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ナットがピキっとなったら黄信号

こんにちは、腰痛持ちのリペアショップ小岩FUNK河田 健太です。

「ナットの溝がキチンと切れてない」

何か物を持ち上げようとしたりして「腰がピキッ!」となった事はありませんか??

やべ、なんか身体おかしい、、、となりますよね。

実はあれと同じ事がナットにも言えます。

ギターのチューニングをする時に「ピキッ」となったり「キキキキ」となるあの音。

なんか、「ギターのチューニングしてる俺、カッコいい!」なんて悦に入りがちなとこなんですけど、 実はナットの溝がキチンと切れていない証拠なんです!

ペグの巻きの引っ張りに対してスムーズに弦が動いていない、ナットで引っかかりがありますよー!という警告音ですね。

どういう不具合があるかと言うと、まずチューニングは合いづらいですしチョーキングした時なんかに音が狂います。

キレイに溝に収まっていないので、弦振動もきっちりネックに伝わっていません

そして、ナットの調整に対してもう1つ大事な事があります。

それは「溝の深さ」です。

ナットは0フレットと言っても良い箇所なので理想はフレットと同じ高さに溝が切ってある事ですね。

全く同じ高さだとビビったり、すぐ交換しないといけなくなるので少しだけフレットより高めに調整します。

簡単なチェック方法としては、「3フレットを押さえて1フレットの山の頂点と弦の隙間を見る」 です。

ここにハガキ1枚分くらいの隙間がある事が理想です。

 

「ナットをたった5分で仕上げる!?」

どうでしょう?隙間が開き過ぎていたり、各弦バラバラだっりしませんか?

ここを調整してやると、生音が突然シャラーン… からジャラーン!くらいになります。

溝の高さだけでなく、ペグまでの動線をスムーズにしてあげる事が大事で、簡単そうに見えてかなり熟練の技が必要となります。

溝に直線部分があったりすると、そこに余計なテンションがかかったりするからです。

キチっとナットに乗っかった弦は振動を余す事なくネックに伝え、 ちゃんと出汁をとった味噌汁のように音に立体感が出て来ます。

音楽の表現をするのに料理を使うのは非常わかりやすいですよね、さすがギターのレシピ!

残念な事なんですが、新品のギターでもパーフェクトにセッティングされているギターはあまりありません

なぜならばギターは工業製品で、ナットの調整ごときに何十分もかけてられないからです。

型から外してそのまま!って感じのプラスチックのナットもよく見かけますね。

某有名国産ギターメーカーの組込みラインで働いていた友人が言っていたのは、 1番グレードの高いギターのナット調整は10分かける、10万円クラスのやつは5分で仕上げないと怒られる。 とのこと。

そういう事なんですね、まあもちろん時間かければ良いって問題じゃないんですけど、「逆に5分で出来るんだ!?すげー!」と思いました。

こんな大人の事情を考えつつナットのチェックしてみるのも面白いかもしれません。

さあ、あなたのギターは何分仕上げでしょうか!笑

■河田健太の完全メンテナンスコースはこちら

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