お久しぶりです。funk ojisanのヤマザキミナミです。
ここ最近はというと自分で作ったサラダチキンの熱し方が甘く、食中毒で倒れていました。みなさん加熱には十分ご注意を…!!!
さて、今回ご依頼いただいた内容はスタインバーガーのネックのねじれ修正です。
ご依頼時のメールには『修理不可能だったら木製のネックを新しく作ってください』とも…。そこまで言われる状態とは一体どういう状態なのでしょうか。
お…
めーーーーーーーっちゃ捻れてますね!教科書に載りそうな絵に描いたようなねじれ!他人にネックのねじれを説明する時はこの写真を使おうと思いました…(笑)
スタインバーガーのネックは年代にもよりますがグラファイトという素材が主に使われてるそうで、ネックが反らないというところが売りの一つなんですよね。
その売りが………
ご依頼主からは新しいネックを作るでも良いとの事だったんですが、せっかくだから試しに削ってみることに。なんでも他の楽器店やリペアショップでは修理の相談をした際、難色を示されたそう…
確かにインターネットで検索しても片手で数えられるほどしかフレット交換の事例がなさそうです。
(しかもほとんどが指板を削らずにフレットだけ打ち直すリペアでした。)
ひとまずフレットを抜いてみます。
木材の指板のようにフレット溝が割れる事がないのでストレスフリーですね。
肝心の指板を削ってみると…『まあ全然削れそうだな〜』という印象。
しかし半端ではない反り方なので0フレット〜4フレット辺りまでフレット溝がなくなってしまいました。(写真撮り忘れた!)
溝を切り直し、指板Rを整えていくと…
どれくらいねじれてたかというのは、この写真を見るとわかりやすいんじゃないでしょうか?
なんだかトリックアートみたいです。
無事に指板は真っ直ぐになったのですが、ナット部分で新たな問題が…。
このギターは0フレット仕様のため、0フレットに弦のテンションをかけてあげないと開放弦のビリつきが生じてしまいます。
今回5,6弦側の指板を物凄く削ったため、今の状態だと5,6弦が浮いてしまって0フレットにうまくテンションがかかりません。
本来であればこのように均等にテンションがかかります。
こうなると、指板を削った量と同じくらいここの部分を削ってあげないといけません。
ただ削るにしてもトラスロッドに干渉してしまうので完璧な平面はかなり難しいです。
取り付け穴もずらす必要があるのでもともとの穴は埋めてあります。
これ以上ネック側を削るのは危険と判断したのでパーツの裏側を削ることにしました。
この部分ですね。
パーツ側、ネック側を交互に微調整しながら削っていきます。また、トラスロッド部分の穴の位置もズレてしまうので拡張しました。
写真が少なくてすいません、、、夢中で作業してると撮り忘れちゃうんですよね、、
ちなみにナット部分を取り付けた写真がこちらです。
ネックに対して真っ直ぐに取り付けられてるのがわかると思います。
こちらは側面からの写真
均等にテンションがかけられています。
ちなみに0フレットのみ、他のフレットよりも少し高さがあるもので、ステンレス製を使用しています。常に弦のテンションがかかる部分で消耗が激しいためです。
サラッと流してしまってましたが、肝心のフレット打ちも木製ギター同様、特に問題なくできましたね。
終わってみるとスタインバーガーのフレット交換、指板調整は全然できるのではないか?と思いました。
でもいろんな記事を読んでるとどこも『グラファイト製のフレット交換はそう簡単にできない』と書いてあるからな〜。今回うまくいっただけなのかどうなのか…。ネックアイロンが効かないとかそういう理由なんでしょうか…。気になります。
ともあれ今回は無事終了し、ご依頼主からもお喜びのメールをいただけたので本当に良かったです!
同じような症状でお困りの方、ぜひご相談ください!
それではまた次回!