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ロゴを生かすとねじれもなくなる

札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

最近、わりと近くのスーパーでグロールシュっていう妙なビールを発見しました。

初めて見たので開け方どうなの?と思いましたが、見たまんまこうかな?とやるとなんと簡単。これはもしやキャンプ時にスキットルとしていけるんでないか?

洗ってもビールの匂いはまだあるものの、ジェムソン入れてうっすらなカスクメイツ感となればそれはそれでアリ。今からちょっと楽しみです。

さて、今回はパッチケーブル製作の注意点、ひいてはシールド全般の製作にあたっての注意点にもなりますので、そんなところをぽそっと書いていこうと思います。

エフェクターボード内でのロゴ見せ行為

言わなければほぼ気づかれない部分なのですが、製作当初からエフェクターボード内のパッチケーブルは、設置した状態でケーブルのロゴや文字が真上から見えるように製作しています。

エレクトリックな楽器として音を出すには必ず必要で、これがなければアンプから音が出ないのがシールド系の皆様です。スタジオやライブでは、電源並みに必需品の類に入るモノですよね。

そんな大事な部分なのに「ただ繋がって音が出りゃいい」となるのは失礼かと。

あ、これは僕個人の意見ですよ。

ワシらにも多少の主張があっていいんじゃねーの、おぅ?そういう声を実はケーブルの皆様が持っているかどうかはアレとして、自分が作る場合、市販の既製品、完成品を使用するわけではないので、その辺の個がもつ顔を全部見えるように敬意を払ってきっちり統一して作ったらよりいいんじゃないか、とこっそりやっているわけです。

使用している熱収縮チューブにもロゴが入っているので、当然シールドのロゴと同じ向き、同じ位置に合わせてゆっくりヒートガンです。

パッチケーブルは大きいボードやスイッチャーがあったりすると結構な量になります。

見えない部分こそ時間をかけてますが、見える部分を綺麗に仕上げるのは当然なので、統一させた一体感、全体でひとつの統一感を出す、その一目で飛び込んでくる情報ってのがパッと見でも綺麗!ってなるエフェクターボードなんじゃないかなーと思います。

なかなか言いたい部分の画像がなかったのですが、過去製作からこんな感じです、っていう図。

見た目がよければ中身にも良い

で、この製作方法の中でこれまで言ったことがない部分が今回のメイン情報となるはずです。脱線しなければ。逆にオーディオ界では常識的なことなのかもしれませんが。

ちょうどなくなってしまって現在ほぼ裸ん坊状態ですが、パッチケーブルは巻きのを使っています。

ここから必要な長さを合わせて切ってプラグをハンダして製作していくわけです。

ケーブルドラムには整然と巻かれているのでケーブルの巻きグセは比較的素直です。

途中、なんかねじれてんなーって時は必要な長さで切った後にねじれをとってあげると良いです。これは新品の弦と一緒の感覚ですね。素直が一番。

余談ですが、弦を張った後に伸ばして慣らす、STRETCHAというアイテムがあります。通常、弦交換後に使う便利アイテムですが、トラブルチェックアイテムとしても有効です。

チューニングが安定しない、と持ち込まれた楽器はこれでまず試すとだいたい弦がねじれたままです。きちんとクセがとれているとスー、スーっと流れていきますが、ねじれてるとヨラヨラヨラー!っていう波が伝わってきます。

おぉ危ない脱線、写真まで撮ってしまった。

はい、あとは切った後、というのもポイントです。

ロールで長いまんまクセとろうとすると後に差し支えることがあります。

公園のブランコの吊り部分が誰かのイタズラでねじれてることがあると思います。なおしてもねじれが上にいってしまうだけでツラくなる、そんな時のイメージです。僕の場合。

ロゴを見せる、ということはプラグの芯線をハンダする時の向きで決まります。

その向きを合わせるので、パッチケーブルの処理の向きも同じになります。ここは必ず、向きを合わせてハンダしなくてはなりません。

ツメで固定するタイプのプラグで無理に合わせてかしめるのはダメです。そこに負荷がかかってしまいます。

向きが同じになると中の線材の流れも自然になります。

ここが自然になるとどうなるかと言うと、無理矢理抑えつけることなくボード内でも暴れず、最小限の流れで自然に納まってくれます。音の通り道もストレスレスであってほしいってことですね。

考えられる負荷は最初からなくしとく

逆にここが自然じゃないと変に膨らんだり、別方向に行きたい感が出てケーブルから暴れたい様子が伺えます。市販のパッチケーブルの多くはプラグの向きが揃っています。それをクランクで接続すると膨らみますよね。あの感じです。

クランクは最初からクランクの向きで作らないとダメです。

ちょっと昔のウォークマンっぽくなりましたがここで念のため、クランクについて。

色は過剰ですが上が通常のパッチ、下の陽気な感じに見えるのがクランクのパッチですね。片側のプラグの向きの違いです。

通常のパッチをクランクの向きでつなぐとねじれてケーブル部分が持ち上がります。

逆にクランクを通常の向きでつないでも同じことが起こります。

具体的にどういう時に必要かというと、隣りあうエフェクターのジャックが両方横にある場合は通常パッチでOKです。

筐体の横アウト、次にくるのが上インプットの場合にはクランクパッチです。

余談ですが市販品では Providence / P203 シリーズにクランクのラインナップがあります。楽器店時代、これはなんですか?とよく聞かれたものです。

この別方向に行きたい感の力、これは長い目で見るとケーブルに対する負荷になってしまいますので、避けたい部分です。

最初は良くても負荷が溜まりに溜まると方向性の違いと言ってケーブルもキレますからね。人間と同じです。

私はここなんだ、という感じでパッチケーブルを製作すると自然とボード面にペタッと寄り添う感じになるんですよね。

最初から末長く、気持ち良く過ごせる環境をつくってあげるとみんなハッピーです。

自作される場合はロゴを見える位置に合わせなくてはならない、ということではなく、そこを目安に2つのプラグをハンダづけすると楽器間のシールドも同様に中の芯線たちがねじれないようにつくれますので変な負荷がかからず、故障が起こりにくく仕上げることができますよ。

そんな話。

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

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