
札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

一日に数回事故現場を見る、道路にバンパーが丸ごと落ちてるなど、妙に道路状況の悪い最近の札幌からです。
収納時、移動時、使用時。毎回適したカタチの変化を常に強要されるうえに、そこが室内だろうと屋外であろうとぶらさがりの先は基本的には床を這う。
時には踏まれ、時には引っ掛けられたりなんてことも起こりうる過酷な環境。
ライブ、スタジオはもちろん、ご自宅の練習でもアンプから音を出すには何かひとつ欠けても音は出ないわけですが、そんな中で音の命綱でありながら毎回そこそこ過酷な環境に強いられるモノ、それがシールドだと思うんです。
長い目で見ると消耗品ではありますが、日頃の使い方、たまのケアでその寿命、劣化具合、状態保持は変わっていきます。
ということで今回はよくよく考えると環境キツめなシールドはいたわって使う、が激しくおすすめです、というお話。
はじめに、音の通り道であるシールドは音質、対ノイズにも影響がある部分です。
どんなに良いシールドでも高価なシールドでも使い方を誤るとその寿命は縮みますし、なにより避けたいトラブルの原因にもなりやすい部分でもあります。
そこを避ける最初の一歩、シールドの取り扱いの基本は『8の字巻き』です。
まずはこの収納時の巻き方を徹底、マスターすると良いと思います。
8の字巻きのやり方、コツを文章にするにはなかなか難易度が高いのでアレなんですが、左手にプラグ手前のシールド部分を軽くかけて、右手で手前に輪っか、奥に輪っか、輪っかのサイズが同じになるように時計回りに重ねていくのですが、右手のシールド自体が自然とクルッとなる感じ、ケーブルにストレスがかかってないな、と思う力具合と流れ方を見つつの右手の親指と人差し指での回転補助的な動きがキモ、かと思っております。
この目的、メリットは使用時は変に絡まらず、丸まっているところから自然とスルスル伸びてくれるので使い勝手が良く、収納時は大きくなり過ぎずに収まってくれます。
いずれの場合もケーブルに余計な負荷をかけない巻き方のため、ねじれによる変な癖がつかない、断線のリスクも大幅に減ります。
余談ですが、短いケーブルが数本の場合はさほど収納に困らなくとも、PA 一式となるとかなりな長さと本数になります。
ぐちゃっとしてしまうと撤収時、持ってきたケースに収まらないなんてこともあります。
撤収時がきちんとしていると次回の設置時もスムーズにことが運びますので8の字巻きは激しく便利、場合によっては必須の重要スキルでもあります。
慣れたら比較的簡単ですので繰り返しやってみると良いと思います。

続いてシールドの部分的な場所、プラグです。
(画像のがちょっと特殊でアレですが、プラグは共通です。)
プラグの先端、細い棒状の部分は楽器のジャックとの接点になりますので、ここが汚れてしまうと諸々のトラブルの原因になってきます。
いかなる時も極力触れない、が良いです。
ライブ直後なんかはとくに指に脂や汗がついている場合もあると思います。
接点に水分は大敵ですので、プラグを抜いた後はそのまま8の字巻きで収納へ、すぐにはできなくともプラグの先端を床には絶対に触れさせないぞ、くらいに扱ってあげるのがおすすめです。
しばらく使っていなかったり、プラグの先端部分が明らかにくすんでいる場合は少量の無水アルコールで拭きあげてクリーニングするのもおすすめです。
プラグの先端が汚れたまんまだとそれを接続する側、ギターやベースのジャック、エフェクターのジャックの劣化にもつながりますのでたまに状態をチェックしてあげると良いです。

ケーブルのゴム部分、ここも汚れや静電気を帯びてくると音質劣化につながりますのでたまにクリーニングしてあげるとモヤっとしていた音がスッキリすることがあります。
たびたび忘れた頃に登場しておりますが、SCHECTER / CABLE BOMB がおすすめです。
形状はポリッシュですので、クロスにプシュッとしてスーッとシールドを拭いていくと良いです。
汚れがけっこうあるな、という場合はティッシュにプシュッとして拭くでも OK です。
野外の後なんかはより黒っぽい、茶色っぽい汚れが目立ってこんなになってたのか!?となることがあります。
シールドのみならず、マイクケーブル、電源ケーブルにも有効です。
無水エタノール、SCHECTER / CABLE BOMB もそこそこするな、という金額ですがそんなにすぐなくなる、というモノではありませんのでひとつあると便利です。
ライブ前の機材への心配事が多少和らぐ、精神衛生上良いモノでもあると思います。
無水エタノール、SCHECTER / CABLE BOMB はどちらもボード製作時の必須アイテムですのでここの効果はリアルに激しく大きい、と思っております。
エフェクターボードに必須の楽器間のシールド、電源ケーブルはエフェクターボード内に入るスペースがある場合は良いのですが、機材と蓋に挟まれてしまうような隙間などには入れない方が良いです。
理由はいろいろありますが、
・圧迫されない方が良い箇所の圧迫が起こることがある
・ケーブル自体がつぶれて痛む
・むき出しの金属、コンセント部分がエフェクターを傷つけてしまう
などです。
ケーブル類はギターやベースのケースのポケット、またはカバンなど別途収納が諸々安全です。

なんか他とは違う感じになっていい方法はないもんだろうか、とやっていた時期に見つけたひとつがケーブルスリーブです。
見た目の変化も大きいですが、それ以外にもメリットがあります。
・目立つので暗いステージでも見やすい
・主張が強いので踏まれにくくなる (と願う)
・汚れがつきにくくなる
これは想像ですが、素足で踏まれるより靴下履いた上から踏まれた方が若干痛くないように、シールド的にもハダカよりは踏まれたダメージがスリーブで多少和らぐのでは、と考えます。
ケーブルスリーブは直進性が強くなるので8の字巻きもしやすい、ってのもあります。ない時よりも多少大きくなりがちではありますが。
楽器も周辺機器もいたわって使う、が良いと思います。
トラブルは小さい積み重ねからくるものだと思いますが、トラブル回避のケアも小さい積み重ねで対処することで末永く使えるモノになるのだと思います。
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★ 2022年に製作させていただきましたギタリスト高橋 克 様のエフェクターボードを 「こちら祇園二丁目濱田製作所 様」にてご紹介いただきました。ありがとうございます。HELL NEAR EFFECT BOARD DESIGN 製のエフェクターボードの音がご本人様の演奏で聴けます。
★ 過去製作は Instagram に載せておりますのでチェックしていただけると嬉しいです。『全都道府県に製作実績を』を目標にしておりますので、日本全国よりご相談、ご依頼、心よりお待ちしております。フォローしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。