ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
小さい木材の角を落とすのにひたすら紙やすりでジュワッコジュワッコしてたら指に水ぶくれができていました。なんとひ弱な皮膚。
さて、今回は最近の製作からご紹介したいと思います。東京都の Y.T 様のエフェクターボードを製作させていただきました。
メルマガの単独ネタにしたこともあるほど私には身近というか、ボード製作とセットと言っても過言ではない「かさ上げ」。
今回はご依頼主様より「かさ上げは可能な限りしないでほしい」というご要望があったため、やむを得ない場合を除いてはかさ上げはなしの製作です。
ピタピタなサイズのボードにかさ上げなし、余ったコードの隠し場所はない全部を見せる製作。逆に燃える新鮮なテーマで挑みました。
仕上がりはこんな感じです。
左サイドから
続いて右サイド
かさ上げ、なしです。
このBOSSのスイッチャー、すごいんですよね。
「ループストラクチャー」という設定画面でどこのループに接続していてもループ内にいるペダルは接続の順番が簡単に入れ替えられます。
「今日はワウ→歪み」「この曲は歪み→ワウにしよ」ってな感じでかかる順番の変更を少ないボタンの操作で可能です。すごい。
通常扱いやすい順番にしているので狙いを変えたい時に順番を入れ替えてみる、という内容で製作しています。
さらにすごいのがキャリーオーバー機能です。
メモリーのパッチ切り替え時、空間系などの残響音はバツっと切れるのがこれまでのスイッチャーでしたが、これは変更前のパッチ、変更先のパッチ、同じペダルの両方にキャリーオーバー設定しておくと切り替えても残響音が残せます。
これも少ないボタンの操作で可能です。マジすごい。
■ ベース
↓
・FREE THE TONE / JB-21 (ジャンクションボックス)
↓
■ BOSS / ES-8 (スイッチャー)
・LOOP 1 : EBS / MULTI COMP (コンプレッサー)
・LOOP 2 : BOSS / SY-1 Synthesizer (シンセサイザー)
・LOOP 3 : BOSS / OC-3 SUPER Octave (オクターバー)
・LOOP 4 : BOSS / AW-3 Dynamic Wah (オートワウ)
・LOOP 5 : MAD PROFESSOR / Blueberry Bass OD (オーバードライブ)
・LOOP 6 : BOSS / CEB-3 Bass Chorus (コーラス)
・LOOP 7 : ZOOM / MS-60B (ベースマルチ : ディレイとして)
・LOOP 8 : tc electronic / HALL OF FAME 2 (リバーブ)
・TUNER : BOSS / TU-3 Chromatic Tuner (チューナー)
・VOL : BOSS / FV-30H (ボリュームペダル)
↓
・MXR / bass d.i.+ (プリアンプ)
↓
・FREE THE TONE / JB-21 (ジャンクションボックス)
↓
■ アンプ
ほぼスイッチャーで統括というシンプルな接続順になっています。楽器は右側からつなぎたい、というご希望もあり、ジャンクションボックスは縦置きです。
上から順番に電源ケーブル、アンプ、ベース、と接続するケーブル類は右側からまとめて出せるようになっています。
パワーサプライは strymon / Zuma R300 & Ojai R30。私の大型ボード製作時では定番の組み合わせになっています。
配置や位置によるノイズの心配がほぼないサプライなので本当に助かっています。
いつもはかさ上げした Zuma R300 の下に Ojai R30 を置くので、目に見えてこの2つが並ぶ製作は初めてです。今回はかさ上げなしですからね。これもまた新鮮。
EBS / MULTI COMP は12Vで供給。こういう選択肢があるのもstrymonマジヤバいな、となります。専用のACアダプターが必要ないというのは軽量化にもつながりますしね。
さらにここでも BOSS / ES-8 はすごいと言いたいのが、9V / 400mA で動くという点。スイッチャーは 12V だったり消費電流も多かったりするのですが、それがない。ボード全体を考えた時のスイッチャーの選択肢として結構重要な部分だと思うんですよね。
DCケーブルはすべて FREE THE TONE / CP-416DC を使用しています。高さを出せないので平置きで流しています。
これまでの製作を細かいところまでチェックしていただいており嬉しい限りなのですが、打ち合わせ時に「ぜひつけてください」というちょっとしたボード外側の装飾。
これに加えて中にもなにかできませんか?ということで製作中ずっと考えていたわけですが、ボード完成後にボードサイン、というモノ(私が勝手にそう呼んでいる)を作ってみました。
ピックの色は3色あります。ベース部分は栗の木、山桜の木、松の木の3種類で製作。今後、ご希望があればボード製作時にプレゼントしまーす、というモノです。
木に種類があるのはかさ上げ材の端材を使用しているためです。
裏も製作時に出る端材のマジックテープを使っているので、固定が強く好きな場所に移動も可能です。
余談ですが、このHNEBDピックは先日ケンケンさんの動画にもご出演されていた「謎の男」でめちゃくちゃ笑ってしまいましたが、はるか昔からお世話になっているLuke Fujiwara さんのところにお願いして作っていただいています。
(藤原さん、いつもありがとうございます!)
今回は実際にお会いしての打ち合わせ、完成後の内容説明もできて、かっこいい!とご満足いただけました。感謝しかありません。
Y.T 様、製作のご依頼、本当にありがとうございました!