札幌のエフェクターボード製作屋、と言いつつ最近はほぼケーブル製作屋であった、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
ということで、今回はケーブルのお話を。
エレクトリックな楽器であるエレキギターやベースはアンプとセットの楽器です。これらを演奏するにあたって絶対に必要になるのが「シールド」になります。楽器とアンプを接続するいわゆるケーブルの類、ですね。
このセットな楽器を最大限に活かすには良いシールドはマストアイテム、さらにその人にとっての一番使いやすい長さになっていればいいんじゃないかなーと思い、製作しています。
うちでは 4m が多いです。3mじゃ足りないことがある、5mだと長過ぎると感じることがある、なのでその中間ってことですね。
見た目は縮尺違えど麺系に近いものがあるせいか出来立てのシールドの音って良いんですよね。私は好きです。
そんなこんなでケーブル系はオーダーいただいてから製作しております。プラグ形状もストレート、L字、組み合わせ自由です。
このケーブル、地味に色々呼び方がありますよね。ギターシールド、ケーブル、シールドケーブル、コード、線。麺。
ギターを始めた頃の10代の時の私は「シールド」ってケーブルのことをただかっこつけて言ってんじゃないか、なんて思っていました。当時は用途の違いがわかってなかったわけですね。
ギター、ベースに使うケーブルは正しくは「シールド(ケーブル)」です。
なぜかと言うとノイズ対策のためにシールドされているから、ですね。
で、プラグは一緒、見た目はそっくりなケーブルにスピーカーケーブルってのがあります。
ヘッドアンプとキャビネットをつなぐのに使用するケーブル、こっちはシールドされていないのでシールドではなく「ケーブル」なわけですね。
このふたつ、外見からはさほど違いがないように見えてもギターシールドとスピーカーケーブル、中に潜んでいる電線の太さが違います。違いがあるのは当然、どちらも正しい位置で使用する必要があります。
ここで間違った位置で使うとどうなるか、というお話です。
ヘッドアンプとキャビネット、これらを接続するのに使うのはスピーカーケーブルです。が、ギター用のシールドで接続しても音は出るんですよね。出ちゃう、と言いますか。
両方とも電線なので電気が通って出ちゃうのですが、スピーカーケーブルを使う理由というのは流れる電気が多いためで、スピーカーケーブルの中の電線は太いわけです。
逆にシールドはスピーカーケーブルと比べると電線が細いのでアンプとキャビネット間の流れる電気に対しては適さず、長時間その状態が続くと発熱し最悪、燃えます。
迫り来る危険が潜んでいるので必ずスピーカーケーブルを使用しましょう。
そしてスピーカーケーブルでギターやベースをアンプにつなぐと過激なノイズしか出ません。ケーブルはシールドされている、されていないだと全然違うんですよね。
サンプル用に撮っておいたスピーカーケーブルがこちらになります。オーダーいただきありがとうございました。
・BELDEN 8470 x switchcraft S-S / 1m
スイッチクラフトのストレートプラグ。キャビによってはL字だと接続できない場合もあるのでプラグ形状は使用する機材に合わせて、という感じですね。
・BELDEN 8470 x Amphenol L-L / 0.8m
・BELDEN 9497 x Amphenol L-L / 0.8m
アンフェノールのL字プラグ、金メッキ仕様。スピーカーケーブルでもシールド同様、もちろん音の違いがありますので定番の2種類で比較できるようにしたい、というご要望でした。
・BELDEN 8470 x Amphenol S-L / 0.6m
アンフェノールのストレート&L字プラグ、ゴールドプレート仕様。たくましいマッチョなプラグです。専用仕様なので短め、背面の飛び出しも抑えたい、というご要望です。
と、こんな感じで製作しています。
余談ですがswitchcraftもAmphenolもプラグに限らず色々なモノを作っている会社です。
昔働いていたところでAmphenolの巨大な巻きの電線がありました。転がすにも必死、倒れてきたらただじゃすまない、そんなことを予感させるサイズと重量でした。
過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら