「スタジオ 5/3 19:30~20:30」といただいたメール、実際行ったら3時間でした。予想外!
ヘルニアエフェクトボードデザイン 根尾です。
前回、前々回と書いてきましたバイパス編、今回で一応締めくくりにしたいと思います。
バッファードバイパス、トゥルーバイパス、どっちが良いのか?というテーマがありましたが、その答えのひとつの選択肢としてご紹介したいペダルがこちら、「KLON KTR」です。
コレです。
ケンタウロスの呼び名で有名なKLON、CENTAUR(センター)の後継機種としてリリースされた KTR。賛否両論もろもろありますが私はかなり好きです。
アレ?と思った方、するどいです。
写真は私の私物なので地味にノブがCENTAURと同じタイプの「Daka-Ware」ノブになっています。
ノブ交換はもっとも手軽なカスタムなので、形状はもちろん色を変えるだけでもボードの色味の印象も変わりますので良いですよ。
で、なんで KTR かと言いますと、横のスイッチに注目してください。
スイッチの説明とは思えない微妙に長めな文章が記載されております。
Almost always better. ←
Almost always worse. →
直訳すると、
Almost always better. ← / ほとんど いつも より良い。左矢印
Almost always worse. → / ほとんど いつも 悪化する。右矢印
ですね。
なんのこっちゃ?という感じですが、実はこのスイッチ、バイパス方式をバッファードかトゥルーに切り替えることができるんです。
もっとも有名なエフェクターの1つとなったあのケンタウロスを製作、そしてこの KTR を開発したビル・フィネガンさんが、
「ホトンド イツモ ヨリヨイ」とした方がバッファードバイパス、
「ホトンド イツモ アッカスル」と言っているのはトゥルーバイパス、
になっています。
本来一目でわかりやすくするなら、
buffer. ←
True. →
で良いようなところにこの文章です。ものすごくこだわりのある人間に思うのは私だけではないはずです。
細部にわたってこだわる人はちょっと変わった方が多いかもしれませんが、このこだわりから生まれたのがケンタウロスなんだろうなーと妙に納得してしまいます。
「良いバッファーを装備したのなら、バッファードバイパスの方が良いよ」とおっしゃってるようにも思います。ビル・フィネガンさんは。
メーカー名もモデル名もつまみの役割もなんにも書いてないのに、筐体トップに文章を書いてるってとこもポイントです。
つまみの配置もなぜか斜めであり、文章の向きで置くとスイッチ奥にいっちゃうし、入出力は次のペダル無視みたいな感じだし、どの向きで使うんじゃ?とツッコミたくなるんですが、他とは明らかに違う感が魅力的だったりします。
で、この筐体トップの文章、よく見ると一列の中で一文字だけ色違うんですよね。(本当によ~く見ないと分からないくらいの薄いグレー!)
それを上から順につなげると “ K L O N ” になるっていう。まー、細部にわたってお見事って感じです。
ちなみにこの「KLON KTR」のバイパス切り替え回路のデザインは、一番初めのメールマガジンでご紹介した「Timmy」の製作者、ポールコクレーンさんによるものだそうです。(⇒記事はこちら)
繋がってますね。