニアエフェクトボードデザインの根尾です。今回はエフェクターのつなぐ順番についてです。

繋いだ順番で効果が重なる

基本的な考え方はコレですね。複数個同時に使う場合、楽器に近い順から効果は重なっていきます

どんな接続順でもとりあえず音は出るので悩んでしまう人が多いのかもしれませんが、音に与えるエフェクト効果をより効果的に使用する場合には、ある程度の決まりと順番があります。

歪み系は楽器側、空間系はアンプ側

例えば、オーバードライブ(歪み系)とコーラス(空間系)、リバーブ(空間系)を同時に使うシチュエーションを考えてみましょう。

■オーバードライブ⇒コーラス⇒リバーブの接続順の場合

オーバードライブで歪んだ音がコーラスで揺れ、その音がリバーブで広がりとてもリッチな出音になります。もっとも一般的で効果的な使用方法です。

コーラスの“Level”を高めて“コーラス効果”を薄めに設定し「ここぞ!」という時にONにすると、歪み系のブースターでやる音質とはまた違ったブースト効果も狙えます。

これが逆になるとこうなります。

■リバーブ⇒コーラス⇒オーバードライブの接続順の場合

リバーブで広がった音がさらにコーラスで揺れ、その広がりのある揺れた音に歪みがかかります。

悪夢のような音を狙う場合はもちろんアリなんですが、よほど奇抜な効果を狙わない限りは収集のつかない音になってしまいます。

同じ機材でも接続順が変わるだけでこんなにも効果が変わってくるんですね。

逆に言うと、接続順の工夫で効果音というか不思議な音をつくることも可能なんです。楽器は自由なモノなので色々試してみるのも面白いと思います。

エフェクターは同じ系統でもたくさんの種類があるので、それぞれの効果と一般的な接続位置を簡単にまとめてみました。

それぞれの#には同じ系統のエフェクターが入っていて、#1⇒#5の数字順に繋ぐと効果的です。使ってみたいエフェクターの組み合わせにお悩みの場合、ぜひ参考にしてみてください。

ファズとワウ

もっとも楽器に近い位置が好ましいのはファズとワウです。

この2種類のペダルは、ハイインピーダンスで受けることで、本来の効果を発揮する仕様になっているものが多いためです。

ローインピーダンスで受けるとずいぶんとおとなしい効果になってしまいます。

「ワウ⇒ファズ」なのか「ファズ⇒ワウ」なのかはお好みですが、ワウの位置は歪み系の前後で大きく変わりますので、扱いやすさはワウが前の方だと思います。

ピッチシフター・コンプ

ファズとワウがない場合、頭にもってきたいのはピッチシフター系です。

楽器からの信号をなるべく早い段階で検出することで、正確な効果が得られるためです。

続いてコンプレッサー。

まずは音粒と音量を揃えた状態でその後のエフェクト効果を重ねていくので、最初の方がわりと効果的です。

歪み系

続いて歪み系です。

オーバードライブ、ディストーション、ブースター的に使うオーバードライブなどなど・・・いろいろありますが、この3種類をすべて使う場合はディストーションは後の方が良いかと思います。

ディストーションはオーバードライブよりも歪みが強いので、弦を抑えてミュートしてる時も「サー」というノイズが出やすく、この後ろに歪み系があるとOFFにしていても「サー」をわずかに増幅してしまうためです。

ブースター的に使うオーバードライブの位置はお好みですが、前に置いた方が後ろのペダルの効果を増幅することができるんですね。ブーストした音にディストーションをかける!という感じです。

全体の音量をアップさせたい場合は後ろでブーストもアリですが、前に置くよりもノイズは増します。

歪み系をいくつか使いたい場合は、弱めから強めにしていくことでノイズ対策になります

コーラス・フェイザー・フランジャー

空間系その1です。

この3機種を同時に使いたい場合は、エグい効果のペダルを後ろにもってくるのが仲良くかかるポイントです。

それぞれの設定にもよりますが、コーラス⇒フェイザー⇒フランジャーの順が同時使いでも扱いやすい音になります。

リバーブ・トレモロ

「空間系その1」のペダルの後が好ましい「空間系その2」です。

リバーブとトレモロの順番はお好みですが、昔のアンプに搭載されていたものはリバーブ⇒トレモロでした。

現在はトレモロ⇒リバーブが多いように感じます

チューナー・ブースター

基本的に頭にあることが多いチューナーです。

チューナーがトゥルーバイパスの場合はファズやワウがあっても頭で大丈夫ですが、チューナーがバッファードバイパスの場合はファズやワウの後に接続します。

ブースターも接続位置によって色々な使い方ができます。

最初に接続すると、ブーストした音にエフェクト効果がかかっていき、全体的に濃い目のかかり具合になります。

最後に接続すると、エフェクターを通ってつくられた音全体をガツンとブーストする、といった感じです。

ちょっと長くなりましたが、基本的にはこんな感じで繋いであげると聞き慣れた良い感じの効果が得られます!

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