ブログコンテンツ

日常的なモノで例えると伝わることもある

札幌でエフェクターボード製作を主に行なっている人間、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

修理品と製作のご依頼でお預かりさせていただいているボードで楽屋のような状態だった作業部屋がようやく少し空いてきました。もうちょいです。がんばれ私。

さて、今回はよくいただくお問い合わせ、タイトルどおりですが日常的なモノで例えることができたらより深く伝わることもある、というお話です。

はじめに、お問い合わせについて。「相談料をお支払いするので教えてください」、「有益な情報でしたのでお支払いします」的なことを言われることがあるのですが、お問い合わせに関してはうちは無料です。質問に対してのお支払いはすべてお断りしています。

楽器屋さんに行って聞いたことに対してお金が発生したら嫌ですよね。私は楽器店上がりの人間なのでお問い合わせに関しては接客感覚ですので無料です。

こういうことが気になっているんだ、とか、ここに疑問が生まれるのか、とか、知ることのできる機会は個人的におもしろいですし、説明することによって自分の記憶の賞味期限が伸びる、と思っておりますのでお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

それではどうぞ。

Q : 楽器の調整は必要ですか?

日常的に楽器の状態を気にしている方ももちろんいらっしゃいますが、そもそも調整って必要なんですか?とか、買ってから一度も調整していません、という方も多く、案外頻繁にいただくご質問です。

あー、そうなんですね、とさほど刺さらない答えがこちら。

A : 楽器は状態に合わせて調整しながら使っていくモノです。

この答え方をですね、日常的なモノで例えるなら 250cc のバイクです。原付でもいいですが。つまり車検がない、ってことなんですが、車検取らないと乗れませんよ、っていう『しなきゃいけない』という法律はないので、買ったらそのまま乗り続けることができるわけですが当然、日常的な点検、整備をした方が永く良い状態で乗れますよね。

楽器もそんな感じで調整しなきゃ弾いちゃダメ、なんてルールはなく、使えなくはないけど、調整が必要な部分があるなら調整した方が弾きやすくなりますし、良い状態をキープするのは日常的な状態確認、調整をしていって季節問わず自分にとって弾き心地が良い状態にしていく、結果、楽器が良い状態でいられるということです。

なにより状態が悪い、ネックが反ってるといい音はしない、という極めて重要な部分でもあります。

Q : 弦交換のタイミングはどうしたらいいですか?

A : 音が伸びなくなったり、ザラつき、サビがある場合は早めの交換がおすすめです。

初心者の方から聞かれることの多いお問い合わせです。

弦は定期的に交換していく消耗品にあたります。これまたバイクで例えるならエンジンオイルあたりかと。

乗る頻度、弾く頻度によっても差は出ますが、どちらも状態の古いモノだとどうなるか。

エンジンオイルが古くなると粘度が低下、潤滑作用が下がって内部パーツの摩耗を早めてしまう結果、エンジンがもつ本来の性能も本領発揮はできず、最悪故障の原因になってしまいます。

ギターの弦の場合、弦のサビは多くのフレットよりも硬いモノです。

弾き心地が悪くなるだけでなく、サビた状態で弾き続けるとサビがフレットを痛め、摩耗でフレットを減らしやすい状態にある、結果フレットの寿命を短くしてしまいます。

音はもちろんですが、フレットの摩耗を早めてしまいます。

と言ってもあまりにも神経質にはなることはなく、弾いた後には弦を拭く、サビの原因となる汗を取り除くことで弦の寿命も伸ばせますので日頃のケアもおすすめです。

Q : エフェクターボードの違いで音に違いは出ますか?

A : でます。

何度か書いてきましたが、実際に比較すると同じセット、セッティングでもエフェクターボード自体が違うと音に違いは出ます。

この違い、ちょっと極端なたとえですが、フェラーリのエンジンを軽自動車に乗せたら同じ?と聞くと全員が、ありえないですね、となっています。

シャーシやボディ、足回りももちろん違いますから同じにはならないのは誰もが想像つくところだと思います。

お求めやすいボードと高額なボード、一番わかりやすいのは安全性でしょうか。

価格の違いは強度、剛性に違いがあります。強度、剛性が高いと重量も増えるデメリットはありますが、ボードそのものの重量、素材によって音の違いが出るのでは?と思っております。

そして中身を見ていくとエフェクターはもちろんですが、パワーサプライ、DCケーブル、パッチケーブル、プラグ、ハンダ、つくりなど、エフェクターボードを構成する様々なパーツひとつひとつがそれぞれ重要な役割を持っています。

車もそうですよね。細かい部分ひとつひとつで差ができるものだと思います。

もう一点、音の違いが出るところに綺麗か否か、という部分があります。

エフェクターボードの場合、ホコリや髪の毛、木の破片など足元で使うモノゆえバンド活動、ライブが多い方はどうしてもたまっていきがちです。

これらが静電気を帯びることにより音がモヤーンとしてきてしまう、という現象が起きます。

たまにボード内も掃除してあげることでスッキリとした音になるんですよ。

ゴミ満載の車でドライブしても気持ちはよくない、そんなところも似ていると思います。

むかしまっこう、さるまっこう。

■HNEBD 地獄通信 -お知らせ-

★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。

 

★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

関連記事

  1. 最近の製作例、入換編 – pedaltrain / …
  2. ケーブルのエイジング・アンチエイジング
  3. OKKO FX よからぬ名前のエフェクター
  4. 外のワウと中のチューナー
  5. イコライザー的ブースターのススメ
  6. 夏、一歩手前のエフェクターボード
  7. 【エフェクター】tc electronic の「el Cambo…
  8. 最近のボード製作【ボードとパワーサプライ編】

最近の記事

PAGE TOP