
札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
道路の雪もだいぶ溶けたので、この時期特有の脇目に雪を見ながら走る、というプチツーリングに行ってきたわけですが、気温一桁、雪が多めに残ってるところはちゃんともう一段階寒い、苦行のようでしたが気分転換にはなりました。
メルマガも気分転換でひとつ、今回はエフェクターを離れたお話を。
カポタスト。
名称が主に『カポ』と略される上に 2 カポ、5 カポなど、カポる位置の名称としても有効、なんて便利な言葉なんだと思ってみたもののそれ以外で表す方がムズい。今回はそんなカポにまつわるお話です。
私が楽器店で働き始めたのは 1999 年なんですが、その頃はちょうどアコースティック二人組が人気の時代でアコギとカポがトぶように売れておりました。
一番人気あったのが SHUBB CAPO です。これそのまんま読んでいいの?、略す位置大丈夫?と当時は思ったりしていましたが、とにかくよく売れており、カポとは縁のなかった当時の私もどういうわけか買っていました。
ゴム製の巻くタイプはいつか伸びる、クリップ式は硬くてデカくて避けたいという方も多く、微調整ができてワンタッチ、コンパクトな金属製のシャブは圧倒的な人気でちょっと高価ではあるけど、なくさなきゃ大丈夫という接客をしていました。
今現在も大定番、スタンダード・カポタストのひとつかと思います。
カポを選ぶ際は取付方法の違いもですが、指板の R で種類があるので使う楽器に合わせたモノにするのが重要です。
音に関わる部分でもあるカポもやはり進化していきます。
2004 年に新登場、これまたすごい売れたのが G7th CAPO でした。引き出しにしまってあった当時モノがこちらです。
洗練されたルックス、つるすべマットな触り続けても飽きない独特の質感。
握り込む力加減でネックの太さの違いによるフィット感を合わせられ、外す時はレバーひとつ、何の苦もない絶妙な使用感と柔軟性、さらには音も良い、というすんごいのが出てきたわけですね。カポラーに衝撃あり、という記憶があります。
私が楽器店を去ったのが 2016 年頃だったと思いますが、そこから約 10 年、カポもまたさらに進化しているわけですね。
特徴の違いを合わせてご紹介したいと思います。
SHUBB、Victor Capo がどっかいっ…、実家で待機しているはずと、まだ楽器店にいた頃、まず買い足したのがこちらです。
・D’Addario / PW-CP-10
クリップ式ですが、バネの力加減はバネ元のネジを回す、緩めるで調整が可能。
ネックの太さによって微調整ができますので太いネックの場合、緩めてあげれば圧がかかり過ぎることもない、硬過ぎず、緩過ぎず、均一に調整のできる使い勝手の良いタイプです。
現在は一部の楽器調整時などに使用していますが、経年変化でロゴの塗装浮きがでています。先の 2004 年製の G7th はまるで変化なしってのがすごい。
品番頭の PW はプラネットウェイブスの名残。
去年、白いのがいいなーと思い変えたのがこちらです。
・ERNIEBALL / AXIS CAPO – WHITE
クリップ式ですが、バネが強過ぎるわけでもないのでとりあえず自分の楽器には合ってるし、暗いステージでも白だと置いてある位置がすぐ発見できるので使い勝手も良い、ので白。
挟み込む向きを変えると FLAT、CURVED と、R が変わる、指板がゆるやかな R のアコースティックギターもフラットなエレキでもどっちもカポれる仕様になっており、画期的進化版カポです。
さりげないアーニーボール・マークもナイス。
先日、アレにしてカポの悩みがなくなりました、と長年メールのやりとりをさせていただいているお客様からご連絡をいただき、やっぱりアレだな、と急遽仕入れたのがこちらです。
・G7th / Performance 3 ART Capo
他のを使ってから戻るとやっぱり良いなーと再認識しました。
ピッチの安定感がまずありますが、解放弦の音のやわらかさ、弾いていて気持ちの良い音になる、窮屈感を感じない音が激しくナイスです。
元々小さいですが、比較すると薄くなってますね。
レバーのサイズも違いますし、外す時のレバーの解放向きは 2004 年のは下でしたが、現行品は上、地味な違いですが、現行品の方が使いやすいです。
バンドで 12F カポで演っている曲があり、カポ自体がデカいと弾きにくく、変なカラダのカタチで弾くという特殊事情をクリアできたのが個人的には激しくデカい。
持ってるのと同じ色にするのもアレだなーと黒にしてしまったのが視認性無視のうっかりミステイクでしたが、こういうケースもあるという感じで個人的カポタスト遍歴、というお話でした。
カポに悩んでいる方はちょっと高価ですが、なくさなければ半永久的に使えると思いますので G7th、おすすめですよ。
★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。
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『全都道府県に製作実績を』を今後の目標にしておりますので、日本全国よりご相談、製作のご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。