札幌のエフェクターボード製作専門人間、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾(44)です。
暑い。先日の車の温度計が 38℃。こんなの見たことないんですけど。
さて、今回は楽器店を離れてからは HNEBD 過去最大サイズのボードとなります。東京都、yamabayashiworks 様のエフェクターボードを製作させていただきました。製作のご依頼、本当にありがとうございました。
エフェクターボードは CAJ / System Board 5009、サイズは W900 x D500 x H100。
重量はボードのみで 11kg。ARMOR / PS-1C でタイトに組んで 12~15kg 前後ですのでその重量とサイズ感、存在感は容赦ないです。
最初にいただいた画像でも相当タイトでほぼ接続順もお決まりでした。
さらなる追加、ボードの変更、操作性などを打ち合わせの中、イメージは完全に私の中でのシューゲイザー。
完成後、チェック時の印象は映画のサントラが創れそう、というものでした。空間系をここまで絡めるとギターとは思えない音も容易に出せますね。
正面から。
CAJ のエフェクターボードはあるサイズを超えるとボード面、両サイドにハンドルがつきます。楽に持ち上げられる、スタジオ、ステージでは楽に位置の微調整が可能です。
左側面。
特筆すべきは VOX / amPlug2 ですね。第一印象でこ、これは一体…?と気になってお聞きしたわけですが、「意図的にノイズやフィードバックを出す」というご使用方法で、なるほど、と思いました。
エフェクターボード製作をしていると実にいろいろな方がいらっしゃいますが、今回のようにこんな使い方アリ!?、という発見が稀にあるので本当におもしろいモノです。
One Control / 1LOOP BOX のセンドに VOX / amPlug2 を接続、通常、ヘッドフォンアウトとなる端子からミニプラグ-フォンプラグを製作、リターンへ戻すことで、エフェクターのように使用可能、この発想はなかったですね。すごい。
One Control / Granith Grey Booster がエフェクターボードの出口となります。
常時 ON、ということでしたので安定感を優先し、ボード直置き、かさ上げはなしです。
右側面。
エフェクターボードの入り口は MXR / micro amp、ON/OFF 操作ありのペダルですが、支障のない配置でこちらも安定感を優先し、ボード直置きです。
全然関係ありませんが、この角度でハンドルを見る度に私はなんとなくZepp Sapporo のステージ前あたりを思い出します。
背面。
今回のボードサインはこの位置で。表面はエフェクター群の存在感に圧倒されたいので目立たない位置に。いつもの木製ボードサインは別途付属とさせていただきました。
パワーサプライは今回、4台搭載しております。
FREE THE TONE / PT-5D は Digitech / Whammy 4 の AC アダプターのためマスト、strymon / Ojai 軍団の電源もここから取っております。
ここまでのサイズ、個数ですが、セッティングはギターからボード、ボードからアンプのシールド2本と FREE THE TONE / PT-5D からの電源一本で OK です。
strymon の電源をどこから取るか、打ち合わせ段階では単体の方がいいかもしれない、とお話しておりました。
なんらかの悪影響があるかないかは実機で音を出して試して確認、これに尽きます。問題がなかったため、PT-5D からの供給でシンプルセッティングが可能となりました。
PT-5D の DC 端子はフルアイソレートではなくともデジタルのみにすれば問題はありません。
そして、LOW NOISE STANDARD OUTPUTS の実測値がすべて同じ。日本製ならではですね。
■ 接続順について
・ギター
↓
・MXR / micro amp
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 59 cm
・Digitech / Whammy WH-4
↓ switchcraft / Flat L – Short S : 21 cm
・One Control / Chamaeleo Tail Loop MK II / BUF IN
■ TUNER
switchcraft / Short S – Flat L : 62 cm
・BOSS / TU-3S Chromatic Tuner
■ LOOP 1
S1 : switchcraft / Short S – Flat L : 58 cm
・TECH21 SANSAMP / BASS DRIVER DI
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 12 cm
・MXR / bass d.i.+
R1 : switchcraft / Flat L – Short S : 28 cm
■ LOOP 2
S2 : switchcraft / Short S – Flat L : 26 cm
・BOSS / BD-2W Blues Driver WAZA CRAFT
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 11 cm
・WALRUS AUDIO / IRON HORSE V2
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 42 cm
・BOSS / PS-6 / Harmonist
R2 : switchcraft / Flat L – Short S : 36 cm
■ LOOP 3
S3 : switchcraft / Short S – Flat L : 34 cm
・ROGER MAYER / VOODOO-1
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 21 cm
・Proco / RAT II
R3 : switchcraft / Flat L – Short S : 25 cm
■ LOOP 4
S4 : switchcraft / Short S – Flat L : 73 cm
・Digitech / DIGIVERB
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 11 cm
・Dr.Lake / ARION HYPER SCH-Z
R4 : switchcraft / Flat L – Short S : 71 cm
・One Control / Chamaeleo Tail Loop MK II / OUT
↓ switchcraft / Short S – Short S : 18 cm
・One Control / Chamaeleo Tail Loop MK II / IN 5
■ LOOP 5
S5 : switchcraft / Short S – Flat L : 41 cm
・ZOOM / MS-70CDR
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 13 cm
・BOSS / CS-3 Compression Sustainer
R5 : switchcraft / Flat L – Short S : 46 cm
・One Control / Chamaeleo Tail Loop MK II / OUT 5
↓ switchcraft / Short S – Flat L : 49 cm
・LINE6 / DL4 Delay Modeler
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 43 cm
・strymon / blue sky
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 48 cm
・One Control / 1 LOOP BOX / INPUT
SEND : VOX / amPlug 2 BASS
↓ switchcraft MINI Plug – Flat L : 25 cm
RETURN
・One Control / 1 LOOP BOX / OUTPUT
↓ switchcraft / Flat L – Flat L : 27 cm
・One Control / Granith Grey Booster
↓
・アンプへ
Total. 900 cm
これもまたたまに起こるミラクルなのですが、パッチケーブルのトータルの長さが9m ジャスト。実機に合わせて一本一本製作、完成後に計測メモ、最後に全部を足して出すものなので狙ってやっているわけではなく、狙ってできるものでもないんですよね。
エフェクターボードが入荷した時点でこの作業スペースで製作、そして完成後の撮影が可能なのか、という懸念もありましたが、問題なくいつもどおり行えたこと、サイズと重量、かなり強烈でしたが実にメモリアルな製作となりました。
yamabayashiworks 様のご活動は下記アドレスよりぜひチェックしてください。一聴して耳に届く憂いを帯びた音色、静と動、色味を感じる楽曲がとても印象的です。夕暮れ手前の景色にハマる感じ、車移動時によく聴かせていただいております。
↓↓↓
https://linkk.la/yamabayashiworks_ao
ご感想をいただきましたので合わせて掲載させていただきます。
Cool Crafting! Thanks for finishing up, Hell Near Effect Board Design.
yamabayashiworks 様、製作のご依頼、本当にありがとうございました!
■HNEBD 地獄通信 -お知らせ-
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら