札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン 根尾 悠 です。
パぺピプペポパポ。
はい、今回は 2024年、一枚目の製作例です。北海道 札幌市の林 様のエフェクターボードを製作させていただきました。ご依頼、本当にありがとうございました!地元札幌、直接お会いしての打ち合わせはそこそこ久々でしたがこれもまたおもしろいもので本当にありがたく思います。
通常のシールドでのご依頼はありますが、エフェクターボード内での使用は今回初となるケーブルスリーブ。明るいアクセントになっていてスリーブはやっぱりいいなーと思う今日この頃です。
ケーブルスリーブは過去のメルマガをご覧いただいてのご依頼でした。ありがとうございます。
まずは「これみたいに作れますか?」ということで雑誌を見せていただきました。一部、エフェクターは異なりますが、Tears of Tragedy の TORU 様の機材紹介画像を元に製作させていただいております。
前々から元々あるプロのボードをコピーして製作してみたい、という考えがありましたが、完パケで作ったはいいものの売れなかったらどうしよう…という不安が先走り、空想と妄想の中、時間だけが過ぎていくという企画頓挫っぷりを発揮しておりました。
ということでこちらも初、初が続いて 2024年の皮切りボードとしてマジ最高、と個人的に激しく良いスタートになりました。やってみたい、を周りから何かと助けられる私です。感謝しかありません。
詳細を検索するも出てこず、見つけられず、で今回の情報は 86mm x 48mm の画像一枚のみ。コピーするにあたって、どれどれと画像を眺めて接続順を確認するのですが、スノコタイプのボードでは配線まで追えず、撮影し解像度を上げての画像を見せていただいたり、自分でもやってみたりしても見えない部分は見えず。
つまみの設定からイマジネーションを働かせつつ、現物をお預かりさせていただいてるので実際に接続順を試しに試し、コレがベスト、というご提案をさせていただきました。
接続順の違いによるチェックはよくやることではあってもこれってすごく楽しい作業なんですよね。ですので今回はあえて接続位置、接続順を記載しない、ミステリアスボードにしてみます。(なんで?)
正面からです。
左上の Playtech / GPA100 がこのボードの一番の特徴である部分となります。このサイズでなんとパワーアンプ、AMT / P2 をプリアンプとしていますのでボード上でエフェクターとアンプが完結しているわけですね。
完結、と言うとおり、このボードの出口、パワーアンプから接続するのはスピーカーキャビネットです。そのため一般的なギターアンプは使用できません。
エフェクターボード、と呼んでいいものなのか、やや呼び名には困りますが、より普段の音を常に持ち運べる、そんなエフェクターwithアンプボードになっています。
今回この Playtech / GPA100 は初めて見ましたが、つまみの質感、動きに高級感があって値段を見てびっくりしつつ、コンパクトなので作業机上の諸々チェック用にめちゃくちゃ便利そうで欲しくなりました。
左側からです。
最終入力の横はサイズの都合上、完全に端ではないため、そのままだとスノコの隙間が落とし穴のようになってしまいます。ケーブルを落としたら下のパワーサプライにキズがついたり、プラグがひっかかったりするかもっていう暗いステージでの不安要素をなくすため、スノコの隙間を埋めています。
右側からです。
んー…ここは…右、って感じですね。
ステージ上、客席から見た角度です。
パワーサプライの位置決めは実際の接続順で仮つなぎ、エフェクターがすべて ON の状態で実機を近づけてひととおりチェックするのですが、パワーサプライに近いとノイズを発する機材っていうのがあります。パワーサプライだけでなく、エフェクター同士近いとノイジーな組み合わせもあったりします。
今回の strymon / Zuma に限らず strymon のパワーサプライはその辺の影響をほぼ受けないので配置位置の自由度が高い、というのもひじょうにウルトラナイスなポイントです。
電源コードが複数本ある場合、位置はまとめた方がセッティングが楽ですし、踏んじゃう可能性ゾーンも減る安全性もあるため、立ち位置から見て左上にパワーサプライを固定しています。
裏面からです。
エフェクターの背中、丸出しの姿を眺められるように、固定のマジックテープはスノコの隙間から絶対に見えないように貼ります。
いろんな意味で入手困難な strymon / Zuma の端子は 9 つあります。今回の必要数は 7 つですので 2 つ空きます。使用端子は寄せた方が見栄え的には良いものですが、電圧の実測値が他よりも低かった1 と 4 を避けて各エフェクターに合った実測値に合わせて接続端子を決めています。
レイアウトはすでに決まっているので、そのままに並べて製作するという作業もある意味初でしたのでおもしろかったですね。
いつもはペダルトレインの右端と左端、縦のレールにもマジックテープ(メス)を貼ってレイアウトスペースを広げていますが、ご本人様のボードには貼られていませんでしたので今回は貼らずに仕上げてみました。だいぶ精巧な印象になるんだな、と実に色々ととても良い経験になりました。
林 様よりご感想をいただけましたので、合わせて掲載させていただきます。
『初めての依頼です。私が好きなバンド「Tears of Tragedy」のギタリストTORUさんのボードが雑誌に掲載され、コンパクトエフェクターのみで構成されているのを知りました。「同じボードを組みたい」と思いましたが、雑誌からは接続順・配線まで読み取ることが出来ず、プロの力を借りようと思ったのが依頼のキッカケです。
個人的に、プロにボード組みを依頼するのはハードルが高く、根尾さんとはお会いした事もありませんでした。ブログではとても親切丁寧かつユーモア溢れる内容だったため、ブログ上の人柄を信じて勇気を出して連絡をしてみましたが、実際にお会いしてもそのままの人柄で大変安心できました。
さて、ボードですが、素晴らしい出来でした。ノイズサプレッサーが入っていますが、使わなくてもノイズがありません。ボード組む前にP-2を使用した際はノイズ出ていましたが、根尾さんが組むとノイズが無くなりました。凄い!
また、ケーブルスリーブがカラフル。繋ぎ方が一目で分かります。ステキ!納品時にも使い方を色々教えてくれました。優しい!その他にも色々お世話になりましたが、通常のサービス外な気がするので割愛します。
お話を聞いていると使用している部材・技術だけでなく、エフェクターへの向かい方・取組む姿勢がノイズレスに繋がっている事が分かります。
「ここまで開示して良いの!?」と思うほどブログ内容が充実している理由は根尾さんの仕事の流儀が模倣困難である事の証かと思います。今後も色々とお世話になりたいと思います。ありがとうございました。
林 様、製作のご依頼本当にありがとうございました!
■ HNEBD 地獄通信 -お知らせ- ■
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら
『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。