札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
過去最小サイズの次に過去最大サイズのご依頼、今年は年始からおもしろいこと、新しいことが続いていて本当に激しくありがとうございます、という感じです。
さて今回は製作例の回です。東京都 世田谷区より Y.T 様のエフェクターボードを製作させていただきました。いつも本当にありがとうございます!
完成したエフェクターボードがこちらになります。
これまで製作させていただきましたエフェクターボードのサイズでは最大タイのW900 x D500 x H100mm、重量はボード単体のみで約 11kg、完成時は約 24.1kg。
かんなりヘヴィな重さですが、音色のバリエーションは超豊富なラインナップです。
正面からです。
プラグはフラット L が31個、ショート S が 17個。
最新入荷分で計測するとフラット L、ショート S ともにひとつ 22g 前後、48pc x 22g = 1,056g、ここでまず約 1kg になるわけですね。
パッチケーブルは全部で 24 本、トータルの長さは 1,076cm です。
カレントダブラーケーブルを一部使用で DC ケーブルは 18本。
今回はかさ上げなしのご指定ですので、この通り道を作るためにDC 端子のプラグ形状は L/L のみならず、S/L も使用しております。
左側面からです。
Digitech / Bass Whammy は本体側面の電源表記はセンターマイナス 9VDC / 1300mA となっておりますが、メーカー仕様の消費電力表記は 9VDC / 265mA 以下。
動作確認も問題なく strymon のパワーサプライ(9V / 500mA)から電源供給が可能です。
以前のモデルのプリントをそのまま使っているのではないか、と予想します。
こういう罠がたまにあるので、これダメじゃない?って時もじっくり調べるといけることも稀にありますので油断できません。
注意点は実機で試すのは仕様をしっかり確認してから、が絶対です。挿してみたら OK だった、なんていうのは激しく危険なチェック方法ですので絶対にダメです。
必ず取扱説明書、輸入モノはそこに出てないこともあるので海外マニュアルを、現代はネットで調べるとだいたい出てきますので、電気を通すのは確実な情報を得てから、に限ります。
適当にやってしまうと壊れる可能性がありますのでここは本当に要注意です。
右側面からです。
奥行きはこのラインナップにピッタリ、というくらいのジャスト具合です。
余談ですが、CAJ のシステムボードは一般的なボード面とフタを仮合体させるヒンジがありません。すべてキャッチロック式になります。
閉める時は右側か左側でまず上下をぴったりフチと合わせてハメたらフタを横に寝かせていって閉めるのがさほど力を必要としない、と今回気づきました。
幅もあるし、フタが重いしで奥で合わせるのはけっこうしんどいので横合わせ、横寝かせ閉めが安全です。
背面からです。
この角度、かさ上げありだと手前が高くなって奥まで見えないものですが、かさ上げなしなので手前が低く、演奏時手前にくるエフェクターの背中がいつもよりもよく見えますね。
パワーサプライ、strymon / Zuma & Ojai R30 & Ojai の DC 端子はフル使用ですが、BOSS / TU-3 に1口 9V 電源供給可能な端子があります。
大きいサイズのチューナーはこの機能がついてるモノが多いです。
ジャンクションボックスの前か後ろ、臨時で足したいエフェクターがある時にはここからの電源供給も可能です。
#1. FREE THE TONE / JB-21S / INPUT
↓
#2. xotic / Ep-booster (RIGHT)
↓
#3. MXR / bass compressor
↓
#4. EBS / Wah One
↓
#5. Fender / DOWNTOWN EXPRESS
・TUNER OUT → BOSS / TU-3
↓
#6. Fender / SWITCHBOARD
■ LOOP 1
・BOSS / SY-200
↓
・electro-harmonic / Mel9
■ LOOP 2
・BOSS / AC-3
↓
・ONE CONTROL / CRIMSON RED BASS PREAMP
■ LOOP 3
・aguilar / AGRO
■ LOOP 4
・MAD PROFESSOR / Snow White Auto Wah
■ LOOP 5
・Digitech / Bass Whammy
↓
#7. JAM Pedals / Water Fall Bass
↓
#8. tc electronic / FLASHBACK
↓
#9. strymon / FLINT
↓
#10. xotic / Ep-booster (LEFT)
↓
#11. EBS / Valve Drive DI
↓
#12. FREE THE TONE / JB-21S / OUTPUT
#2.3.5. & 11. の組み合わせが基本のトーンとなり、空間系の #7. 8. 9. は使いたい時にプラスする、という感じです。
Fender のスイッチャーは中の設定で接続順の入換もできますがある程度セオリー通りの順番に。
LOOP 1 はシンセ系をまとめて本体で ON/OFF を切り替えますが、electro-harmonix / Mel9 の DRY をゼロでうっすらとかけると同時使用もアリ、どこに足しても不思議空間的な面白い効果が得られます。
LOOP 2 はアコースティック風セクションとしてセットの仕様です。
接続順は実機で試して BOSS / AC-3 が後段だとハイ寄りになるため、ご要望と外れると感じ、ウォームでメロウなトーンが得られるこの順番です。
フレットレス風はコンプは OFF でコーラスを薄くかける、また DRY ゼロのMel 9 も効果的でどちらも違った雰囲気になると感じました。
LOOP 3 は歪みが足りない時に足す、#5. を OFF でメイントーンにもできる柔軟性と隠れた攻撃性も合わせ持ったペダルだと思います。
LOOP 4 はエグみがお好みということでこの位置で。
オートワウは面白いですよね。
LOOP 5 は偶然にも以前の最大タイにもセットされておりました Whammy、今回はベース用ボードですので Whammy もベース用です。
色んな効果もDIVE BOMB で落とすのが個人的には好きです。
BOSS / SY-200 の GAME DUAL との相性がとてもナイスでレトロゲームの音楽をベースで演奏するというおもちゃ感覚も楽しめます。
飛び道具と言うか、気分転換と言うか、繰り返しのリズム練習も音色が違うと新しい感覚で楽しめますのでおすすめです。
接続順、組み合わせを試行錯誤するも最終的に EBS / Valve Drive DI がまとめてくれる、これだけの数も破綻することのないベースサウンドの要になっています。
いただいたご要望、テーマに沿っての準備、チェックで製作期間は一ヶ月越えと最長でしたがとても勉強になりました。本当に感謝しかありません。
Y.T 様よりご感想をいただけましたので、合わせて掲載させていただきます。
『私にとっては4台目の製作依頼ですので、何も心配はありませんでした。接続順や電源関係の基本的なことも含めてボード全体のデザインをお任せしました。希望はあらゆる音が出せる玉手箱、温かい芯のある丸い音を出したい、希望通りです。ありがとうございました。』
Y.T 様、製作のご依頼、本当にありがとうございました!
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せていますのでチェックしていただけると嬉しいです。
→Instagramはこちら
『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。