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基本もおさえた摩訶不思議なディレイ

ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

今回はボード製作のご依頼で楽器店時代に販売した “ DIG “ に再会! 掲載許可をいただいての写真で感無量です。K様、ありがとうございます!

さて、「エフェクターってやっぱりおもしろい!」そんな風に思わせてくれる激しくナイスなペダル、strymon / DIG をご紹介したいと思います。

この色といい、デザインといい、あまり多くの人が使っていないところもまたいい、ここ数年の中でもひっそりと隠れた名機なんじゃないかと勝手に思っています。 個人的にはFLINTの次に好きなエフェクターです。

とにかく遊べるディレイマシン

1980年代のラック型ディレイと strymon 流のモダンなディレイ。 これらを完全独立2系統のディレイとして一台にまとめたのが本機 DIG です。

簡単に書くと、ディレイにディレイをかけられる。 しかもシリーズ、パラレル、ピンポンとディレイを2台持っていてもちょっと面倒な繋ぎ方も、つまみの操作 (裏) 1つでできてしまいます。一瞬で。すごい。

strymonのこのサイズのペダルは、裏技というか隠しコマンドというか、つまみの表記に加えフットスイッチを2つ押しながらつまみを操作すると、まったく違う部分をいじれてしまいます。 実質コントロール、倍です。 倍と言っても DIG の場合は主にモードの切替が裏にいるという感じですね。

おそらくstrymon ラインナップの中でも DIG はこの裏操作を一番するんじゃないか!?

むしろこの裏操作を世に広めたいがためのぶっ飛びエフェクターなんじゃないか!?

と思ってしまうほどに変化が楽しいですし、一日遊んでも飽きない音色がつまっています。

初心者の方でも安心です

そんなややこしいモノ、大変なんじゃないか?わけわからん!と思われる方も多いと思います。

色々と多機能な DIG ですが、単体ディレイとしてもシンプルに使えます。 普通のディレイと操作感はちょっと異なりますが、程よい使い心地とも言えます。

裏コマンドは最初は使わなくても大丈夫ですし、慣れてきたら使ってみるくらいの感覚でいいと思うんです。なんと言っても音質の美しさはさすが strymon!って感じですしね。

はじめてのディレイにコレを選ぶ人はそうそういないと思いますが、はじめての人も熟練の人も楽しく使える、そんな懐の深いペダルです。

つまみの数が少ないのと、一般的なディレイのように ~mS (ミリセカンド)などの数字の表記もなく、ディレイタイムは ” TIME ” つまみでそのまま直感的に操作できます。 行き過ぎたら戻せばいいですし、色々組み合わせて試してみるとコーラスっぽい感じや、色々なバリエーションのリバーブだって作れます。

“ TIME 2 ”のつまみも、最初はくるっとしたマーク (ゴールデンレシオ) の場所ににしておくとだいたい気持ちいいです。

ダウンロードマニュアルのサンプルセッティング、” Dotted ‘80s “にするとテケテ.(テケテ…)、のウェルカム・トゥ・ザ・ジャングルです(リピートは微調整) 。普通のディレイに飽きたらピンポンディレイの摩訶不思議さも楽しめます。

寄り添うディレイ、迫り来るディレイ、あっちこっちいくディレイ、なんでしょうか、この感じ。 使い所が危うい感じにもなってきましたが、まぁ、そういう遊び方もアリです。

INPUT 端子は1つですが TRS ステレオ端子になっています。 パカッと開けてサクッと内部のジャンパー・スイッチを切り替えることでステレオ入力にも対応しています。(工場出荷時はモノラル)

魔の TAP スイッチ

TAPスイッチはそのままTAP。 フミフミっとするとそのタイミングでディレイタイムの設定が可能です。当然ながら、ディレイの便利操作はきっちりと搭載されています。

そしてこのTAPスイッチは、踏みっぱなし (ホールド) にするとリピートが繰り返し再生されます。 ここを延々と繰り返したいという演出や、飛び道具的な使用方法はもちろん、このリピート状態で TIME つまみを指で操作しだすともうその場を動けません。

獣の呻き声、エンジン音、DJ風スクラッチ音、謎のサイレン、など、TIME つまみの位置、動かすスピード、リピートを切るタイミングで実に様々な効果音がつくれます。

音で遊ぶ大人のおもちゃです。 妖怪人間ベムをイメージしながら、不穏な響きを夜な夜な遊ぶ、そんな使い方も楽しい、ディレイ・マジック、まさにマジック・ペダルですね。

前回の記事(⇒こちら)の限定色のカッターとほぼ同色なとこもナイス。

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

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