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意外と知らないフレットタングのすごい役割!

「か~」ってなんだいや!

地元の方言で「か~」という言葉があるんですけど、「へ~そうなんだ~」という時に使います。「かー!」だと「へー!まじか!!」って感じです。

こんにちは、東京で出会った鳥取県民には方言を使うか迷ってしまう、リペアショップ小岩funk河田健太です。

「クサビの役割をするスタッド」

前回はフレットのクラウン部分の事を書きましたので、今回は指板に埋まっている箇所、キノコの柄の部分「タング」のことを書きます。

前回の記事「自分に合ったフレットサイズの選び方」はこちら

まぁこの部分はプレイヤーの人はあまり触れる事もないし、さして注目される事もないので「ふーん、そうなんだ~」くらいに思ってもらえたらなぁと思います!

タングには「スタッド」と呼ばれるクサビが付いていて、ちょっとやそっとでは抜けないようになっています。

この赤マルの部分ですね。

手元にその手のフレットがなく、画像でお見せできないのが残念なんですが、古いギターのフレットを抜くとスタッドがなく、手作業によってタング部分をグシャっと折り曲げて抜けにくくしているものがあります。

まだ、そういう加工技術がなかったのでしょう。ノスタルジックな気持ちになります。

 

「フレット打ちに重要な0.1mmの世界」

普段は注目されにくいタングですが、実はこんな所にも種類があるんです!

画像は日本のフレットメーカー、三晃製作所のフレット仕様図なんですが、太さに違いがあるのが分かりますか?

0.5mm0.6mmになっていますね。

またたったの0.1mmの違いかいな!!と思われるかもしれませんが、ここが結構重要なんです。

フレットも何度も打ち替えると溝が広がってきたりしますし、メーカーによって指板の溝の幅が若干違ったりするのでそこに合わせないとダメなんですね。

溝の幅とタングの幅を合わせるのは、フレット打ちにはかなり重要です。

タングの方が小さいと抜けやすくなって、フレット浮きの原因になったりしますし、タングの方が太すぎると打ち込みづらく、綺麗に打てなかったりします。

 

「逆反り作戦で修理もできる!?」

それにギターのフレットの数は2124本程度になりますので、0.1mm×22だとしても2mm以上の違いになりますね。

ということは!?

0.5mmの溝に0.6mmのタングを打ち込むと、指板側に2mm以上の広がる力が掛かかる事になるので逆反りしてしまうんですね。

これは普通のギターにはNGなんですが、この逆反らせ作戦が有効なパターンもあるんです!

トラスロッドを最後まで締め込んでもまだ順反りしている場合や、昔のマーチンなどトラスロッドが入っていないのに順反ってしまったパターンです。

逆反り具合を計算してフレットを打つのはなかなか至難の技です。

結構強引ですけど、こんな修理方法もあるんですね!覚えておいて損はナシ!!です。

さて今回のお話!皆さんには「か~」だったでしょうか、「かー!!」だったでしょうか?笑

 

■河田健太の完全メンテナンスコースはこちら

 

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