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伝説のケンタウロスあらわる

こんにちわ、ヘルニアエフェクトボードデザインの根尾です。

1994年の完成から2009年の生産終了までに約8,000台製作されたというおそらく、世界でもっとも有名なエフェクター。

私は20年近く楽器店に勤めていましたが、実際に入荷してきたのは 2台のみ。銀色のショートテイル、しばらく時間を空けて銀色のノーピクチャー。

新品の現物はこの2台しか見たことがありませんでした。

当時、どのペダルよりも高価でどのペダルよりも足が速かった(すぐ売れた)ペダル。

あの頃、疑問だったことも今ならわかる、ものすごく貴重な体験ができました。頂点のペダルから原点を教わった気がします。

 

「金のセンターと銀のセンター」

「ケンタウロス」の名称で有名な KLON の CENTAUR です。※正式名称は「センター」と呼びます

今回、エフェクトボード製作のご依頼主様から、試してください!と送られてまいりました。しかもゴールドとシルバー。マジですか。

現行品の私の KTR と新旧センター、自分のところで自分の楽器で試せるという、こんなことあるのか?っていうくらいの幸運。

まー、すごかったです。本当、びっくりしました。

 

「すべてはつながっている」

このペダルの音がどうこう、とかは説明するまでもないと思うのですが、CENTAUR に関して一番思ったのはやはり、「アンプありき」です。

本領発揮のチューブアンプで出す音に足りない部分を補ってもらう、いや、補っていただく、だな。お願いします!って気持ちになりますもんね(笑)

そんな使い方が本当に素晴らしかったです。

CENTAUR 単体の歪みももちろん悪くはないのですが、おそらく期待しているような歪みとは種類が違うと思うんですよね。

それよりもアンプのナチュラルな歪みに少しCENTAURでレベルで足す(ゲインではなく)。

これがとにかく絶品、本当絶品でした。エフェクターとは本来、こうあるべきだったんじゃなかろうか?と考えてしまいました。

まずはアンプでサウンドメイキングし、エフェクターはゲインをひかえめにレベルを上げる。トレブルはお好みの量で。

上質なオーバードライブをブースターで使う場合はこんな感じがベストです。

単純につなぐだけでかっこいい音になる。これは完全にバッファー効果ですね。

バッファーがナイス、と言ってしまうとそれまでなんですが、他のどのペダルとも違う印象を与えてくるのは、おそらくこの筺体じゃないとダメなんだろうな、と。

製作者のビル・フィネガンさんのインタビューを昔読んだことがあります。

要約すると完全に同じサウンドを持つ後継機、同じサウンドで小型化できた、とおっしゃっておりましたが、CENTAUR と KTR 、比較すると違いました。

キャラクターは確かに似ている印象の部分もありましたが、やっぱり違う。

そりゃそうですよね。パーフェクトに同じにはなるわけがないと思います。

あのズシッとくる重みのある大きめのボディ、裏パネル、大きい2本のネジ、金属の質量が全然違いますもんね。影響は大だと思います。

楽器店時代、触るものみな試奏した経験、今ここでケンタウロスに再会できて本当に嬉しかったです。贅沢な一週間。

最後に KLON CENTAUR の見分け方を描いてみました。

ロングテールが初期、続いてショートテール、最後がノーピクチャーです。ショートテールの方が尻尾的に長いように見えるのですが、毛の長さなのか。

 

■根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザインはこちら

 

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