札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
本番の、当日リハで、アンプ逝く。
人生いろいろですね…。
さて、ここ最近は私含め修理関係のご相談、ご依頼が多かったので、リペアのお話しを。リペア、というよりも今回はプチカスタムに近いかもしれません。
楽器店時代にもあったこのご相談、リッケンバッカーにまつわるお話しです。
リッケンバッカーのトグルスイッチってノブの部分、レスポールのと比べるとシャフト自体が長いんですよね。自ずとノブも長い。
これが長いこと使っていると甘くなりやすいのか、気づくとスイッチのポジションがいつのまにかセンターに、フロントにしていてもビョン!と触らずともセンターに戻ってしまいがちになってしまう、というご相談がありました。久々。
センターに立ちたがる傾向にあるトグルスイッチ。私も以前、620 を使っていたのでたしかにあるなー、という症状で。
なるべくすべて純正であってほしい、リッケンはとくにそんなブランドにも思いますが、支障ありとなると問題ですので、トグルスイッチは交換します。
甘くなっただけなら元のと同じ、ノブ長トグルスイッチで交換は可能ですが、また同じ症状が出る可能性がある、となると微妙ですので、ノブの部分が通常の長さの一般的なトグルスイッチに交換させていただくことが多いです。
トグルスイッチは Switchcraft 製、Straight、Short、L と形状の種類がありますがリッケン 620 にぴったりなのは L タイプです。
交換前の図。ブラックノブはシュッとしてますね。
この二階建てピックガードの麓からニョキっと出てた方が操作しやすい、それで長いのかも、と思っていましたが、リッケンベースの 4003 のピックガードは二階建てではないのにギターと同様ノブが長い。
こだわりなのか、昔からの仕様のままにしているのか、単純にまとめて仕入れているからこのスイッチなのか、謎は深まりますが、ストックの仕様は極力変えたくないんだよなー、という葛藤もある中、意図せずセンターにおっ立たれると困るのでこういうリペア、と言いますか、スイッチの切り換え機能自体は壊れていないことが多いのでプチカスタム寄り、そんな感じでお客様が仕様か使用感かを優先される方を話し合ってから交換させていただいております。
余談ですが、純正の長いノブの溝は深いところにあるので、一般的なトグルスイッチに交換すると元のノブは使えないんですよね。
見た目も変わりますが、ノブの色をインチのラインナップから選べたりもします。
操作性はそんなに変化せず、多少違うくらい、慣れたら一緒、と個人的には思います。
バインディングに合わせてノブをクリームってのもアリかと思います。
この一部分だけでも上の画像と見比べるとだいぶやわらかい印象になりますね。
スイッチのポジション、安定感はグッと増します、というかそれが普通なんですが。
でもこういうちょっとどうなの?と手のかかるところであったり、ポチャっとつけたような塗装がどんなスタンドとも反応しちゃったり、Tシャツのプリントによっては絶対的に NG だったり、自らを守るハードケースの内張ともひっついてみたり、指板の塗装も厚く、他とは異なる独特の弾き心地であったり。
“R” テイルピースの裏はなかなかカオスだったり、あるとミュートにコツのいるブリッジカバーも外すと金属の質感丸出しなサドルが剥き出しになってしまったり。
ストラップピンはロックピンなのに肝心のストラップ側のパーツはついていなかったり。
独自の Rick-O-Sound を使うキットはだいぶ昔に廃番になっちゃってたり。
つっこみどころ満載なリッケンバッカーですが、逆にいい。そこがいい。
私は激しく好きです。
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら
『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。