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エフェクトボードで少数精鋭をつくるには

ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。

先日、積丹(しゃこたん)っていう札幌からやや遠くの海に行ったのですが、あまりの暑さに砂浜の流木から煙があがっていて、おぉマジか!?ってなりました。

別の地域に住んでみるとよくわかるのですが、北海道の地名って「え、本当にあってるの?」ってのが多い気がします。北海道在住の私がそう思うので別の地域から来た方には、おぉマジか!?って地名に溢れてるんじゃないかと。

濁点多めな『濃昼』(ごきびる)とか、一般的に読むと(あそう)と読む麻生は(あさぶ)だったり、あざぶって呼ぶ人もいてどっちなんだ?って私もいまだに疑問だったりしますが。

で、素朴な疑問、と言いますか。メールでいただいたり、打ち合わせ中にポロッとお客様がこぼす言葉。ちょっとした会話の中でも、後から振り返るとここにけっこう『あー、なるほど』って思うことがあったりするんですよね。

今日はそんな中からひとつ。

Q : 減らす基準ってありますか?
A : なかったらヤダな、ってなるかどうかですね。

少数精鋭をつくる

当然、これはエフェクターボード製作前の打ち合わせでのお話ですが、

・コンパクトで軽くしたい

このご要望は不動のNo.1です。ほぼ必ず最初の段階でお聞きする言葉です。

たしかにそうですよね、逆に言うと、

・巨大で重くしたい

ですから、最初っからこんな人はいません。結果、そうなってしまうことがあるだけです。

そこで、軽くするにはどうすればいいか、ということが見出しにつながるわけです。

物理的に軽くする

金属のエフェクターがたくさんあると当然重くなります。

見逃してはいけないのが他の金属、プラグですね。エフェクターとプラグはセットで使うモノ、というよりセットじゃないと使えないモノですので、エフェクターが多くなるとプラグの重量も同時に加算されていきます。

実際、きちんと重さを計るとボード内のパッチケーブル総重量の方がエフェクター1、2個と比べても重い、という現象も起こりうるわけです。恐ろしいですね、ホラーですね。

で、ここでまず軽くできるものがあるかどうか、が1つです。役割が一緒で重くなりがちなモノ。

まずはパワーサプライかな、と。

最近は軽いのも多いですが、お使いのモノが重くて大きいのぅ…、と感じている場合はパワーサプライを見直してみる、というのが第一歩です。

現在も世界的に多く目にするVooDoo Lab / PEDAL POWER 2 PLUSはかなり重い部類に入りますが、コレは音質的にも性能的にも優れているのでコレをお使いの場合、ここは候補に入れてはいけません。軽くする目的のために音質を妥協するのは絶対にダメです。

パワーサプライをお持ちでない場合、いつかボードを組んでみたい、という場合、軽くてコンパクト、ノイズも少なく音質も良いstrymonのパワーサプライがボード製作時はとくに、圧倒的に『コンパクトで軽量』という条件では有利になります。

電池という手もありますが、ボードは主にパワーサプライです。

電気を使用して使うのがエフェクターですので、すべてにおいてとても重要になってくるのが言わずもがな、パワーサプライです。ここの選択は長い目で見ても激しく重要になってきます。

コーヒー好きな方がグラインダーやミルに一番お金をかけるのと似ている部分だと思います。良い味、良い音、確実に投資をおすすめできて、効果が大きくでるところはここです。

数を絞るには

ワウや空間系、それじゃないとできない、欲しい効果が得られない、というエフェクターは当然抜きようがないのですが、ボード組み込み時に多くなりがちなのは歪み系だと思います。

スイッチャーがある場合はともかく、直列の場合、3個以上歪みが並ぶとノイズが気になってくることもしばしばです。

ここが最初に書いたQ&Aにあたりますが、数を絞るには、

・一回抜いてみる

これです。

その時になきゃヤダな、となるかどうか。なきゃヤダな、な時は抜いてはいけません。減らしても意外に他のセッティングと組み合わせでイケんじゃん、となった場合は抜きましょう。迷わず抜きましょう。

数とノイズ

数が増えるとエフェクターが本来持っているノイズ成分(単体使用時のノイズ)が増えることはあっても極端に減ることはありません。とにかくノイズを減らしたい場合はノイズサプレッサー的なモノが必要になります。

ただ、綺麗に配置、最低限の長さのパッチケーブル、取り回しの仕方でなるべく増えないように、抑えることはできます。

これを学校にたとえると、パワーサプライは恐いけどいい先生です。お前ら、静かにしろよー、と常に厳しく男女問わず接してきます。

男女はアナログ、デジタル(どっちがどっちってことないです)、さらに細かく言うと男女問わず、ってのは完全アイソレートってことです。

教室に生徒が5、6人。生徒はエフェクターですね。

そんな環境でおっかない担任の先生が静かにしろやー、と凄んでくるとだいぶ静かになりますよね。あ、教室はエフェクターボードですよ。

こんな状況下では素でうるさい生徒も多少は大人しくなりますよね。素でうるさい、これがノイズにあたります。良いパワーサプライというのはこういうノイズがのりにくいものです。

でも、素でうるさい生徒も『はいっ!』と発言する時(ON時)はきちんと生徒の個性を生かせる環境、そんなナイスな教育現場が良いエフェクターボードかな、と思います。

で、パッチケーブルやDCケーブルは通学路みたいなもんです。

最短で綺麗な舗装がされている道と砂利道じゃ違いますよね。砂利道はそれはそれで味があっていい場合もありますが。

これがですね、生徒がたくさんいて、静かにしろと言われたところでタコ足でいろんな種類の電源とってたりすると、お前どこ中よ?とか、あいつ担任じゃねーしな、ってな生徒もでてくるわけで、ケンカになったり、常時うるさかったり、なんとなくなノイズどころか得体の知れない巨大なノイズが突発的に発生したりするわけですね。

まぁ、イメージはそんな感じです。

抜いたら終わりか

そんなことはありません。

少数精鋭からは外れても一時的な転校みたいなもので、他の場所では上手くいく、メインとなりうる、気に入って買ったモノでしょうから、そんなこともあると思います。

単体で自宅用として使うとか、サブボードで使ってみるとか、やっぱいいなコレ、という発見があったらメインボードでも入れ換えて使うとか、なにはともあれ自由な世界ですので、規律ある教室が1つあれば他はけっこうなんでもありです。

記事の着地が外れるのは毎度のことですが、打ち合わせなんかではまぁ、こんな感じでお話させていただいております。

根尾悠のヘルニアエフェクトボードデザイン

 

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