こんにちわ、ヘルニアエフェクトボードデザインの根尾です。
すっかり年末ですね。いかがお過ごしでしょうか。
今年は大きな地震があったり、同じ市内で爆発事故があったりと、今までにないようなニュースもありましたが、その度に「無事ですか?」というメールや励ましをいただき、人とのつながりが本当にありがたい、そんな年でもありました。みなさま、今年一年、本当にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
「正規店じゃないところで販売しているものは、たとえそれが本物であっても偽物とみなす」
これは昔読んだインタビュー記事で、アメリカのあるブランドの創始者のお言葉です。自ら創ったものに対するプライド、ものづくりのプライド、こだわり、これに尽きると思いました。
先日、コピー製品を弾いて本物との違いを教えてください、というご依頼がありました。
あるエフェクターのコピー商品、本物との違い…。
回路をマネたところで同じ音にはならない、それがエフェクターの不思議でもあります。同じ製品を並べて比較してもまったく同じ音にならないことの方が多いくらいですからね。
ただ、印象。この印象の違いは本物とコピー商品の差、歴然かと思います。
ある製品を参考にしてオリジナルで製作した、ということであれば何も言いませんが、まるまるコピーしたモノは正直苦手です。
違いをあげよという事ですので、音に大きく影響する部分である筺体、まずコレです。
回路や基板、配線材、パーツを同じにしても筺体が違えば音も変わります。エンジンはフェラーリでも外見や足まわりは軽自動車、…これは違いますよね。
一般的によく触れるモノでたとえると「そりゃそうだ!」とご納得いただけることも、エフェクター業界ではなぜか「同じである、まったく同じだ!アンビリーバボー!」などと書かれてたりすることもあります。
この筺体について、歴史に残るエフェクターってどれも特徴あるものが多いのではないか?と思います。
先週の KLON の CENTAUR もそうですし、
エレハモのなんかもそうですよね。
板曲げて製作されていた独特のボディも、やっぱアレじゃないとダメなんだろうと思います。
大きい筺体なのに中身はスッカスカ、バイクで例えるならスカチューン。これもまた乗り心地変わりますよね。忠実に再現するならこうじゃないといけない、っていう。
ファズフェイスもこれまでにいろいろなコピー品を見る機会がありましたが、ファズはファズでもなんか違う。やっぱあれはズシッと丸くないとダメなんじゃないかと。
最近だと私の好きな VEMURAM の Jan Ray もそうですね。これは一見、ケースに見えますがブラスの板を曲げて製作されています。
細部の仕上げを見るだけでもう並々ならぬこだわりが外見にもでちゃってる。こういう製品の中身は外見以上にこだわりがあるのだろうと容易に想像できます。
現に、コレに似たモノってペダルではないんじゃないかと思います。感触が独特、というか圧倒的にいい音色だなーと思います。
他にもパーツそれぞれの持つ数値や質量、劣化具合、ハンダののり方、ハンダした時の気温など、いろいろな要素がつみ重なって1つの製品になると思うのですが、その過程のわずかな違いがたとえ同じ製品でも若干の違いとなって完成するんだと思っています。
同一製品による個体差についてもたまに聞かれますが、たとえば好きなギタリストもライブごとにフレーズのニュアンス違ったりしますよね。キャラクターは同じでもちょっとニュアンスが違う、同一製品の違いとはそんな感じなんじゃないか、と思います。大元の印象は同じな感じ。
なんか書きたいことがずれてきてしまいました。
結局、まったく同じ音にはどうやってもならない、というのが私の持論です。
数年前からネット記事では見ておりましたが、あるエフェクターを筺体をも忠実に再現した、というのがここ最近ようやく日本に入ってきているみたいですね。
ここまでやるか!?というモノ、これはこれで過去にない類なので参考までに触れてみたいです。
ちょっと、いや。かなーり気になっています。
それではみなさま。よいお年を!