ブログコンテンツ

現代のパワーサプライと2p-booster

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

ボード製作がようやく落ち着いてきました。みなさま本当にありがとうございました。

さて、先日製作させていただいたボードをご覧いただいた方からお問い合わせをいただきましたので今回はそこを当時版と現代版として書いてみたいと思います。

遡ること2016年、今から7年前に私がまだ楽器店で働いていた頃のお話しを楽器店辞めたての私が書いている、そんな記事が概要になっています。

→HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN / 2p-booster

Xotic / Ep-booster は2個入れるとすごい

Xotic / Ep-booster は発売前のアナウンスでは、なんなんだろう?って感じも正直あったのですが、初めて実機に触れた時の衝撃は今でも覚えています。

小さい割にずっしり重い、そこも実は音に関係するんだってことを教えてくれたエフェクターだったりもします。初めて弾いた時の私は「このアンプ、こんなに良かったっけ?」となりました。私は。ジャズコを。

そんな不思議でマジカルファットなセクシーエフェクターが Ep-booster なわけで、現在では比較的お求めやすい価格でありながらも激しく良いエフェクター、のスタンダードとなっていますよね。

常時ON、つまみはゼロ、頭にあると艶やかな色っぽさがでてまずアンプの素の音、クリーントーンが良くなる、その良くなった音に後段のエフェクターがかかっていくものですから、当然後に続くエフェクターの音も良くなる、ワンノブでシンプル、なおかつライブで使うようなデカいアンプはもちろん、ご自宅用の小型アンプでも効果覿面。エレキギター、ベース、はたまたエレアコでも OK、多彩に万能、効果もわかりやすいナイスなペダルです。

品名につく「ブースター」の名のとおり、最終的なブースターとしても優秀なわけですね。

じゃあ頭とケt…、おっと失礼、先頭と最後に 2 個入れたらどうなっちゃうの?っていう単純な発想から試してみたのがことの始まり、という感じです。

概要とさせていただいた記事のとおりなんですが、ざっくり書きますと、先頭で良くなった艶やかさにエフェクターがかかり、全体が艶やかになる、さらに最終段で全体をわりと素直にブーストさせることも可能、つまみを上げ過ぎてしまうと歪みますが、その手前くらいでドカーンと容赦なくヌケてくれる音づくりが可能となる、というものですね。

好き過ぎて興奮してきました。

内部 DIP スイッチはお好みで

ここについても以前書いておりますのでご興味ございましたら→こちらからどうぞ。

単体でワンノブながら、蓋を開けて内部スイッチの切り換えでよりお好みに近づけることもできる仕様になっています。と、ようやくここから現代のおすすめの使用方法を。

Ep-booster、自由度が高いのは strymon / Ojai R30 (Zuma も可)

諸々、自由度が高いのが Xotic / Ep-booster でもあるのですが、なんといっても電圧が 9V~18V まで対応、という点が音に関わる部分では一番かと思います。

このエフェクター、本領発揮は 18V 駆動です。ハリ、ツヤ、エロさが増します。そのため発売当初は 18V の AC アダプターでのご使用をおすすめしておりました。

ただその場合は AC アダプターが複数挿せるパワーサプライ限定で、配線の余りも綺麗にまとめるしかない、隠せるところがなければ、という状況だったんですよね。

当時製作の一例です。

すんごい良い、という声もある一方、一人で弾くには気持ちいいけどバンドで18V だと前に出過ぎる、繊細な声色のボーカルの場合、ちょっと嫌がられるなど、実際にいただいたマイナスな声もあり、2p ってどうなの?とお問い合わせをいただく度にデメリットをお話しさせていただいてきたわけですが、この点は strymon のパワーサプライの登場により解決することとなります。

一番小型の Ojai は 9V のみですが、Ojai R30、現在廃番の Zuma R300、日本国内正規輸入代理店では取扱いのない Zuma には 9V、12V、18V を選択できる DC 端子がついています。すぐ触れるところに。

電圧変更が2つできるのは Ojai R30、もしくはやや入手困難な Zuma です。

すぐ触れる、ここが重要で、やってみて出過ぎと感じた時は 12V に下げてみる、それでも厳しければ 9V にする、小さいスイッチで瞬時の電圧切り換えが可能となり、パワーサプライ側でさらに効果的な調整ができるわけですね。

あっちのバンドは 18V でいいけどこっちのバンドはちょっと下げたい、など、バンドを複数やっている方にとくにおすすめの方法です。

Voodoo Lab のパワーサプライも同様の電圧供給はできますが、12V にするには本体裏側のスイッチで切り換えなければいけない(PEDAL POWER 2 PLUS)、18V 端子は 18V 固定(PEDAL POWER ISO 5)、または 9V 端子を 2 個使う、など変更するにはDC ケーブルの挿し換えが必要になることもあるため、安全面的にその都度電源を落として行う、というのはけっこうなロスです。

ですが、サプライの供給が不可、AC 電源が必要なエフェクターが 1 個あり、Ep は 18V 固定で OK! という場合は Voodoo Lab / PEDAL POWER 2 PLUS になります。

ご使用状況の打ち合わせ後、そうなることももちろんあります。以前製作させていただいた個人的にかなり好きなボードです。

同じ組み合わせがほぼなく、使う方のお好みも千差万別な世界、より自由な調整ができたらいいな、という時は Xotic / Ep-booster のパワーサプライには strymon / Ojai R30、または Zuma がおすすめです!

■ HNEBD 地獄通信 -お知らせ- ■

★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。

 

★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

関連記事

  1. MIDIの基本設定(中編)
  2. トゥルーバイパスの罠
  3. ハンダがマスト
  4. コンパクトサイズの極み!マイミニマム
  5. エフェクトボードの入れ替え
  6. プラグのお話【中身編】
  7. ヘッドフォンプラグのガリ対策
  8. 秋冬のボード製作風景

最近の記事

PAGE TOP