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楽器をソフトケースにしまう時には

札幌のエフェクターボード製作専門店と言いつつもリペアもやっているヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

そういえば前回写真を載せたキャンプ場近くに新幹線の駅があるので帰りに通ってみたのですが、ちょうど見れました。長いこと北海道に住んでいる私的には新幹線って空想上の乗り物なんですよね。もしくはプラレールとか。

はい、今回はまったく同じ症状のご依頼が続いたので、こうしたらいいと思います、という楽器店スタッフをやっていた頃、お渡し時に話していたお話を。

故障は起きてしまうこともありますが、ちょっとしたことで起きにくくする、防げることもある、という防止策のひとつです。

まずは続いた修理内容がこちらですね。

ピックアップ、セレクタースイッチの不具合

ストラトキャスターのピックアップセレクター、フロント位置で音が途切れることがある、スイッチング時にノイズがのる、というものです。

普段は頭の突起物 (スイッチノブ) とネジしか見えてませんが、中身はこんな感じになっています。Fender Japan で採用されているカバードタイプのセレクタースイッチですね。

カバード

こちらは経験上、不具合で受けることの多いタイプですので、まったく同タイプで、というご指定がない限りは同じセレクタースイッチでもオープンタイプをおすすめしております。見た目はこんな感じですね。

オープン

スイッチングの感触にも違いがあります

カバードタイプの切換え感触はヌラヌラっと柔らかいのですが、オープンタイプの OAK 製はカチカチっと硬めです。

もうひとつ、オープンタイプでバネを使用してやや硬め寄りのCRL 製もあります。でも CRL 製、なんかすごい値上がりしちゃいましたね。

一応、自分でやってみよう、という場合の注意点ですが、カバードのもOAK、CRL も見た目はほぼ一緒で 3 WAY、5 WAY があります。ご購入時は見た目だけでなく、必ず品番をご確認ください。

他にも SUPER SWITCH というなかなかグロテスクな見た目のもありますが明らかに異質なルックスですので間違わないと思います。

よく見ると違う、間違い探し的な見た目の 4 WAY も存在します。こちらは要注意。

で、一般的なテレキャスターは 3 WAY、一般的なストラトキャスターは 5WAY、スイッチの止まる位置が 3 点か、5 点かの違いです。

またカバード (国産) からオープン (U.S.A.製) に変更するとレバー部分の厚み、幅が違うため同じノブは使用できなくなります。

余談ですが昔の Fender Custom Shop のストラトは年代の仕様に合わせており、3 WAY で入荷してきて 5 WAY Switch はパーツとして付属になってたんですよね。売れた時はお客様のご希望次第ですが、ほぼ 5 WAY に交換してからのお渡しでした。

懐かしい。

ケースにしまう時はフロントまたはリアポジションで

と、すっかりスイッチの説明になってしまいましたが、何を言いたかったのかと言いますと、移動時、ハードケースでもそうですが、ソフトケースにしまう時はとくに、3 WAY、5 WAY ともにフロントかリアの位置にしておくといいです。

センターにしておくと若干ですが、ニョッキリ高さがでてしまうので中で押し付けられる力がかかりがち、また何かが当たってしまった時、レバーが曲がりやすい、レバー部分が曲がることによって接点の不具合が出るのが原因多め、と考えるからです。

これまた余談ですが Gibson Custom Shop のトグルスイッチノブ、入荷時はスイッチについていない状態できます。パケでポッケに入っています。輸送時、割れちゃうことがあるから、と当時の先輩に教えてもらいました。

ピックアップセレクターは比較的負荷のかかりやすい部分であるので輸送時、移動時はストラトもレスポールもフロントまたはリアの位置、つまりレバーがどっちかに寝ている状態にしてあげると良いです。

背負うタイプのソフトケース、ギグケースでも中でレバーがセンター位置ですとよいしょっとした時にスイッチを擦って押し付ける力が加わりがちです。

おそらくセンターの音切れが多いのはそんな感じなんじゃないかと、密かに予想しております。

トラブル対策として、というお話でした。

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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを  「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。

★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
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『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

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