札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
ここがもうちょっとこうだったらなーって思うこと、あると思います。コンパクトエフェクターだと中のパーツを一部変えたり、オペアンプを変えたり。
私の場合はと言うとボード組み込み時の見た目が重要になってくるわけでこれが逆だったらなー、と長年思っているものがありました。
そして今回、なんで今まで気づかなかったんだろう、と自分自身を呪う出来事がありました。
先日、組み込みのご依頼で届いたエフェクター一式の中に「んー!?」と思うモノが何気なく入っていたんですよね。これはマジで革命だ、と怯え震えました。ガタガタ。
それがこちらです。
裏に貼ってあったマジックテープの様子も合わせて、なんでこうなっているのかすぐにわかりました。おぉ、マジか!?これをこうする方がいらっしゃるなんて…、と個人的に今年一番、いや、これまでの組み込みご依頼時で一番の驚きですね。
Strymon / Ojai R30、ロゴが読めたら端子は手前、通常はこちらですね。
送っていただいたモノはなんとメーカーロゴが逆になってるんです。
配置した時の見た目にもこだわる、見えない部分こそ綺麗にする、メールの文面もそうですが、これは相当ヤバい人(いい意味で)が送ってきてくださった、とグラッグラに震えました。
そのことについて伝える返信をしている時に、これもしかして…、ともうひとつ届いている同メーカーのパワーサプライにも目がいくわけです。
長年、どうしてこっちなの?と思っていたパワーサプライ。
そしていただいた返信には私が思ったことと同じ内容が記載されておりました。
「Strymon / Zuma R300 でもできるんでしょうかね?」
当然、勝手にやるわけにはいきませんので、形状をじっくり眺め、ネジ位置のピッチを測りおそらくいけると思います、と返信、「やりましょうよ」と快い即答。
それがこちらです。
Strymon / Zuma R300 はロゴを読める向き、見た目を優先すると電源ケーブルは右から、つまり抜き差しにはボード内にある程度のスペースを必要とする仕様になっています。
パワーサプライは色々な理由があって向かって左上に配置することが多いです。電源ケーブルは左寄りから出る、というのが一番多いパターンです。エフェクターの組み合わせにより、もちろんすべてに当てはまりはしませんが。
そこを踏まえると strymon / Zuma R300 はわりとペダルトレイン向けに寄せたデザインなのかな、と思うことがありました。
ペダルトレインの裏面に配置すると左上から電源ケーブル出ますからね。ロゴも読めますし。だから一般的なのと逆なんだ、と。
今回上蓋、シャーシのみを反転させることで世の多くのパワーサプライと同様、ロゴがそのまま読める向きで、電源ケーブルを左から出せるようになりました。
これは歴史が変わるんじゃないか、と思うほどの発見です。マジでヤバい。
ただ、すべてこうした方が良い、とおすすめするものではありません。
というのも、正規輸入品でメーカー保証期間内に万が一故障してしまった場合は改造とみなされ保証期間内でも保証対象外になる可能性があるためです。
でもボード組み込み人間としてはこれはすごい、すご過ぎるという発見とともに気づかなかった自分の未熟さを知る機会にもなりました。
まだまだできることがある、日々精進していきたいと思います。
ということで、久米田 純 様、恐ろしい発見をありがとうございました。
なかなか酔っているとあらかじめ宣言してのメールってないので毎回楽しく読ませていただいております(笑)
ボード完成まで今しばらくお時間をください。
いつもありがとうございます!
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