funk ojisanリペア担当の藤田です。
先日funk ojisan YouTubeチャンネルで紹介されたChar Mustangの動画をうけて、お客様から改造のお問い合わせを頂きました。
先にFenderのChar Mustangをご紹介しますと、動画で分かるようにムスタングなのにシンクロナイズドトレモロが搭載されているというのが最大の特徴です。コントロール類の位置も変わっており扱いやすくなっています。
そして今回ご依頼を頂いたのがこちらのギターです。
Fender Mexico製のムスタングでP-90タイプのピックアップ、トグルスイッチ、裏通しのハードテイル仕様と個性的ですね。
一度ビグスビーを付けてみたそうなのですが、2点支持のシンクロにしてみたいというご要望です。
今回は下準備が命です。
事前に懸念すべき点は、ボディの厚みが薄いムスタングかつダイレクトマウントのP-90とシンクロブリッジの共存は可能かという点です。
各寸法をばっちり計算して、薄いボディに搭載できる二点支持シンクロブリッジも取り寄せできました。いざ作業に取り掛かります。
まずはブリッジのスタッドとボディを貫通するザグリの位置決めをボディ上に罫書きます。センターがズレないように入念にチェックです。
穴を開けて、ザグって…なんかこれ顔に見えて来たな…というどうでも良い邪念を払いながら作業を進めます。
次に裏側のスプリングハンガー等を設置するザグリの加工です。
P90ピックアップが直付けマウントの為、深く掘り過ぎるとピックアップのマウントビスがほんのちょっとしかボディに噛まないという危うい状態になってしまいます。
ということで構造上問題ないギリギリの浅さまで堀り進めます。
弦アースを通す穴やスプリングハンガーを取り付ける下穴を開けて取り付けです。ちょうど良い感じになりましたね。
懸念だったピックアップのマウントビスも、しっかり木部に噛んでおり問題なさそうです。
ブリッジを取り付けるためにピックガードを加工する必要があったので、ブリッジ周りを削ってブリッジの取り付けです。こちらも良い感じになりました。
調整してこれで完成です。
ショートスケールのテンション感と相まって軽いアームのタッチで扱いやすい印象です。面白い見た目と使い心地のギターに仕上がりました。
今回もご依頼頂いた改造例の紹介でした。
次は一体どんなギターがやってくるのか…?