こんにちわ、ヘルニアエフェクトボードデザインの根尾です。
今回は 5 年前の発売当初から気になっていた、なんとも言えない謎に包まれた感の強い、でも実はシンプルなエフェクターについて書いていこうと思います。
メーカー説明文や販売店のキャプションを見ても謎は深まるばかり…、なんじゃないかなーと思うのですが、その辺は難しく考えず触って使って良ければそれで良し、です。
一言で言うなら『ちょっと変わったプリアンプ的に使えてファズ風もいけるペダル』、コレですね。
JHS Pedals の COLOUR BOX です。
ヴィンテージの Neve コンソールの回路を元に 100% アナログでサウンドを再現…。
この商品の説明、説明書含め、多くのはじまりはこんな出だしです。
なぜにペダルで?っていうかコンソールってなに?で、なんでペダル?っていうかコン…っていう無限の疑問ループになると思うんですが、ざっくり説明します。
世界中のレコーディングスタジオに置かれていた Neve 社のミキシングコンソールの回路。
これを最先端のデジタルモデリングではなく 100% ガチガチのアナログ回路で再現。
しかもコンパクトエフェクターサイズにしちゃったよ、クレイジーだろ?
多くの出だし文に解説を付け足すとこういう内容になると思います。
これはギターアンプを使わずにコンソールに直接さしてレコーディングする『ダイレクト・イン』という手法があり、その方法で録られた音源が世の中に実はたくさんあるわけで、その音を再現する、という過去にないなんともマニアックで斬新なペダルになるわけですね。
このダイレクト・イン、おそらくもっとも有名な曲のイントロを文字にするとこんなです。
ヴィビビ! ヴヴヴ! ヴヴヴ! ヴヴヴ!、 ヴィビビ! ヴヴヴ! ヴヴヴ! ヴヴヴ!
濁点と ”!” マークを多用しないと表せる気がしない、フレーズもサウンドもインパクト大のザ・ビートルズのレヴォリューションですね。
私は小学生の時、楽器を演奏する以前の時に初めて聴いたわけですが、その時から記憶にある印象的で強烈な音でした。
この曲をリアルに再現するために導入するにはちょっとマニアック過ぎるかもしれません。
そこでミキシングコンソールの再現という部分、つまりこのペダルのつまみ部分に注目です。
このペダルは 18V でしか駆動しないのですが、その分イコライザーの効きが良いわけです。
最初の画像を見てください。
私の好きなアンプの多くはどういうわけかVOLUME と TONE しかないんですよね。
そこでこの COLOUR BOX の青いつまみ、TREBLE、MIDDLE、BASS を追加し、プリアンプ的な役割を担ってもらう、という使い方が激しく、激しくナイスなんです。
赤いつまみは MASTER がレベル調整、PRE-VOL はゲイン(ドライブ)調整、STEP はゲインレベルを 5 段階で切り替え可能、ファズ的な音はここと PRE-VOL で作るので PRE-VOL を上げなければそんなに歪みません。
グレーのつまみはハイパス。
その名のとおりハイをパス、高域を通過させるものでここのつまみの位置でトーンが変化します。なかなか面白い感じになります。
トグルスイッチはハイパスを使うかどうかの ON/OFF です。
プリアンプ的なペダルとしてプラスすると、とても優秀な 3 BAND EQ がつまみの少ないじゃじゃ馬アンプに追加されます。
それまでは TONE つまみ1つで良いところを狙っていたところ、トレブル、ミドル、ベースを個別でいじれるようになる。
そんなアンプになってくれるわけですね。
入力端子の形状がエフェクターにしてはちょっと変わってます。
コレ、ギターに限らずマイクもベースもキーボードもアコースティックギターもいける、フォンもキャノンもさせる端子なんですよね。
このペダルが楽器全般に対応しているためです。
いろいろできる商品っていっぱいありますけど、説明がややこしかったり分かりにくかったりするモノって少なくないと思うんですよね。
この COLOUR BOX は特にそんな印象なんです。
機能的にそこまではいらんなーと選択肢から外すよりも、気になる部分があるならとりあえず使ってみる。
やってみたいことが増えて必要になったら調べて使う、くらいの心構えがちょうどいいんじゃないかな、と思ってます。
できることが多い、っていうのは悪い事ではないと思いますんで。
で、この COLOUR BOX、説明文は極めてややこしいのですが、機能はいたってシンプルなんです。
そしてマジに良いんですよね。
デジタルにはない雰囲気のある音色。この音色は魅力です。
そしてボディ色が黒、白と存在する謎感。
あとハンドペイントのもありましたね。
その辺も謎を深めるアレですが、コレ、本当に良いペダルだなーと思います。