こんにちわ、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
早いものですっかり年末です。今年は雪が全然降らんなーと思ってたら一気に積もったり。結局は早いか遅いかで、降る量は同じってのは毎年変わりないみたいですね。
一年を振り返ってみると今年は本当に色々ありました。
エフェクターというものを振り返ってみると、何かが変わる時にはそこにひっそりと LINE6 があった気がします。
私は90年代後半から楽器店で働きはじめたのですが、その当時は今ほど手軽にパソコンで音楽制作やDTM を始められるような環境ではなかったと思うんですよね。
個人でデモテープを作るのは MTR を使うのが主流の時代でした。一応念のため、MTRは「マルチトラックレコーダー」の略ですね。
録音媒体がハードディスクのは当然高額で、よく売れるのはカセットテープやMDに録音するタイプでした。現在ではMTR自体もカセットテープもMDも、ほとんど見かけなくなっちゃいましたね。
この頃のMTRにはエフェクターが内蔵されていないものがほとんどだったんです。単純に多重録音ができる機材なだけであって、ギターは「アンプからの音をマイクで録る」が普通だったわけですね。
個人でレコーディングするには楽器一式、録音機材一式、運搬だけでも大変なものでした。
そこで登場したのがアンプをモデリングするという新しい概念のアンプシュミレーターで、空間系エフェクターも内蔵したLINE6 / PODです。
のちにPOD 2.0、XT、フロアタイプのXT LIVEなどどんどん進化を遂げていくわけですが、初代の POD は1998年発売、私も当時買いました(笑)
PODの発売によりMTRによる宅録やギターの録音がかなり手軽で身近になったわけですね。
そしてこの後のMTRには、アンプシュミレーター/エフェクターが内蔵されたモノが登場してきます。
MTRに直接ギターをさしてその中で音を作ったり、ドラムマシンまで内蔵されたMTRもでてきてMTR一台でデモ音源が制作できるようになっていくわけです。
音質やリアルさはもちろん機材の価格にもよりますが、デモ音源の制作やバンドでの録音が幅広い世代に身近になっていった、という印象があります。
今ではフリーのソフトやアプリでできることも、それぞれ単体の機材を揃えていかないとできないことがほとんどだったんですね。
一通り入ったマルチエフェクターでもないし、コンパクトエフェクターとも言い難い。そんなサイズで登場したストンプボックスモデラーも発売当初、強烈なインパクトがありました。
代表格は今現在愛用している方も少なくない、LINE6 / DL4ですね。ディレイに特化し、ちょっとしたプログラムも可能な「ディレイ・マルチ」。
・マルチの操作は難しくてイヤa
・マルチは空間系のみ使っている
・ディレイは違うバリエーションが欲しい
そんな方々にピタッとハマったニュータイプ。それがまさにDL4だったと思います。
そのしばらく後、tc electronic / FLASHBACK X4 や strymon / TIMELINE など、この手の進化版が発売されていくわけです。
で、今回書きたかったのがコレです。
LINE6 / UBER METALですね。
後の何かに影響を与えたかと言うと、「ソフトでできることをハードでもやる」というチャレンジ精神というか、なんというか。
コレ、エフェクターの音源部分と筐体部分で分かれます。
音源、筐体、それぞれ単体でも販売 (現在は廃番) されていて、筐体の部分一個で音源部分のみを差し替えて使えたり、空間系の筐体部分はステレオになっていたり、なんだか画期的なようで、そうでもないような。
筐体部分だけ売れ残ったら終わり、という仕入れに対する恐怖心もある仕様でした。
でも、このUBER METAL、発売当時に弾いて即決で買いました。
バンドだとこのペダルを踏んだ瞬間に音が引っ込む類の歪みなのでアレなんですが、家で弾く分にはわりと今も好きなペダルです。
EQのつまみの動きはふにゃふにゃで頼りないのですが、効きはかなり良く、どう使うんだ?っていうイコライジングも可能です。
ギターを選ばず、小型アンプでも強烈に歪む激烈ディストーション。フルアコですらLAメタルな音になる振り切り具合です。ちょっと謎な部類のシリーズではありますが、斬新さはありますよね。
パソコンへのインターフェース、デジタルアンプやワイヤレスも、現在主流になってるモノってかなり早い段階でLINE6から出てたモノだなぁ…とふと思ったんですよね。
今年もお世話になりました。良いお年を。