どうも!ご無沙汰してます。ギター屋funk ojisanのヤマザキです。
今日、近くの自転車屋さんに行ってタイヤの空気を入れてもらったんですけど、ついでにチェーンの錆取りや、漕ぐ度に鳴ってた異音などを取ってくれて、『お金はいらない』って言うんですよ。
リペアマンからすると、ネック調整とか弦高調整より難しそうな事やってて『え、これで無料なんですか???』という感じなんですが、自転車屋さんはどこで儲けを出しているんですかね…。
といういらない心配をしてしまったのでした…。
さて、今日は珍しいベースのメンテナンス依頼がありましたのでご紹介します。
AIRLINE製のベースです。
ギター並みのスケールで、ベーシストからすると逆に弾きづらく感じるかもしれないくらいです。
話を伺うと、このベースは上司の方からプレゼントしてもらったらしく、なんとか使える物にしたいとの事でした。
状態はというと、ペグ部分での共振、ナット部分での共振、ネックの波打ちによるフレットのビリつきがあり、フレットの状態も悪かったのでフレット交換をする事になりました。
しかしこのベースはトラスロッドが入ってない事もあり、普通のフレット交換よりもかなりシビアな調整が必要でした。
フレットの溝にもよるのですが、フレット交換をするとネックは逆反りになる傾向があります。
今回は溝が広かったので、フレットを打ち込めるように溝を埋める必要がありました。
意外と知られてない工程かもしれませんが、こうしたひと手間があらゆる工程の中に存在し、蔑ろにすると仕上がりが全然変わってしまうのです…。
今回はトラスロッドがなく、フレットを打った後のネックがどのような動きをするのかがわからないので、最悪フレットのすり合わせで反りの調整ができるようにジャンボサイズのフレットを打ちました。
ありがたいことにネックの狂いは少なく、最小限のすり合わせで済みました。
今回は電装系のチェックもあったんですが、見てください、この裏蓋を。
ビザール系の潔さ、僕は大好きです。
開けてみると…
最高ですね。
まあ、このベースは見た目の割にかなり重いので、重量を軽くする目的があったんだろうと思います。
それにしてもこの感じ、良いですよね〜。これ見ながらお酒飲めますね。
また、このベースにはピエゾピックアップが仕込まれていたんですが、アクティブ回路が組まれておらず、5MΩのポットが使われていました。(テスターで測っても2つとも正常な動きをしていました)
ピエゾピックアップのインピーダンスに合わせようとした結果だと思いますが、5Mのポットなんて初めて見ました。
他にも、ネックジョイントが縦に3本ビス止めされていたり、わざわざそれを隠すパーツもあったりと、いわゆる定番の作りではないのも面白いです。
ビザールギターって他にはないアイディアがたくさんあってとても勉強になります。
そういえば最近YouTubeの登録者数が伸びているのもあってか、敷居が高いお店に見られている事が多いようです。
今回も珍しいものをご紹介しましたが、修理やメンテナンスに出す際に『自分のギターは珍しくないから…』みたいな事は全然思わないでください。
どんな物でも、ご要望とご予算の中で最適なメンテナンスを提示できればと思っているので、是非お気軽にご相談ください。
それではまた次回!