札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
これ買ったっけか…。と、好きなシリーズの新刊っぽい小説が本屋さんに並んでいると毎回自信のない私です。これが多分歳なんだな。だーいぶ前からなんですが。
こんばんは。今回は最近のエフェクターボード製作例のご紹介です。札幌市のギタリスト、神田 司 様のエフェクターボードを製作させていただきました。ご依頼いただき、本当にありがとうございました。
エフェクターボードはペダルトレイン、クラシックジュニアです。寸法は W457 x D317 x H89 mm、スラント仕様、傾斜付きのタイプですね。
正面からの全体像がこんな感じです。ワウは左足で、ということで左配置です。
ちょいと前の「ワウペダルのカタいスイッチ対策の話」はこちらのペダル加工時のお話しでした。
(→記事はこちら)
冗談みたいに鬼硬かったスイッチもスムーズに ON/OFF できるように、そしてワウは他のエフェクターよりは ON/OFF 時に力がかかる部分でもありますのでレールの横枠にもかかる位置に配置しています。
右から。
D’Adddario / PW-CT-20、チューナーがボードの世界への入口です。
左から。
Zahnrad /REV がアンプへのアウトプット。上へ出ます。
裏面はこんな感じになっています。
パワーサプライは strymon / Zuma を純正ブラケットでマウント。私の製作では初登場ですね。strymon 最大の9個供給可能、完全アイソレートの究極サプライ。
諸々の諸事情で日本正規輸入代理店からは結局発売されなかった幻のパワーサプライです。
こちらも実は前回の「パワーサプライ、どこつかう?のハナシ」の素敵な現物です。
(→記事はこちら)
「極力裏に隠せるのは隠してほしい」というリクエストがありましたのでプラグ類は可能な限りレールから下に落とすようなカタチで製作させていただきました。
この時に気をつけなくてはいけないのが、いかなる場合もすべて、絶対に床に触れてはいけない、です。
パッチケーブルはプラグが仮に前後ずれたとしても絶対に床に触れない長さで作ります。
そもそもズレないようにプラグの接続方向を決めて製作するわけですが、足で操作するモノ、思いがけぬ力が加わることもありますので、そんな時、床にパッチがタッチしちゃったら長い目で見るとそれは「ケーブルへの負荷」になりますので絶対に避けなくてはいけません。
プラグ類もレールには触れないようにするのもペダルトレイン・ルールです。移動時、知らず知らずそこが擦れて擦れて擦れていくと色禿げちゃうのイヤですからね。
そしてペダルトレイン自体を持ち上げる時にケーブル類にタッチしちゃうのもダメです。
手がケーブルをボードではさんじゃうのは長い目で見るとこれまた「ケーブルへの負荷」になりますので、両サイドレール付近にはケーブルが通らないようにしています。
ペダルトレインの形状上、設置したエフェクターのウラが見えるんですよね。
この時、裏からマジックテープが見えちゃってるとなんかヤダな、ということで私の場合は ARMOR や PULSE を使うボードの時と貼り方を変えています。
裏から見たらコレ、どやってくっついてんの?っていうミステリアスな仕様にしたいっていうのもあるわけですが。ボードに限らず普段見えない部分こそ綺麗であってほしいものです。
こう見ると端っこのワウは英語の ”E” みたいになってますね。あ、違うな鏡文字の “E” 、あ、いや ”3” だ、”3” です、3 でいいんだ。デジタル表記のカクカクした “3” っぽいです。
マジックテープは細かくピッタリになるまでカットしまくります。
端材は不思議と何かとジャストになることもあったり、ボードサインの裏側に利用していたり、ムダにはなりませんので端材は基本保管しておくと後に活躍してくれる場がきます。いつか。デンデントロリコ。
今回はご指定いただいた接続順になっております。
● ギター
↓
○ D’Addario / PW-CT-20 (チューナー)
↓ ・L / L : 16cm
○ ISP / DECI-MATE MICRO (ノイズサプレッサー)
↓ ・L / L : 13cm
○ BOSS / CS-2 (コンプレッサー)
↓ ・L / Short S : 29cm
○ BOSS / PW-3 (ワウ)
↓ ・Short S / L : 70cm
○ Ibanez / Tube Screamer Mini (オーバードライブ)
↓ ・L / L : 13cm
○ Leqtique / 11/11 (ディストーション)
↓ ・L / L : 40cm
○ BOSS / CE-2 (コーラス)
↓ ・L / L : 58cm
○ Providence / CHRONO DELAY (ディレイ)
↓ ・L / L : 61cm
○ Zahnrad / REV (リバーブ)
↓
● アンプ
ハカリストゆえに製作後のパッチケーブルはすべて計測するのですがなんと、まさかのちょうど 300cm。パッチケーブルのトータルは3m ジャストでした。びっくり。これだから測るのはやめられません。
今回の DC ケーブルは私の根尾ではない NEO、NEO Created by OYAIDE の DC-3398シリーズでした。
と、こんな感じで製作しております。神田 様、本当にありがとうございました!
過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら