こんにちわ、ヘルニアエフェクトボードデザインの根尾です。
なにげに毎日使っていて当たり前になっていますが、Bluetoothってすごくないですか。
車でiPhoneからBluetooth接続された音楽を聴きながらなんとなく初めてウォークマンを買った日のことを思い出していました。
細長い箱と専用のガム型電池ってのに「すげー…、充電器も専用かよ…」って使うにあたって必要な付属品にすら静かにテンション上がってました。
あーれは~おれー、じゅうにのー、ふゆー…。脳内でハマショーが替え歌で流れ続けてます。
線でつなぐのが当たり前の世代なので、無線の謎は神秘的な領域ですね。あの置くだけで充電できるやつとかなんで?どういう仕組み?もう意味わかんない。
はてさて、ウォークマンはなんの関係もないんですが、センド&リターンについてのお問い合わせをいただきましたので、今回はそのお話を。
Q : 空間系はアンプのセンド&リターンを使用していないのですか?
A : はい、していません。
なぜかと言いますと、基本的にエフェクトボードを組み込むというのは「ある程度、いつもの自分の音が持ち運べる」という点にあります。
とくにオーバードライブやディストーションなどの歪み系はまさに。
同じスタジオでも部屋が違えばアンプが違う、ライブハウスでもアンプが違う。アンプが違うと歪みの質、歪み方も違ってきます。
アンプとの相性はあれど、音づくりがエフェクターボード内で完結していればクリーンのアンプで鳴らせば (ある程度) 自分の音になる、というのがエフェクトボード製作の最大のメリットだと思います。
この「自分の音」を手にいれるのに一番重要なのは間違いなくアンプです。
いくら良いギターやベースでもエレクトリックである以上、アンプに接続しないと本来の使い方になりません。
エレキギターやエレキベースはアンプとセットの楽器なので、そのマッチングこそが追い求めている「自分の音」になるはずです。
本来の歪みは、アンプのボリュームを上げまくった結果アンプが悲鳴をあげた音。
「自分の音」を手にいれるまでの道のり、一番の近道はそう、アンプ。
自分のもっとも好きな音が鳴るアンプを手にいれる、まさにそうであろう、いやそうに違いない、そうに決まっている……んですが、毎回重くて巨大なアンプをスタジオやライブハウスに持ち運ぶとなると結構大変…、実際に家でそのアンプの持ち味を出せるところまでの音量を毎晩出せるのかって考えたら、あぁ、アンプね…うーん…、と届かぬ想いに胸を痛めることと思います。
そんな時、以前ご紹介した JHS の Little Black Amp Box が必要になったりするわけです。
これは追い求めていた「自分の音」の鳴るアンプを手に入れて、なおかつそのアンプにセンド&リターンがついていた場合にのみ、「ある程度」そのアンプのキャラクターを保ったまま音量を下げられるアイテムなんですね。
ステージでも使える大型真空管アンプを自宅でもギリ使えるくらいにできます。
しかしながら Little Black Amp Box は本領発揮を抑えるアイテムでもあるので、ものすごい速度を出せるエンジン搭載なのに時速 50km でリミッターをかけられた乗り物、みたいな感じです。今回やたらと出てくる「ある程度」感、伝わりますでしょうか?
話が脱線しまくりで自分でも不安になりますが、結局何を伝えたいかと言いますと、センド&リターンを使用するボードは毎回同じアンプを使う場合ならアリ、ということです。
ボードを組むにあたって一番多いリクエストは小型化&軽量化です。
そうなるとボード内で抜き差しできる行き止まりの路地裏のようなスペースもカットせざるを得ません。
デモボードです。空間系の入出力部分に丸をつけていますが、空間系に限らず、サイズを抑えるために毎回気軽に抜き差しできるようなスペースはありません。
空間系はセンド&リターンを使用する前提でエフェクターボードをスペースギリギリに組んでいざスタジオ着いたらアンプにセンド&リターンがない、空間系すぐに使えないー!となってしまうと困るので、ボード内はいつでもどこでもすぐに使える直列つなぎになっています、というのが組む前にたくさんの打ち合わせを重ねた結果の答えになります。
アンプのセンド&リターンの有無に関わらず、どちらの場合でもちょっとの差し替えで可能になるモノがあるのですが、そこは次回書きたいと思います!
書き終えて最後に自問自答してみました。
Q : 自分の音をいつでもパーフェクトに出せるために必要なものはなんですか?
A : 家 (防音室完備の)。
旅に出ます。