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規格外設計のギターアンプとは!?

こんにちは!ケンケンでぇす!

今日もアンプの修理についてお話してイクぅ!ゲーム動画配信者のノリ。

今回は真空管アンプのパワー管が壊れちゃう原因のお話です。2台も連続で修理に来て、同じ故障でしたので注意喚起的にもお話した方が良いなと思った次第です。

そんな問題のアンプはこちら!ドドン!

「フェンダー プリンストンリバーブ」です。

小型で非常に使いやすく人気の高いアンプなのですが、重大な落とし穴があったのです。

その理由とは!?

このアンプには「6V6GT」といって1本使いでチャンプなどの5Wクラスや2本使いで15Wクラスの真空管アンプに使われているパワー管が使われています。

こんな球。

これが6V6GTの規格表です。赤マルをご覧下さい。

プレートMAXボルテージが315Vと記載されていますね。これは「真空管のプレートという所に315Vまでしかかけてはいせませんよ〜」という表記です。

が!

なんとこのプリンストンリバーブは400V以上の電圧がかかっているのです。

つけ麺を食べる時普段300gでお腹いっぱいなのですが、大盛り400g無料!って書いてあるからつい頼んじゃうんですよね。

結局食べ切れなくて地獄をみるやつと同じですね。結構腹一杯になって来てるのに見た目全然減ってねぇー!僕は貧乏性なのでいつもやってしまいます。

こういう店に限ってライスとかも付いてくるんすよね〜。ありがたいんですけどね。そりゃ壊れるわ〜い。

なぜ?

なぜこんなスーパーサイヤ人的仕様になっているのでしょうか?それはなるべく大きな音を出したかったからだと思います。

この6V6GTという真空管は2本使いで300ボルトかけると15ワット程度の出力を取り出す事が出来るのですが、限界を超えて400ボルト以上かけると20Wを超える出力を出すことが出来ます。

真空管は限界を超えて使う事も出来なくはないんですね。まるでサイヤ人です。

プリンストンリバーブの出力は22W、フリーザの戦闘力は53万です。

アメリカ人ならでは!?

こんな無茶した回路になってるのは、安くて少ないパーツでなるべくデカい音出た方がいいっしょ!そうだろメーン?っていう感じのアメリカンな設計だったのではないかと思うわけです。

それと、確かにドラムをいれて演奏した場合、15Wだとちょっと聞こえないけど22Wだと丁度いいな、ってなりそうなギリギリのワット数な気がします。

かといって30W以上にしようと思うとトランスやパーツ等が大きくなったり、使う真空管の本数も増やしたり変えたりしないといけませんのでちょっと無理してでも22ワット出したれぃ!という結果になったのではないでしょうか。

時代背景も考える

開発当時は真空管の製造が最盛期ですから、技術も高い上選別もしっかりしてあり、良質な真空管がいっぱいあったわけです。

なので400Vでも割とへっちゃら〜!だったのですが、近年のヘナチョコ真空管を挿してしまうと、直ぐに壊れてしまう。という所もあるのかと思います。実際ビンテージ管は持ちが良い気がします。

あとはそこら辺にいくらでもあるから、壊れたら換えれば良いじゃん的な感じだったのでしょう。

ここで恐ろしいのが、50年以上前の無理矢理設計のアンプと現行品がほぼ同じ回路!だという所です。

やはり今はビンテージリイシュー品が人気ですので、なるべく同じに作らないと売れないんでしょうね。悪しき慣習を引きずってしまうギター業界の悪い所だと思います。

おっとまだまだ書きたい事があるんですけど、ちょっと長くなってしまったので次回に続けようかな。

次回はこの手のアンプを長く使っていくための方法などを書いていこうと思います!

おまけ

壊れて青く発光する6V6GT

 

そしてスパークして赤熱する6V6GT

 

皆さんのアンプが壊れませんように。

ギター屋funkojisanの完全メンテナンスコース

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