「あんなぁ、牛骨は削るとごっついくさいだで〜。知っとる〜?」
はい、山脇さんと同じ鳥取県出身のリペアショップ小岩FUNK 河田 健太です。
実は山脇さんとは同じ鳥取県中部の出身でして、僕たちのソウルフードといえば牛骨ラーメンなんです。東京にはあまり無いので、無性に食べたくなる時がありますね。
ナットといえば牛骨、牛骨といえば牛骨ラーメン!by鳥取県民
前回書いたナットの話ですが(詳しくはこちら)、溝以外にも非常に重要なポイントがあります。
それは「ナットの接着面の仕上がり」です。
あまりナットを自分で外してみた事のある人はいないと思いますが、やはりギターは工業製品という事もあり、接着剤でグチャっとくっ付いているんですね。
ということは弦振動が、「ナット→接着剤→ネック」という伝達となり、接着剤の部分でかなりロスしているんです。
そこの接地面をピッタリ仕上げて、最小限の接着剤で固定する事により、そのギター本来の音色を引き出す事が出来ます。
ナットなんてカポ付けたりフレット押さえちゃったら音関係ないでしょ!
と、思ってる皆さん!それが全くもって激変します。
最初僕もそう思っていました。なんで?鳴ってないとこなのに?
ギターは全体の振動で音を作ってます、そして1番重要な弦が乗っかっているとこなのでネックの振動が変わります。やはり影響はあるんですね。
ナット恐るべし!
そして素材でもとんでもなく音が変わります。
牛骨、象牙、デルリン、ミカルタ、カーボン、ブラス、まあなんでもその形に削れば代用になるんですが、ギターに合っている音、加工性、実用性、価格を考えるとバランスが良いのはやはり牛骨でしょうか。
ブラスはもちろん金属の音になってちょっとドンシャリになります。カポを付けた時の音に近いかもしれません。
とにかくその素材のイメージの音になると思ってもらって良いと思います。
素材に関してはほかの所でさんざん語られていますのでほどほどにしておきますね。
牛骨でも漂白してないモノの方が個人的には良いと思います。漂白のものは油分も抜けてちょっとスカスカで柔らかいイメージがあります。
チューニングに関しては世間で言われているほど、オイル漬けやなんちゃら漬けは効果がないように思いますね。
あとエンピツの芯を擦りつけるのも、「腰痛に湿布」くらいの効果だと思います。
とにかく「溝切り」の方が大事です!
これはキッパリ言えます。ちゃんと溝を切ればチューニング狂いません。
高価な素材といえば象牙があります。
僕は象牙、めちゃめちゃ音も見た目も好きなんですけど、いかんせん高価なので自分のギターには使えません。涙
高級なギターをお持ちの方には良いんじゃないかと思います。
本気のお金持ちの人は金とかプラチナで作ると面白いと思います。
このナット500万。かっこいー!
お金をかけたくない人は割り箸でしょうか。牛骨ラーメン屋で出た出涸らしの牛骨を削りだしてもよいかもしれませんね。
もしかしたら牛の種類でも音が違うんでしょうね。
うぉー!さすがA5の黒毛和牛!ローがよー出るわ!