

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

先日、久々に大きな地震がありましたが、携帯から久々の地震警報が鳴ってそれにはびっくりしたものの、くるのか、とあらかじめわかっていると突然の大きな揺れがくるよりも案外冷静でいられる、という発見がありました。
さて、今回はスイッチャーのお話です。
横幅 483mm x 奥行 153mm とサイズ感もすごいのですが、大型エフェクターボードでエフェクターが複数、かつプログラムもビシビシしたい場合にはとくに使い勝手が良いスイッチャー、electro-harmonix / SUPER SWITCHER のお話を。
スイッチャーに関するお問い合わせも多いのでまずはスイッチャーとは、というお話です。
スイッチャーはエフェクターをスイッチャーのループ内に接続することでスイッチャー側でON/OFF 操作が可能になる、というものです。
エフェクターがボードの上側や奥、端っこにあってもシンプルに手前のスイッチャーで操作できるようになるダイレクトなモード、さらにプログラム対応のスイッチャーではプリセットを記憶させて複数の組み合わせをひとつのフットスイッチひと踏みで同時に複数個の切換も可能、と人間の足の本数的に瞬時にできない切換を可能にします。
ループ内に接続、というのはスイッチャーのセンドからエフェクターのインプット、エフェクターのアウトプットからスイッチャーのリターンに接続することを言います。
センド/リターンにはそれぞれ番号がふってあり、その個数がスイッチャーで制御可能なループ数、という感じですね。
このエレクトロハーモニクス、スーパースイッチャーは 6 モノ、2 ステレオ、8 ループと数字が並びますが、モノラル・ループが 6 個、ステレオ・ループが 2個、合計 8 個のループがある、ということです。
歪みやコンプなど、主にモノラルが多いものですが、ステレオ対応の空間系エフェクターがあればそのようにも接続可、ということですね。
ちなみにステレオループにはステレオ(L、R)で接続しなければならない、ということではありません。
ステレオ対応エフェクターをステレオ出力したい時は対応も可、という感じでステレオループにモノラル接続でも問題なしです。
スイッチャーには操作の利便性を格段に上げるほか、直列で複数個接続するよりもスイッチャーを介してあげた方が音質の劣化が少ないというメリットもあります。
デメリットはシールドの本数が増えるので重量もその分増える、スイッチャー分のスペースが必要になるのでボードが大きくなる、価格が比較的高め、です。
スイッチャーに関してはできることがたくさんあるので内容を絞るのが難しいですが、基本的にはセンドで送ってリターンに戻す、です。
・SEND 1 → (イン)エフェクター(アウト)→ RETURN 1
ループ内のエフェクターは基本常時 ON にしておきますので電池では厳しく、パワーサプライとセットがマストかと思います。
・SEND 2 → (イン)エフェクター(アウト)→ (イン)エフェクター(アウト)→ RETURN 2。
セットで使いたいエフェクターの場合はひとつのループの中にエフェクターを複数個入れることもできます。
その際、片側だけを使いたい場合はエフェクター本体側で ON/OFF する必要があります。
スイッチャーにチューナーアウトがある場合はそこからチューナーのインプットへ接続します。
フロアタイプのチューナー単体使用時と同様、スイッチャー側のミュートスイッチを押せば音が出ない状態でチューニングすることも可能です。
エレクトロハーモニクス、スーパースイッチャーにはループが 8 個あるのでループのフットスイッチも 8 個あります。
このフットスイッチ、ダイレクト時はループの番号に応じた個別の ON/OFF、プログラム時はプリセットの呼び出しスイッチとして機能します。
プリセットできる内容は、大元のバンク数が 16 個、1 バンクにつきプリセットが 8 個です。16 x 8 で合計 128 種類のプリセット(エフェクターの組み合わせ)を組むことができます。
1 ~ 16 のバンクはバンクアップ/ダウンスイッチでもちろん切換が必要ですが、バンク内で切換する必要はない、という点がサイズとスイッチ数ゆえのメリットです。
サイズとループの個数、バンク数、プリセット数は各スイッチャーごとにそれぞれ異なりますがたとえば小型スイッチャーで 5 ループ、1 バンクにつきプリセットは 10、という場合はフットスイッチが 5 個ですので表面上ですぐに切換できるのは 1~5 のプリセットまで、6~10 のプリセットはシフトスイッチを押してバンク内での切換が必要、というものもあります。
スイッチャーの選び方についてもお問い合わせいただくことがありますが、サイズ感とループ数、利便性、どこを優先的に取るかは仕様の細かい部分からご自身に適したご使用方法を照らし合わせていくと良いと思います。
electro-harmonix / SUPER SWITCHER にはループ 5 とループ 6 の間に常に ON の直列のループが存在します。
一般的なセパレートとは異なり、ここに何も接続しない場合はスルーされます。
使っても使わなくても良い部分ではありますが、ボリュームペダルをここに挟んだりすることでより便利に使えたりもします。
また、ここを使って 4 ケーブルメソッドでの接続ができる、というスイッチャーでもあります。
4 ケーブルメソッドについては書き出すと長くなりそうなので、今回は省略しますがやろうと思えばできるスイッチャー、という感じです。
その他、外部エフェクターのオプションにも対応しており、TAP やコントロールが2 つ、MIDI にも対応、とスイッチャーでの集中一括管理がフレキシブルに可能、という仕様になっています。
電源は 9V/150mA と消費電流も低めでパワーサプライにもやさしい、すごいスイッチャーです。
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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。『全都道府県に製作実績を』を目標にしておりますので、日本全国よりご相談、ご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。