札幌のエフェクターボード製作屋・・・、へ、ヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
エフェクターボード製作屋、と毎回名乗っておりますのでボード製作以外は何もしていないのか、キャンプか?と言ったら実はそうではなくて、件数で見ると楽器関連の修理、調整が多く、他には新品楽器の販売もしております。
今回は番外編として、そんなお話を少し知っていただけると嬉しいです。
楽器修理に関してはエフェクターボード製作の時と同様、メールでのお問い合わせから始まります。
その後、事前に日時を決めさせていただき、
・作業場にお越しいただいての修理、調整
・引き取りにお伺いし、詳しい内容をお聞きしてお預かり、完成後にお届け
という2パターンで行っております。
前者はライブ前の弦交換、調整の方が多く、後者は長年使っていなかったモノを復活させたい、または手放すことになったのでキレイな状態、使える状態にしてほしい、という方が多い、そんな傾向があります。
もう1パターンありまして、江別のLive & Bar Freedomさんというお店で出張修理させていただくこともしばしば。
お店のステージで、テーブルで、工具広げてハンダしている人間を見たことがある方、それはおそらく私です。
ここ最近は修理、調整が続いているので今回は誠に勝手ながら、エフェクター関係ではなく修理関係、(比較的)簡単でありながら、激しく便利なモノがありますので、それをひとつ紹介させてください。
こちらですね。
おぉ、何コレ、エフェクターはどうした?という画像ですね。(スミマセン)
見出しのとおりのモノなのですが、テレキャスターをお使いの方でジャックのカップ自体が浮いてきた、シールドを抜き差しする時にカタカタ動くなど、お困りの方、けっこういらっしゃると思います。
そんな時はこの「テレキャス、ジャックカップ奥の金属プレート取り付け機」の出番です。(なにかと長い…)
まずはジャックの六角ナットを緩めるところから始めるわけですが、ナット類を緩める時、締める時も必ずコントロールパネルを開けてキャビティ内部からジャックを抑えて緩めます。
中から抑えてあげないと緩まずにそのまま回転して内部配線が悲鳴をあげて捻じ切れます(ヒィヤァァァ…)。
修理内容が「音出ず」、に変化する瞬間ですね。(ポット系も同様です)
ちょっとの緩みの増し締めも必ず元のパーツ自体を抑えてやりましょう。
無事、ジャックが外せたらカップはそのままポロリと外れます。
ガタつきの原因、奥の金属プレートが見えてきたらソレをやさしく押し曲げて外します。無理矢理ヤると折れますのでここは注意が必要ですよ。
で、先のテレキャス、ジャッ・・・(略)、をバラしてボルト部に順番にセットしていきます。(上の画像は完成系です)
1:蝶ナット
2:ジャックカップを抑えるワッシャー
3:ジャックカップ
4:ジャックの奥の金属プレート(くの時に曲げる)
5:金属プレートを抑えるワッシャー
6:袋ナット
注意点は4のジャックの奥の金属プレート。
手で触ってみて尖っている方を画像の左側(袋ナット側)にします。
ついていたモノの再利用でどっちもどっちという場合はなんとなく尖っている方、になりますが、ボディへ食い込ませる部分になりますので尖っていると食い込みが強くなる、という目的です。
で、元々の金属プレートがハマっていた部分(木が小さくくぼんでいる部分)を避けて向きを調整したら静かにスポッとボディに入れます。
ボディにはカップが当たっているので外側の位置は固定されます。この状態で蝶ナットをジワジワゆっくり締めていきます。
中で金属のプレートがジャックカップと密着してじっくりとまっすぐ押し曲げられていくと同時にボディに食い込む、という仕組みですね。
その後、中からコレの袋ナットを緩めて外して静かにワッシャーとボルトを抜き去ります。
固定された金属プレートにジャックを通す、カップを当ててジャックを中から抑えつつ六角ナットを締め上げて完成です。
この作業、実際に多いケースとしては、ジャックがガリでダメになった時、ゆるみがあればジャック交換とセットで行うというパターンが多いです。
上の画像は念のため予備用に買ったサイズのワッシャーも通してありますが、実際は二枚で大丈夫です。
「テレキャス、ジャックカップ奥の金属プレート取り付け機」
私しかいないので呼び方は別になんでもいいのですがコレの呼び名は「401」です。
その昔揃えた時、ボルト、ナット一式、税込 401円であった、ということですね。
よし、自分でやってみよう!という場合はボルト、ナット、ワッシャーなどバラ売りしてくれるホームセンターであれば500円以内で収まるはずです。
取り付け時、蝶ナットの締め過ぎには注意が必要になりますが、ちょいちょい確認しながら進めるとわりと簡単に、効果大の類だと思います。
はい。