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熱収縮チューブとヒートガンのお話

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

今年は雪が少なくていいなーと思っておりましたが、そんな翌日にどっかりと降ってあっさり例年通り、時期の違いで結局降る量はだいたい一緒っぽい雪の札幌からです。

さて、シールド、パッチケーブル製作時に使用する資材に「熱収縮チューブ」というモノがあります。

名前のとおり、熱を与えると収縮するチューブなんですが、基本的には端子部を守る、タフにする、という名目のモノです。

コレを使用するにあたって熱の与え方でけっこう仕上がりが変わってきます。だいぶ昔は立つジッポーに火をつけて遠くから炙って縮めていたものですが、この方法、仕上がりは良くても複数本あるととにかく時間がかかります。

横着して近づけ過ぎると熱収縮チューブが軽く燃えたり、一瞬でも燃えるとブツブツと見た目が悪くなるのでやり直しになったり。実に急がば回れなモノなんですよね。

で、最高に綺麗に仕上がり、恐ろしいほど時間短縮にもなる道具がヒートガンなわけです。

見た目はほぼドライヤーなんですが、至近距離 MAX450 度とあり、地獄のドライヤーで。

用途によって専用のアタッチメントがあり、それを使うと均等に熱収縮チューブを一瞬でシメてくれる、電源入れたらすぐにくぐらせて終わり、というモノなんです。

一瞬でシメてくれるので当然モタモタしてるとダメですし、アタッチメントにシールドが触れると溶ける、手が触れようモノならおそらくヤケド、サササッとやってサッと抜かないと危ない、便利と危険が隣り合わせなスリリングな道具になっています。

熱収縮チューブにも違いがある

熱収縮チューブは数メートル巻で安価なモノもありますが、薄いんですよね。頼りないと言うか。仕上がりも見た目がツヤツヤで微妙だったり。

HNEBD で使っているのは HellermannTyton (ヘラマンタイトン)ってとこのです。

見た目も美しく仕上がりもタフ、デザインも良い、というところで熱収縮チューブに限らず、ボードを製作する時のインシュロック、マウントベースもすべてここのです。

余談ですが、ヘラマンタイトンの熱収縮チューブはストレート弦のようにまっすぐな状態で販売されております。これも良い点で、巻癖がないってのも使い勝手の良いところです。

そしてタフさはバラす時にはっきりわかります。安価で薄いのは軽くカッター入れるだけで簡単にバラせますが、ヘラマンタイトンのはなかなか大変です。熱を与えることでこんなにも硬く厚くなるのか、っていう違いがあるんですよね。

加工前はスッと切れるのに加工後は別物になるという衝撃は小学生の時に絵を描いてトースターで焼いて遊んだプラ板に近い衝撃があります。

ストレートでタフだからつけやすい癖

ボードをつくる時はこういう流れにしたい、っていうカタチでヒートガンに潜らせます。熱与え過ぎるとダメなので本当に一瞬、若干なんですが、なんとなくそういう風になる、なってね、って程度に思いながらくぐらせます。

これが巻癖ある熱収縮チューブだと矯正のためのわずかな時間差がでる気がして個人的には嫌なんですよね。そんな理由からもヘラマンタイトンのを長年使用しています。

かわす癖をつけたい時にも

パッチケーブルのご注文で現物がない時の製作では手持ちの機材や試作品を使って寸法を合わせて固定、ここをかわす癖をつけたい、って時にも重宝します。

お客様の機材には画像手前の金色筐体の左側面に入力、正面プラグすぐ左にDC端子があるのでそこを上にかわす想定で熱収縮チューブを若干長めにして癖つけしています。

色味を統一したい時にも

以前製作させていただいたボードでここの色、なんとかなりませんか?とご希望がございましたので熱収縮チューブで黒に、ということもありました。

製品の、おそらくラインナップの都合上、緑なパーツ部分を

隠す感じで黒にできます。と、今回はこんな感じでした!

■ HNEBD 地獄通信 -お知らせ- ■

★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。

 

★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

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