札幌のヘルニアエフェクトボードデザイン根尾です。
ここのところなんだかタイミングと天気が合わず、全然キャンプに行けていません。
4月、強風過ぎてポールがテント(インナー)を貫くというハプニング。
5月、キャンプ場に落とし物をするトラブル(後日、無事見つかる)
5月、忘れ物を取りに行くための二週連続、同じキャンプ場。
7月、晴れと激しい雨を繰り返す軽い遭難キャンプ。
…行けても何かとトラブル多発でなんかアレなシーズン。
さて、今回は季節の変わり目、夏が終わりそうな今時期にはとくにおすすめの楽器ケアについて書いていきたいと思います。
えー、エフェクター関連に限らずリペア関係も書いていいですよ、と山脇先生からLINEをいただけたのでちょいちょい書いていこう、という内容です。
うちでは弦交換 & 調整時にセットで含んでいる作業内容、フレット磨き、についてですね。
元々は楽器店時代、中古買取時に真っ先に行っていたのがきっかけになっています。
弦はサビたり、音が死んだりしてしまうので、古くなると交換、これはみなさま当たり前に行っていることと思います。指触りが悪い、音が伸びない、ピッチが危うい、わかりやすく症状が出ますよね。
サビは硬いモノなのでそのまま弾いているとフレットも減りやすくなり、指も臭くなる、サビた弦のまま弾き続けているといい影響はありません。
ではその弦の近いところにある金属部分、フレットの方はどうでしょうか。
くもってませんかね。黒ずんでたりするところ、ないですか?
夏場はとくに起こりやすい、(ステンレス製は起こりにくいものですが、)一般的なフレットの場合、避けられないのが「フレットくもり案件」です。
フレットがサビまでイッているというモノは頻繁に見るものではありませんが、くもっているのは時間とともに必ず起こる状態変化です。
これは新品楽器でも同様です。楽器店時代、なかなか売れないなーって長期在庫はフレットももれなくくもってきますのでたまに弦交換とフレット磨きをしておりました。
みんながみんなよくよくまじまじ見る部分ではないかもしれませんし、だいたいまんべんなくくもりますのでこういうもんだ、と見落としがちとも思いますが弾いた時の印象、手触り、弾き心地に影響が出ますのでフレットもクリーンで晴れやかな状態を維持するのが楽しく弾き続けられるポイント、と思います。
方法はいたってシンプル、簡単です。
まずネックの両側面にマスキングテープを貼ります。
一気に全体で貼ろうとするとヨレがちですし、フレットのある側面部分をカバーできれば良いので何カ所かで分けて貼るでOKです。
そして1Fから順番にマスキングテープをフレット両サイドに貼り、少量のコンパウンドをなんらかの布にのせて磨きます。これだけです。
磨くとあっという間になんらかの布が真っ黒になります。そのなんらかの布の部分を変えて乾拭きしていくとだんだん黒くならなくなりますので、黒さが完全に布に残らなくなれば完了です。
この乾拭き作業を怠ると弾いた時に地味に指が黒くなりますのでコンパウンドをつけて磨く、磨いた後は綺麗な面で黒ずみがなくなるまで拭く、が重要です。
↑ 左3本が磨き済み、右3本はくもってる状態です。
くもりのないフレットは縦のひっかかり、ざらつき、ひきずり感がなくなるのがわかると思います。これがなくなると、
・指触りが滑らかになる
・ヴィブラートがスムーズになる
・レスポンスも良くなる
・見た目も美しい
といいことずくめです。
他の方の作業写真を見るとほとんどの方がフレット全部にマスキングテープを貼ってからこの作業をしている印象がありますが、私は一本磨き終えたらそのマスキングテープを剥がして次のフレットへ、を繰り返します。
全部貼ってからの方が早いかもしれませんがトータルで考えるとそんなに時間差は出ないかな?ということでこの方法です。
粘着力がなくなったり、マスキングテープが薄くなってきたら反転させたりしますが、だいたい6切れくらいで楽器一本、作業完了しています。
もったいないおばけ世代だからですかね。
貼り方は自由です。磨いた時に出る黒さが指板に移らないようにする、という目的ですので。
フレットサイズに型抜きされた金属プレートなんかもありますが、モノによっては隙間からわずかにはみ出してコンパウンドを指板におもらししてしまうこともあるので個人的にはマスキングテープがベストかな、と思っております。
いずれにせよフレット磨き、本当におすすめですよ。
コンパウンドと書いていますが、製品名はFERNANDES 946、スクラッチメンダーってのを使っています。
フレット1本につき、ほんの少量で大丈夫ですのでひとつあるとけっこう長持ちします。キラキラになったフレットで弾くと愛着もさらに湧くんじゃないかなーと思います。