札幌のエフェクターボード製作屋、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
カレーをお箸で食べるってのはなかなか難しいものですね…。
さて、今回はよくいただくお問い合わせシリーズです。
音質とクオリティの選択肢はこんな感じだよ、という僕個人の考え方です。
Q : マルチとコンパクト、どっちがいいの?
「マルチにはほとんどの種類のエフェクターが入ってるんだからマルチでいいんじゃないかと思うのですが、なんでボードのはコンパクトをわざわざ並べているのですか???」
こんな感じでお問い合わせをいただく時、僕はこう答えています。
A : カレー、なんじゃないですかね。
なんのこっちゃを説明していきます。
レトルトカレーって言うんですかね。薬局なんかでも売っている私がキャンプで食べるヤツ。ごはんを炊いている飯盒の上に乗っけておけば重しにもなり、炊ける頃には勝手にあったまってくれて、あとはかけるだけ。
なんて便利な時代。あとはナッツとお酒があれば私は満足です。あるものでなんとかする、のが私の好きなキャンプですね…。(毎回これのくせにスプーン忘れるとかマジないわ…)
そんなナイスなレトルトカレー。これがエフェクターで言うとマルチ・エフェクターです。手軽で便利なモノには間違いない。
カレーのパウチに入っているものは、すでに入っちゃっているので選べません。あらかじめ好みと辛さはパッケージの情報から判断するしかありません。
具の内容に好き嫌いがある場合、好きはいいのですが、嫌いは残す、という選択肢です。
マルチも「自分には今のところ必要ないな」というエフェクターも入ってると思います。
そこは使わないでいいですし、好みが変わってくると使ってもいい。カレーで言うなら、食べられるようになった、みたいなもんです。
値段によってクオリティが上がっていくと言うのもレトルトカレーと一緒ですね。たまに調子こいて奮発してハズレ引くこともありますが、その辺もなきにしもあらず。
ただこれはマルチとコンパクト、どっちにもあてはまります。
で、なんでボードはコンパクトを並べているのか?というところです。
これは自分好みのカレーを作る、という作業になります。
たとえば玉ねぎをコーラスとするなら「どの玉ねぎを選ぼうか?」と。富良野の玉ねぎにしよう、いや札幌黄玉ねぎも捨てがたい。
同じくにんじんがディレイなら「どこのにんじんにしようか?どのくらいのサイズで切ろうか?」など。
レトルトにも玉ねぎやにんじんは入ってはいますが、産地やサイズまで選べる選択肢はあまりありません。
メインはビーフなのか、ポークなのか、チキンなのか。
オーバードライブ、ディストーション、ファズ、歪み系と言ってもカレーと同様に色々選べますよね。
ご飯を隔てて種類の違うカレーが分けられているハイブリッドなカレーも、同時に使わない感、混ぜて使っても(食べても)いい感がでています。
たとえば同じ牛肉でも松坂牛、飛騨牛、白老牛など、そして部位は一体どこなのか、同じメーカーでもバリエーションがあって選択肢のキリがないあたり、価格に幅があるのも昨今の歪み系エフェクター事情と似ています。
で、嫌いなモノは避けて、食材を揃えたところで調理器具も必要だ、と。
ボードは完全に鍋ですね。
100均の鍋でも作れないことないかもですが、厚手のしっかりした鍋の方が安心感あります。
パワーサプライが火です。同じ火でも、ススが付くか付かないかっていう火力源の選択肢。ノイズがのりやすい、のりにくいみたいなものですね。
本当に1から作るにはいろいろ必要になってしまうのがカレー。ただじっくりコトコト作っていくことに楽しい過程があるのもカレー。マッチングを間違うとあら?という味になるのもカレー。
すなわちコレがエフェクターボード、というモノなんじゃないかと思っています。
こだわりの自分好みをつくるために成功や失敗を繰り返し、突き詰めた究極のカレーを作りたいっていう場合は、コンパクトの方が選択肢は多いんじゃないかしら、ってことです。